翡翠(ひすい)なすなすの煮びたし(1)

翡翠なす

箸で持ち上げるとずっしり感じるほど、だしを含み、じわじわとだしがしみ出してくる。盛り付ける時には生姜を添えて。

材料(2~3人分)

なす 6~7本、生姜(せん切り)適量、だし 300ml、淡口醤油 大さじ1と1/2、塩 小さじ1/2、味醂(みりん)大さじ2、揚げ油 適量

※今回使用したなすはすべて、長さ10~13cmの小ぶりなもの。
※だし+淡口醤油は、市販のめんつゆを薄めて代用できる。

つくり方

  1. 1

    なすのへたを切り落とし、火が通りやすいよう竹串などで10カ所ほど刺しておく(写真A)。

  2. 2

    揚げ油を170度前後に熱し、なすを揚げる(写真B)。転がしながら揚げ、箸で持ったときになすの表面がへこむのを目安に引き上げる。

  3. 3

    すぐに氷水にとり、15秒ほどひたしてから引き上げる(写真C)。なかまで冷ますのではなく、表面の粗熱がとれ、手で扱えるくらいに。

  4. 4

    まな板やバットの上でなすの皮をむく(写真D)。なすのお尻からむくと、むきやすい。なすに余分な水分を吸わせないことがコツなので、途中、熱いようなら手を氷水につけながらむくとよい。

  5. 5

    鍋にだし、淡口醤油、塩、味醂を入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら4.を入れて強めの弱火で3分ほど煮含める(写真E)。火からおろしてすぐ食べられるが、冷まして味を含ませたほうがよりおいしい。粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。盛り付ける時に生姜を添える。

  • (写真A)
  • (写真B)
  • (写真C)
  • (写真D)
  • (写真E)

つくり方備考

素材の味が引き立つ
だしの引き方

1.鍋に水1lと昆布10gを入れ、中火にかける。
 鍋肌に気泡がついてきたら弱火にし、30分火にかける。
2.味をみて、昆布のうま味が出ていたら昆布を引き上げ、強めの中火にする。
3.ぐらぐらっと沸く手前でかつお削り節5gを一気に入れ、5秒ほど置いて火を止める。
4.そのまま5~10分置き、かつお削り節が沈んだら、キッチンペーパーなどを敷いたざるで漉(こ)す。
だしが自然に落ち切るまでそのままにする。
だしが残ったら、冷蔵庫で3日程度なら保存もできる。

教える人:前沢リカ

翡翠(ひすい)なす

東京・下北沢にある、季節の野菜を中心とした和食の店「七草」の前沢リカさん。素材そのものの味を丁寧に引き出す料理は、どこか懐しい味わいのものばかり。こぢんまりとした心地良い店内には、自然体のもてなしの心があふれている。http://nana-kusa.net/


文・鹿野真砂美
撮影・馬場敬子
着つけ・木村智華子(シックスセンス)