人に着つけるときの紐の締め加減は?

Q:締めすぎたら苦しいだろうし、緩くて着崩れたら大変……。人に着せてあげるときに、紐をどのぐらいの力加減で締めたらいいの?

 

 

クロスした根元をつかみ、じわ~っとゆっくり力を込めて真横に引くのがコツ。後ろで絡げたり結んだりしない。
これでは緩い。指1本がやっと通るぐらい締めるのが正解。後ろは"親の敵"とばかりに力を込めてOK。
指1本がやっと通るようではきつい。前は片手の指が全部入るぐらい緩くていい。
腰紐は着つけの要。腰紐だけは前も蝶(ちょう)結びか片蝶結びでしっかり結ぶ。紐の端はおはしょりから出ないように、体に巻いた紐の中にきちんと入れ込んでおく。

A:紐は後ろで締めるもの。かなりキツくても大丈夫。 答える人・堀口初音さん(着つけ教室「キモノ*スイーツ」主宰)

後ろは「えっ!」と驚くぐらいしっかり締めて。その代わり、前は「えっ?」と意外に思うぐらい緩くていい。逆にしている人が多いが、じゅばんも着物も、前を締めると苦しいし、後ろが締まっていないと、後でどんなに引っ張って背中のたるみを取っても、衣紋が落ち着かず、衿が崩れるもとに。ただし、腰紐だけは前もしっかり結んでおくこと。

 (vol.48「堀口流 ラクに楽しく。『着せる』コツ」より

 

堀口初音さん  365日着物で生活する着物人。快適で着崩れ知らずの着つけに定評がある。上方舞 山村流師範、日本舞踊家・山村若静紀としても活躍中。著書に『上方伝統芸能あんない』(創元社)。

 

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