郡山 土を感じる癒しの旅【PR】

手と土と食――郡山 土を感じる癒しの旅
手と土と食
郡山 土を感じる癒しの旅

福島県郡山市が、土と触れ合って癒やし体験できるツアーを企画していると知り、興味津々。
ストレスが溜まりリフレッシュを欲していた筆者、本格スタートを前に一足早く体験してみた。

Sponsored By 郡山癒し旅プロジェクト実行委員会

澄んだ空気、のんびりした風情。
旅は、磐梯熱海駅からスタート!

東京から新幹線で90分弱で郡山駅。さらに磐越西線で4つ目が磐梯熱海駅。

山や田畑がぐんぐん近づき、磐梯熱海駅に降り立つと澄んだ空気に包まれる。駅前足湯からゆらゆら上がる湯けむりが「ようこそ」と手招きしているようだ。

土に触れると癒やされるという効果が注目されているが、郡山には、ミネラルが豊富で保肥力に富む粘土質の大地が広がっていて、癒しの要素が満載だ。今回のツアーでは、そんな土に触れ、地力を全身で感じる温泉に浸かり、伝統の会津木綿を着て、土の香りを伝える料理に舌つづみ!

さらに土に触れて手を動かすと、脳も活性化するといい、「土壌モノリス」作り、土作りから体験する陶芸も体験する。日常を忘れて、土に親しむ旅へ、いざ。

降り立つと空気が清らかで、思わず深呼吸。

土の効能について学び、
土壌モノリス作りにチャレンジ。

宿泊する『ホテル華の湯』にて、「ミニ土壌モノリス」作りを体験。

宿泊する『ホテル華の湯』に到着したら、オリエンテーション会場へ。ミネラル豊富な郡山の土の特徴や魅力、土に触れる体験にはリラックス効果があるという研究結果に耳を傾ける。人にとって土がいかに大切かを学ぶひと時だ。


「ミニ土壌モノリス」のお手本。木枠の額に自由な発想で作る。

「土壌モノリス」とは、自然の状態の土壌の断面を、なるべくそのまま標本にしたもの。まずは、ホテル近くのケヤキの森を散策し、材料を探そう。森ではつい木々を眺めたりと上に目がいくが、足元の土に注目して歩く。


ホテル近くの「ケヤキの森」へ。土壌モノリス作りに使う土と木の実を採集。

森に入ると土の香りに包まれて、なぜか心落ち着く。これは土に含まれる揮発性の「α-ピネン」の作用で、リラックス効果に加えて緊張がほぐれ心地よさをもたらすという。

土の香りがする材料。左から、濃い色の「表土」、黄土色の「下層土」、地表の落ち葉など。

採集した材料で「土壌モノリス」作りにチャレンジ! 土の中には数多くのバクテリアが存在していて、脳内神経伝達物質のセロトニンを増やしてくれるとの研究結果がある。セロトニンとは、やる気を起こし、不安な気持ちを抑制すると言われる物質。「土壌モノリス」を作りながらバクテリアを吸い込んだらセロトニンが増えて、癒し効果が期待できるというわけだ。


ベースに木工用ボンドを塗りながら、どんな風に作ろうかイメージしよう。
ひんやりとした土の触感、どこか懐かしいにおいに包まれながら夢中になる。層によって違う手触りを感じつつ手を動かす工作の時間。セロトニンが増えてきたのか、気持ちが穏やかになり、表情もゆるんでくる。小一時間ほどで完成だ。

並べ終えたら(左)、ボンド水を吹き付けて(右)、乾いたら完成。

土の力を感じる温泉と
土をイメージした夕食を

Ph9.1の美肌の湯。「展望ひのき癒しの湯」と「庭園露天風呂」(写真)がある。

無色透明のアルカリ単純泉、こんこんと湧く「会津磐梯熱海温泉」。源泉温度は53度で、毎分472リットルの湯量を誇り、とろんとした肌触りでしっとりすべすべになる。さらに期待できるのは、高いリラックス効果。入浴後は入浴前と比べるとリラックスした時の脳波の状態「アルファ波」が出るというが、この効果は測らなくても実感できるほどだ。

さて、ゆっくり湯浴みをしたら、いよいよ夕食の時間。ふわりと軽くあったかい伝統の織物「会津木綿」は、袖を通したとたん身に馴染む。昔は日々の暮らしに着たが、今はおしゃれ着として、旅の食事の席にもふさわしい。

料理長の丸山さんから、今日の献立について説明を聞く。

献立のテーマはずばり、「土」。このツアーのために仕立てた特別メニューだ。 『ホテル華の湯』の料理長・丸山賢治さんが献立のベースを考え、フレンチ系レストラン『なか田』のオーナーシェフ・中田智之さんとディスカッションを重ね生まれた。


アミューズ「川俣軍鶏胸肉真空調理 和風エスカベーシュ」
前菜

丸山さんに、特に土を意識した料理についてうかがった。

「郡山ブランド野菜」をふんだんに使うアミューズは、焦がし葱のソースで。前菜では、こっくりとした南瓜のスープ、滋味深い牛蒡のカステラ。郡山ワイナリー逢瀬シードルや、地元で醸される日本酒とともに味わう。

会津木綿の着物で、前菜をひと口。土の香りが広がる。
蒸し物「焼きあこや姫のフラン」
中皿「福島県産和牛ひれステーキ」

蒸し物には、会津の郷土料理「こづゆ」の餡がかかる。たっぷりの根菜は、土の力そのもの。福島県産和牛ひれステーキは、ソースにフキノトウの蕾が使われていて、独特の香りと苦みに雪解けの春の山の風景が浮かぶ。


食事「郡山産あさか舞炊き込みご飯」
デザート

炊き込みご飯にはうなぎ、舞茸、春菊が入り、しっとりした雨上がりのような土の風味が広がる。さらにデザートには黒トリュフ、ココアクッキーのクランブルが。

和と洋が重なり合う、華やかながら滋味深い土を感じるコース料理。食べ進めるうちに、何ともしあわせな心地になっていく。


料理長の丸山賢治さん。献立につけた名は「温故知新」。「お酒とのマリアージュも試行錯誤して、より郡山の土をもっと、もっと感じていただきます」と、丸山さん。
「なか田」のオーナーシェフ中田智之さん。「土や泥の独特な香り、茶色っぽい色合いを大切に、郷土料理も取り入れました。さらに進化しますよ」と、中田さん。春から初夏にかけては山菜を、夏には青っぽく瑞々しい野菜をふんだんに使って、季節ごとの土の香りを表現するという。シーズンごとに味わいたい!

夕食で味わった野菜が生まれる畑、
ふかふかの土、鈴木農場へ。

春から秋にかけてのツアーに盛り込まれる農業体験で、お世話になる「鈴木農場」。今は端境期だが、日当たりがよく風が通る畑が見渡す限り広がっている。一歩畑に入ると、ふわふわの土にびっくり。体の重みをそっと包んでくれるほどの弾力だ。

「アグリセラピー」「アグリヒーリング」と言われるように、生命ある植物と触れ合うことで人を癒す療法がある。今回のツアーに盛り込まれる農業体験は、弱った心身の機能回復にきっとつながるだろう。

直売所から車で10分ほどの農場。広がる畑を前に、まずは深呼吸を。
「郡山ブランド野菜」を扱う東京のレストランへも、頻繁に顔を出す鈴木さん。

採れたての野菜と、さまざまな品種の種を販売する直売所にて、鈴木光一さんに土への思いをうかがった。鈴木さんは、2003年から、地元の地質と気候に合う選び抜かれた品種を栽培する「郡山ブランド野菜」を育んできた立役者だ。

「私たちが目にするのは土の表面の作物ですが、土の下の根っこが大切です。祖父と父から、根っこの良し悪しで野菜の出来が決まると教えられてきました。つまりは、土作りが最も重要で、根っこがどのように展開しているかを想像して育てています」。

さっき触れたふわふわの土に根を張り育つ野菜が、おいしくて感動する理由がよくわかる。


「郡山ブランド野菜」が並ぶ直売所。冬は甘みが自慢のキャベツ「冬甘菜」が旬。直売所では旬の野菜を買ってお土産に。種苗店も兼ねているので、種を求めて育てるのも名案。農業体験の後ならきっと、何か育てたくなるに違いない。
「seed to dishes(一粒の種からお皿まで)」を掲げている鈴木さん。「この辺りは少し重い粘土質なんです。農地にするには時間がかかるけれど、土づくりができれば味のいい野菜ができるのです」と、おだやかな笑顔。農業体験で土に触れる時間を過ごせば、鈴木さんのような笑顔になれるかも……。

土作りから体験できる、
陶芸教室へ

大堀相馬焼「岳堂窯」16代目の志賀喜宏さんが主宰する「あさか野窯」へ。志賀さんは浪江町出身で、2011年に郡山市へ避難。2014年からここで採取される粘土を使い、新しい窯を開き、新しい作品を手がけている。志賀さんの陶芸教室は、土作りを体験できる珍しい教室だ。

陶芸は、夢中になると気分転換できて、ストレス状態にある心拍数が健康値に近づくという。同時に、せっせと動かす指先からも刺激が伝わって、脳を生き生きさせる効果も期待できる。

「あさか野窯」。ショップには受賞作品も並び、直接説明を聞き、購入できる。
第16代の志賀喜宏さん。会津塗りとコラボするなど、県内の民芸交流も提案。

元々、粘土質の土を使って屋根瓦を作っていた郡山。陶芸には向かないと思われていた。「だから、粘土はあっても精製する工場がない。だったら自分で土を作ろうとスタートしたのです」と、志賀さん。はっきりと響く声に引き込まれる。

屋根瓦作りに重宝した、粘土質の土。これが志賀さんの土の原料だ。土作りは、細かな砂が舞う作業なので粉塵服を着て、専用の作業場で行う。
篩を両手で持ちリズム良く振るう。
塊は手で触ると、ほろっと砕ける。

乾燥させた粘土の原土を、機械で粉砕してふるいで丁寧に振るう。さらさらになったら、水を入れてよく混ぜる。ひんやりと冷たい土を触ると、とても気持ちいい。

ゆっくり焦らずに混ぜれば、少しずつまとまっていく。

せっせと混ぜながら、子どもの頃に泥だんご作りをした思い出が蘇る。するとふと、旅の最初にオリエンテーリングで聞いた「昔の思い出に浸るのも癒し効果につながる」との話がよぎる。今、まさに、そんな感じ!

今日は「ひも作り」で好きなものを作るが、マグカップに決めた。

志賀さんは多くを語らず、隣に座って見本をやって見せてくれる。コツとポイントだけを聞き、あとは見て真似て手を動かす。が、志賀さんはちゃんと見ていて、大失敗になる前に、アドバイス。軌道修正だけしたら、「あとは自分でね」。

ちょっとしたコツをわかりやすく説明する志賀さん。
まずは、の土台を作る。厚みを平均に伸ばすが、難しい。
マグカップの形になってきたら、表面を滑らかに仕上げる。

「まあまあ、いいでしょう。うまいうまい」と、志賀さん。少しくらい失敗しても、不揃いでも、いいんだよと言ってもらえているような安心感。おおらかな教え方に創作意欲が湧いてくる!

「何でも機械で均一にきれいに作られたものを欲して、体験教室でもきれいなものを作りたくなるもの。でも、少しくらいゴツゴツしていて手作り感のある方が、自分で作ったと思えるでしょう」。そんな志賀さんの言葉も、マグカップと共に旅の宝物だ。

鉄分が多いので仕上がりは、焦げ茶色で粗目になるが、志賀さん曰く「これが郡山の風土そのもの。土地があり、原料があり、民芸品が生まれるのです」。

土と仲良く過ごした充実の二日間
心身ともにリフレッシュ!

 

大人になると、土に親しむ時間がめっきり少なくなる。だから、「土に触れる旅」と聞き、未知の世界なのでドキドキした。が、土に触れるって本当に気持ちよくて楽しくて、ずっと触れていたくなるほど夢中になれた。土には癒し効果がある……、なるほどそうか! 自分では気づかないうちに、土を必要としていたのだ。

郡山は、癒しの土の宝庫。土ざんまいの1泊2日、たっぷりリラックスして、心身がすっきりと軽くなった。思いのほか近い郡山。日常から逃げ出したくなったら郡山を訪ねて、土に触れる時間を過ごしたい。

 


文・松井一恵
1987年よりライター。“おいしい”が生まれる田畑や海山を訪ね、とことん歩いて見て聞いて書く。
早起き散歩はミニ茶道具を背負って。はらっぱで野点を楽しんでいます。

撮影・いのうえようへい


【取材協力】

ホテル華の湯 www.hotelhananoyu.jp
鈴木農場 suzukiitou.main.jp
あさか野窯 www.asakano.net
なか田 chef-nakata.jp/#section0
ファッションタイム(着物レンタル) www.fashiontime.jp

【問い合わせ先】

未来づくりカンパニー
TEL:03-6230-9855/FAX:03-6230-9856
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