文様のふ・し・ぎ 27 かたばみ

『七緒vol.64』 文様のふ・し・ぎ カタバミ

 幼い頃、四つ葉のクローバーを見つけると幸運がやってくるといわれていることを知り、庭先にしゃがみ込み、必死になって探していたことがある。見つからなかった以上に残念だったことは、それがクローバーではなく、別の植物だったこと。カタバミという名前はずいぶんと大人になってから知っ たのだった。  子どもだった私からは「四つ葉のクローバーではないもの」と烙印を押されてしまったわけで、思い返せばかわいそうなことをした。  カタバミは、よく見ると葉の形が可か愛わいらしく、庭先に限らずアスファルトの道路の割れ目などでもよく目にする。 庭先の雑草が勢いよく育ち始めると、大人になった私にとっては「草取り」の対象だが、どこか親近感がわくカタバミの健気な姿は、どうにも憎めない存在なのだ。

文=長谷川ちえ   エッセイスト、器と生活道具の店「in-kyo」店主。情報発信サービス「note」にて福島・三春町の行事や暮らしの様子を二十四節気に沿って執筆中。
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イラスト=山本祐布子

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