IPO投資は証券口座を作ることで誰でも簡単に取り引きを始めることができ、非常に高い勝率やリスクが少ないことから投資初心者におすすめの投資方法です。
IPO投資を始める前に知っておきたい「初心者でもわかりやすい、株式投資の始め方とコツ」、おすすめネット証券10選の基本情報やおすすめポイントはこちらで紹介しています。
また、IPO投資でもNISAを活用することで、IPO株の利益に発生する税金を非課税にすることができます。NISAの特徴、投資商品の選び方、おすすめの証券会社はこちらで紹介しています。米国株のIPO投資を考えている方は、「米国株の買い方を初心者にわかりやすく解説!ポイントと注意点も紹介」の記事も参考になるでしょう。
本記事では、IPOの概要やIPO株の買い方、証券会社の選び方など詳しく解説していきます。IPO投資に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
IPOの概要
IPO投資の魅力は?
端的に言うと、かなり割安のうちに株を取得することにより、上場後に資産を大幅に増やすことができます。
まずはIPOの概要について詳しく紹介します。
IPOとは?
IPOとは、「Initial Public Offering」の略称で、新規公開株式や新規上場株式と呼ばれる投資商品のことです。これから株式市場に上場する予定の未上場企業の株式を指し、これまで未公開であった株式を上場により一般に公開させることで自由に取り引きができるようになります。
IPOとは「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることをいいます。
株式上場に際し、通常は新たに株式が公募されたり、上場前に株主が保有している株式が売り出されます。これら株式を証券会社を通じて投資家へ配分することをIPOといいます。
引用:auカブコム証券
IPOは上場する際に安く設定された価格で株を購入し、上場後の値上がりを狙って売却することで利益を上げることが可能です。上場前は未公開であった株式が上場により広く公開されることで企業の知名度や信頼度が上がります。そのため新規で上場する企業は急成長を見込めることが多く、上場によって株価の上昇が期待できるため利益を得やすいというメリットがあります。
会社自体のメリット 1. 資金調達方法の多様化と調達力の向上 2. 知名度の向上(人材獲得が有利になったり、企業イメージやブランドが向上することなど) 3. 厳しい審査を経ることによる経営管理体制の強化と社会的信用の増大 4. 役職員のモチベーションやモラルの向上
引用:J-Net21
IPOの仕組み
IPOは、主幹事である証券会社が上場予定企業の業績や業種の株価などを踏まえて、市場に出る前の価格である公募価格を決定します。主幹事とは株式を売り出す際の中心となり、企業の上場に際してさまざまなサポートを行う証券会社のことです。
公募価格が決まれば投資家が企業の株式を購入できるようになりますが、証券会社ごとに割り当てられる株式数は異なるため、購入を希望する投資家が割り当てられた株式数を上回った場合には抽選が行われます。
その後株式が上場すると取り引きが可能となり、最初の市場価格である初値が決まります。公募価格よりも初値価格が高くなれば投資家は利益を出すことができるのです。
主な証券会社の取扱銘柄数と主幹事数
公募価格と初値価格
IPO投資をするうえで重要なのが、公募価格と初値価格です。
公募価格とは、新規に証券市場や店頭市場に公開する株式が投資家に販売される価格のことで、募集価格とも呼ばれています。要するに投資家が購入する株式価格のことになります。
引用:東海東京証券
主幹事である証券会社により、企業の業績や将来性などを基に決められるのが公募価格です。公募価格は通常「ブックビルディング」と呼ばれる投資家の需要を確認する方式で協議されて決まります。人気銘柄であれば価格帯の上限額がそのまま公募価格となる可能性が高いです。
公募価格が決定した後、株式が上場すると一般投資家が上場した企業の株式を売買できるようになります。このとき取り引きにより最初に決まる株価が初値価格です。初値価格は公募価格よりも高くなる傾向にあるため、公募価格で購入した株式を企業が上場したタイミングで売却することで利益を出しやすくなります。
初値売りで利益を上げる
IPOは公募価格よりも初値の方が高くなりやすいというのは先述した通りです。そのため企業が上場したタイミングで初値売りをすることで利益を上げられます。
企業は、上場前は業績や知名度が低いことから公募価格が割安になっている場合が多いため、上場することによって需要が高まり初値が高くなります。初値で株式を売却するためには、公募価格で売り出された際の抽選に当選する必要があるためかなり難しいですが、公募価格でIPO株を手に入れることができれば、後は初値で売却するだけで、ローリスクで利益を上げることが可能です。
IPO投資はどれくらい儲かるのか
IPO投資ってどのくらい儲かるの?
一瞬にしてテンバガー(株価が10倍)になることもIPO投資の世界では珍しくありません。10倍は行かなくても、約90%確率で公募価格よりも高い株価で売り抜けることができます。
ローリスクで利益を狙うことができるIPO投資ですが、実際にはどれくらい儲かるのか詳しく説明していきます。
一瞬にして10倍の値上がりも
IPOは、一瞬にして大幅に株価が値上がりする場合があります。2018年に上場したHEROZという企業は公募価格4500円に対して初値が4万9000円、2020年に上場したヘッドウォータースという企業は公募価格2400円に対して初値が2万8580円と10倍以上の値上がりを見せた企業も多少存在しています。公募価格に対して初値が大きく値上がりすればすぐに多大な利益を得ることが可能です。
10倍以上という大きな値上がりは多くないにしても、IPOは平均勝率が9割ほどと非常に高く、公募価格よりも初値が数倍程度値上がりするケースは多いです。そのため少ないリスクで大きなリターンを期待でき、公募価格で株式を購入することができれば利益を得るのはそう難しくありません。
なぜIPO株は儲かるのか
IPO株は初値が公募価格を上回ることが多いため利益を出しやすいです。IPO株は、通常の株式投資と異なり買値が公募価格によって決められています。
公募価格はIPO株を売り切るために低価格に設定されることが多いですが、公募価格が安いことで投資家が株式を購入しやすくなり、初値が公募価格よりも高くなると企業のイメージが上がるのです。
通常であれば、企業は株式を購入してもらうことで事業資金を集めるため、株価は高いほど利益率は上がります。公募価格も資金調達のために設定する価格なので高いほど資金を集めやすいですが、上場前の企業は情報量が少ないため株価が高いと売れなくなってしまう可能性も否定できません。
そのため公募価格を下げることで株式を売りやすくし、上場後の株価の値上がりによってマーケットが活性化することで投資家が利益を出しやすくなっています。
絶対に儲かるのか
IPO投資は初心者でも利益を出しやすい投資方法ですが、IPO株を公募価格で買えたからといって絶対に儲かるわけではありません。9割ほどの勝率を誇るIPO投資ですが、逆にいえば1割は損をしてしまう可能性があるということです。
初値が公募価格を下回ることを公募割れといいますが、公募割れが起きてしまえば少なからず損をしてしまいます。
実際に2021年に上場した企業のうち4社が公募割れとなっています。公募割れが見込まれる企業は投資家にも人気が少なく、公募価格で抽選に申し込む投資家は限られるため当選確率が上がります。
そのため当選確率が高いほど不人気の銘柄である可能性が高く、公募割れにより損をしてしまいかねません。数は多くないにしても公募割れを起こす銘柄は毎年のように存在しているので、抽選に通って公募価格で買えば利益を出せるわけではないということを覚えておきましょう。
公募割れが起きたらどうなる?
初値が公募価格を下回る公募割れが起きてしまうと、初値で株式を売却しても利益を得ることはできません。投資家にとって不利益になるだけでなく、企業としても株価が低調する可能性があるのでなるべく避けたいところです。公募割れを起こしやすい銘柄には以下のような傾向が見られます。
公募割れを起こしやすい銘柄の特徴
- 発行株数が多い
- 事業内容に目新しさがない
- 直近決算が赤字
まず新規発行株数が多い銘柄は、購入できる投資家の数も増えるため株価は上がりにくくなります。また事業内容に新鮮味がなければ今後の事業成長も見込みにくく、直近の決算が赤字である銘柄はそれだけで評価が上がらなくなってしまいます。
公募割れが起きるとせっかく得た利益のチャンスを失ってしまうので、上記の傾向を踏まえたうえで慎重に銘柄を選定することが重要です。
IPO株はどうやって買うのか
IPO株って簡単に買えるの?
IPO投資ができる証券口座を開設する必要はあり、多くの場合は抽選でIPO株を買うことができます。リターンが大きい投資手法だからこそ、多くの投資家が注目しています。
続いてIPO株の買い方を順番に紹介します。
ステップ① まずは証券口座を開設する
まずは証券会社でIPO取引をするために証券口座を開設しましょう。IPO株に限らず株式取引をするためには専用の口座が必要です。証券口座は証券会社のホームページなどから簡単に開設することができます。証券口座を開設したら取り引きをするための資金を入金しておきましょう。
銀行で預金口座を開設している方が多いと思いますが、証券口座も同じようなイメージで開設・利用できます。複数の証券会社でIPO取引をするためには証券会社ごとに口座を開設する必要がありますが、証券口座は無料で作ることができるのでまずは気軽に開設してみましょう。
またIPO株は配分が決められており、IPO株が割り当てられている証券会社の口座を作る必要があるので事前に確認しましょう。
ステップ② IPOスケジュールを調べる
証券口座の開設が済んだら、次にIPOスケジュールを調べます。IPOスケジュールとは企業の株式公開日(上場日)や上場する市場、申込期間などを一覧で確認できるページのことです。IPOスケジュールは、口座を開設した証券会社のホームページやIPOに関する情報を発信しているメディアのサイトなどさまざまな場所で簡単に確認することができます。
IPOスケジュールを確認して自分が購入したい銘柄の情報をしっかり調べておきましょう。IPOは購入期間が短いことが多いため確認を後回しにすると購入したい株式を取り逃してしまう危険性があります。そのためIPOスケジュールは早めに確認することをおすすめします。
ステップ③ IPO株を選んで申し込む
IPOスケジュールを確認したら実際に購入したいIPO株を選んで申し込みましょう。IPO株を購入するにはまずブックビルディングに申し込む必要があります。
ブックビルディングとは新たに上場する企業の株式の公募価格を決める制度のことで、投資家から欲しい株数や価格などの情報を集めるものです。自身が購入を希望する銘柄を選んだら、その企業の詳細情報が記載された目論見書という書類を確認してブックビルディングに申し込みます。
ブックビルディングが完了した後に選んだ銘柄の公募価格が決まり、購入希望者が多い場合は抽選が行われます。ブックビルディングは基本的に5日程度しか行われないため期間が過ぎてしまわないように注意しましょう。
ステップ④ IPO株の抽選結果を知る
ブックビルディングによって公募価格が決定し、購入希望者が割り当てられた株式数を上回った場合には抽選が行われますが、どの銘柄であっても抽選は行われるものと思っておきましょう。
証券会社によって抽選方法は異なりますが、当選・落選または補欠当選のいずれかで抽選結果が表示されます。補欠当選とは、当選者がIPOの購入を何らかの理由で辞退した場合に繰り上げで当選することです。抽選結果を確認し、当選か補欠当選で条件を満たした場合にIPO株を買うことができるようになります。
当選した場合はIPO株を購入するかの意思確認が行われます。購入の意思確認は補欠当選で繰り上げとなった場合でも同様で、一定期間購入の意思表示がなされないと当選が無効となってしまいます。そのため当選して購入を決めている場合は速やかに購入の意思表示を行いましょう。
抽選の後、IPOスケジュールに記載された株式公開日(上場日)になったら証券取引所でIPO株を取り引きできるようになり、当選してIPO株を購入した場合にはこのタイミングで売却することができます。
抽選方法の仕組み
どうやったら抽選に選ばれるの?
IPO抽選には種類があり、証券会社によって抽選方法は異なります。各証券会社の特徴を捉えた上で口座開設するのがいいでしょう。
IPO株の公募価格が決定した後購入希望者が多い場合には抽選が行われますが、抽選方法は証券会社によって異なります。ここでは主な抽選方法についてそれぞれ詳しく解説します。
抽選方法は3つ
IPOの抽選方法は、完全平等抽選・優遇抽選・店頭配分の3つです。証券会社によって抽選方法は異なり、それぞれの抽選方法を組み合わせて抽選を行っている場合もあります。
それぞれ仕組みや特徴が異なるので、違いをしっかりと把握しておきましょう。
完全平等抽選
完全平等抽選とは、その名の通り1人につき1票の抽選権が与えられる抽選方式です。機械によって完全ランダムに抽選が行われるため資金力によって結果に差が出ることがなく、初心者も上級者も関係なく当選を狙うことができます。
似た言葉で完全抽選という抽選方式がありますが、こちらは機械による抽選なのは同様で、資金力がある人ほど多く抽選権を獲得できる仕組みです。完全平等抽選は申込者がすべて平等な立場で抽選に参加できるということを押さえておきましょう。
優遇抽選
優遇抽選とは、これまでのIPO取引実績や預かり資産額などの個人情報に応じて優先的にIPO株が配分される抽選方式のことです。優遇抽選の中でも、申込数(口数)が多いほど当選確率が上がるものを口数比例方式、また預かり資産などに応じて段階的にステージが決められ、ステージが上がるほど抽選票数を多くもらえるものをステージ制抽選といいます。
優遇抽選はその名の通り資金額や申込数(口数)が多いほど当選確率が上がる抽選方式のため、資金力のある投資家の方が圧倒的に有利になるのが特徴です。数千万から数億円単位で取り引きを行う投資家もいるため、IPO投資初心者の場合はよっぽどの資金力がない限りはおすすめできない抽選方式になります。
SBIチャレンジポイントとは
SBI証券には、IPOの抽選に落選した回数に応じてポイントが貯まるチャレンジポイントと呼ばれるポイントプログラムがあります。
新規上場株式(既上場銘柄の公募増資・売り出しは除く)のブックビルディング後の抽選・配分に外れた回数に応じてIPOチャレンジポイントが加算されます。
引用:SBI証券
次回以降のIPOお申込時に、IPOチャレンジポイントをご使用いただくことにより、IPOが当選しやすくなるSBI証券のポイントプログラムサービスです。
SBI証券でIPO取引をする場合には、抽選に申し込む回数が多いほど次回以降の抽選が有利になるので、優遇抽選にチャレンジするのも抽選確率を上げる1つの手段となります。当選するとポイントがなくなってしまいますが、資金力がなくても優遇抽選で上級者の投資家と渡り合える可能性があるので、SBI証券でIPO取引を行う場合には積極的に申し込んでみましょう。
店頭配分
店頭配分とは、証券会社が取り引きのある投資家にIPO株を割り当てることです。店頭配分は担当者の売り上げに貢献している投資家に独自の裁量でIPO株を割り振る行為なので、ランダム抽選ではなく資金力が小さい投資家でももらえる可能性があります。
ただ売り上げに貢献するとなると、預入金額が多額であったり頻繁に投資活動を行っていたりする必要があるので、基本的に一定以上の資金力が必要になることは覚えておきましょう。店頭配分は顧客の離脱防止や取り引きの拡大などの目的で行われるもので、証券会社にとっても有益な商品となっているので積極的に行う証券会社も多いです。
店頭配分は証券会社に貢献している投資家であればもらえる可能性は高くなりますが、新規で口座開設したばかりの人や取引実績などが少ない人であればもらえる可能性はほとんどないので注意しましょう。
証券会社の選び方は?
証券会社を選ぶ基準ってあるの?
IPOの取扱銘柄数が圧倒的に多いSBI証券がおすすめです。ただIPOは抽選で、証券会社によって抽選方法が異なるため、複数の証券口座を開設した方が、より当選確率も上がります。
一口に証券会社といっても、その数は非常に多く特徴や取り引きできる商品などさまざまな違いがあります。ここでは証券会社の選び方のポイントを詳しく紹介します。
主幹事が多い証券会社から申し込む
まずは、主幹事が多い証券会社から申し込む方法です。主幹事とは、有価証券の引受数量が多くIPOにおいて中心的な役割を果たす証券会社のことで、主幹事であれば通常よりも株の割当数が非常に多いため当選確率を大幅に上げることができます。
有価証券の発行を引き受ける幹事証券会社のうち、募集や売り出しの中心となる証券会社のこと。株式公開(IPO)に際しては、上場のための種々のサポートを実施します。「主幹事証券」ともいいます。
引用:三井住友DSアセットマネジメント
主幹事証券会社はIPOの流れをまとめる役割を持っており、未上場企業のパートナー的存在です。企業の上場前から上場後まで助言やサポートを行うため一般的な証券会社よりも多くの株式を引き受けることができます。これにより個人投資家の当選数も多くなるのです。
主幹事になる証券会社は大手がほとんどで、その証券会社も大方決まっているので主幹事数で選ぶならおのずと大手の証券会社となるでしょう。
ネット証券から申し込む
大手の証券会社以外にも、IPO投資でおすすめなのがネット証券です。ネット証券であればネット上で口座開設から取り引きまで簡単に完結できるほか、一般的な証券会社とは異なり公平な抽選方法を採用していることが多いため資金が少なくてもIPO投資で儲けるチャンスがあります。
またIPOの主幹事になるネット証券も増えているため、気軽に利益を狙えるという魅力もあります。中には1株から購入できるネット証券も存在するのでリスクを分散させることも可能で、スマホ1つで空き時間に投資をすることができます。
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口座開設数が少ない証券会社を狙う
口座開設数が少ない証券会社も狙い目です。口座開設数が多いほどライバルが多いことになるので当選確率が下がってしまいます。IPOはリスクが少ないにもかかわらず大きな利益を狙えるローリスク・ハイリターンの投資方法です。当選さえしてしまえば後は初値で売却するだけで利益を狙えるので、口座開設数が少ないほど儲かる確率は上がります。
大手の証券会社ほど口座開設数は多いので、あまり広く知られていない穴場的な証券会社を探してみましょう。
複数の証券会社から申し込む
1つだけでなく複数の証券会社から申し込むのは、IPO投資において定石です。IPO株は公募価格で一定数だけ売り出されますが、基本的には購入希望者の方が多いので抽選が行われます。1つの証券会社だけではIPOの数も限られているため当選確率はどうしても上がりにくいです。
証券会社によって銘柄の種類や数は大きく異なり、主幹事数やIPO株の割当数も違います。できるだけ多くの証券会社から申し込むことでそれだけ当選確率は上がるので、気になる証券会社があれば気軽に口座開設をしてみましょう。口座開設だけであれば無料でできるほか、アプリなどの使用感もわかることで自分に合った証券会社を見つけることができます。
時間差に着目して同じIPO株に複数応募
証券会社によって取扱銘柄の種類や数は異なりますが、もちろん同じ銘柄を取り扱っていることもあります。そこで、複数の証券会社で口座開設をしたら時間をずらして同じIPO株に申し込んでみましょう。
中には重複してIPO株に申し込むことを禁止している証券会社もありますが、ほとんどの場合は重複申し込みをしても問題ありません。また証券取引法においても特に重複申し込みに関する罰則などは明記されておらず、証券会社側もそこまで細かくチェックすることはないので、当選確率を上げるために可能であれば複数の証券会社から同じIPO株に応募してみましょう。
事前資金がいらない証券会社
事前資金がなくても抽選に参加できる証券会社も中には存在しています。IPOの抽選では基本的に仮条件で決まった株価×100株分の資金が必要です。証券口座に必要な資金が入っていないと抽選を受けられない場合が多く、複数の証券会社から申し込む場合にはそれだけ資金が必要になってきます。
しかし抽選のために資金を移動するのは面倒です。資金が少ないほど抽選のたびに口座から口座へ資金を移す手間が増え大事な当選の機会を逃してしまいかねません。
もちろん当選した場合は購入資金が必要にはなりますが、事前資金なしで抽選に参加できるのは非常に便利です。とりあえず抽選だけ参加して当選したら購入するという流れで簡単に取り引きを進めることができるので、事前資金がいらない証券会社もチェックしておきましょう。
取扱銘柄数の多い証券会社
取扱銘柄数の多い証券会社を選ぶに越したことはありません。銘柄数が多いほど抽選に参加できる機会も増え、あまり人気のないIPO株を見つけられる可能性が高くなります。
取扱銘柄数は証券会社によって幅はありますが、基本的には20から50社ほどの銘柄を取り扱っている証券会社が多いです。中には70から80以上もの銘柄数を誇る証券会社もあるので、できるだけ銘柄数の多い証券会社を選ぶようにしてみましょう。
NISA対応の会社を選ぶ
NISAに対応した証券会社を選ぶこともより利益を上げるために重要です。NISAとは個人投資家向けの税制優遇制度のことで、通常であれば株式投資などで得た利益には20%ほどの税金がかかるところを、NISA口座であれば非課税にすることができます。
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
引用:金融庁
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
例えば公募価格が2000円で初値が2万円のIPO株を100株売却したとすると、得られる利益は以下の通りです。
公募価格が2000円で初値が2万円のIPO株を100株売却した場合に得られる利益
- 2000円×100株=20万円(投資資金)
- 2万円×100株=200万円(初値で売却した場合のリターン)
- 200万円-20万円=180万円(利益)
この場合、20万円の投資で200万円のリターンを得ているので、利益額は180万円となります。この利益にかかる税金は以下の通りです。
利益にかかる税金
- 180万円×20%=36万円
このように通常であれば利益から税金が引かれるので、実際に手取りでもらえる分はかなり減ってしまいます。
しかしNISA口座であればすべて非課税となるので、180万円の利益が出たらそのまま180万円受け取ることができます。通常よりも多く利益を得ることができるので、NISAに対応しているかどうかもしっかりチェックしましょう。
証券会社早見表
IPO投資ができる証券会社は実に多く存在していますが、ここまで紹介してきたポイントを基に表で見てみましょう。
IPOを取り扱う証券会社を10社厳選して紹介しましたが、このほかにも多数の証券会社があります。ポイントごとに比較し、自分に合った証券会社を見つけましょう。
SBI証券の口コミ
性別:男性
年齢:30代
職業:個人事業主IPOに興味を持つようになったときにこの証券会社を知った。IPOチャレンジポイントというものがあって、新規公開株にハズレた場合1ポイント獲得できて、多くポイントを貯めれば当選しやすくなる。IPOは資金が豊富であったりすれば当選しやすいとは思うが、こちらのポイントを使えば資金が少なくても、いつかは当選することができるので開設した。
出典:クラウドワークス
楽天証券の口コミ
性別:女性
年齢:30代
職業:正社員IPOはなかなか当選しないためいろんな証券会社に口座開設した方が当選しやすいとのことで楽天証券も利用しています。実際利用してみてまだ一度も当選したことはありません。良いところは買い付け資金がなくてもプレマには参加できるところだと思います。また特定口座とNISA口座を選択できるところもSBIにはないので魅力的だと思います。
出典:クラウドワークス
マネックス証券の口コミ
性別:男性
年齢:20代
職業:正社員最近ではここの株式売買手数料も割安にはなってきましたが、他のネット証券に比べるとそれほど割安だともいえません。しかも、株式売買手数料無料枠がないのはいただけません。しかし、IPOの抽選が平等なのでIPOで当選してもうけたいという虫のいい考えを持った人はこの証券会社でコツコツIPOに応募し続ける価値は大いにあると私は思います。
出典:クラウドワークス
Q&A
最後にIPO投資に関するよくある質問をまとめて紹介します。
- お金がなくても応募できるの?
- 証券会社によっては事前資金なしで応募できる場合があります。ただ全体として見ると事前資金なしで応募できる証券会社はあまり多くはありません。 また応募自体は無料でできても、当選して購入する場合は資金が必要になるので注意しましょう。
- 絶対儲かるの?
- IPO投資は、上場前の公募価格よりも上場後の初値の方が高くなる場合が多いので、一般的な株式投資と比べると儲けやすいのは確かです。しかし銘柄によっては初値が公募価格を下回ってしまうこともあるので、絶対に儲かるとはいい切れません。ただIPO投資は勝率が9割程度とかなり高いため、投資初心者でも安心して参加することができます。
- 当たった後にキャンセルできる?手数料は?
- 抽選に当たった後でも辞退できる証券会社は多いです。しかし一部の証券会社では購入申し込み後に抽選を行う「後期型」を採用している場合もあり、後期型であれば当選後すぐに購入しなければいけないため辞退することができません。 またキャンセルした場合にはペナルティが課される証券会社もありますが、手数料が取られるというわけではなく、一定期間または無期限でIPO申し込みができなくなってしまう場合があります。どうしても当選後にキャンセルが必要になる場合もありますが、キャンセルしてもあまりメリットはないので、極力しないように気を付けましょう。
- NISA対応って重要なの?
- NISA口座であれば通常かかる税金を非課税にすることができるため、できる限りNISAに対応しているかどうかは重視した方が良いでしょう。通常の株式投資であれば利益に対して約20%の税金がかかってしまうため、かなりの金額を引かれてしまうことになります。 NISA対応の証券会社は多数存在しているので、積極的にNISA口座を開設していきましょう。
- 誰が応募できるの?
- IPO株は証券会社に口座を開設していれば誰でも応募することが可能です。証券会社によっては当選後のキャンセルによってペナルティが課され応募できなくなる場合もありますが、基本的には証券口座を開設できる人であれば誰でも気軽に応募することができます。
- IPOを買うべき時期は?
- IPO株は、企業が上場するタイミングを見計らって購入しましょう。IPOは公募価格よりも上場後に付く初値の方が高くなることが非常に多い商品です。そのため上場前に株式を買っておくことで、上場後初値が付いたタイミングですぐ売却することで簡単に利益を狙えます。 企業が上場する時期はもちろん企業によって異なるので、IPOスケジュールで企業情報を調べておき、株式を買いたい企業の上場タイミングをしっかりと把握しておきましょう。
証券口座を作って実際にIPO投資を始めてみよう
IPO投資はローリスクで多くの利益を狙うことができる投資初心者にもおすすめの投資方法です。欲しい株式の抽選に当選する必要がありますが、勝率が非常に高く簡単に利益を得ることができます。
IPO株を取り扱っている証券会社は非常に多くそれぞれ特徴が異なるので、しっかりと比較しできる限り多くの証券口座を開設するのがおすすめです。口座開設は簡単にでき誰でも申し込めるので積極的に開設してIPO投資を始めてみましょう。
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