知の怪物・佐藤優さんの考える「教養」とは

なぜ今、教養ブームなのか

『子どもの教養の育て方』佐藤優、井戸まさえ(東洋経済新報社)は好評発売中です。

すっかり秋らしくなってきました。

秋といえば、読書ですね。プレジデントファミリー秋号(9月5日発売)では「賢い子が育つ魔法の本棚」ということで、親子で楽しみながら賢くなる本の大特集を組んでいます。

本を読むことの意義はたくさんありますが、一つには教養が身に付くということがあります。近年はちょっとした“教養ブーム”です。大学では教養学部が復権し、書店にはどうすれば教養が身に付くかといった“教養本”が数多く並んでいます。

ところで、改めて「教養はなぜ大切なのか?」と問われたら、皆さんはなんと答えますか?

自分で考える力を養うため? いや、教養は知的探究の結果で、何かに役立てるための物ではない? 編集部でもライターさんを巻き込んで、ちょっとした議論になりました。

そんな折、手に取ったのが元・外交官で現代を代表する教養人として知られる佐藤優さんの著書『子供の教養の育て方』です。この中に書かれた佐藤さんの見解を読んだ時には、腹にストンと落ち、そして、鳥肌が立つ程に感動してしまいました。

以下、その引用です。

<教育の最終的なところは、社会人の教育でも、子供の教育でも、結局は「信頼醸成」に尽きると思うんです。どうやって信頼される人間になるか、あるいは人を信頼できる人間になるかというのは、どうやってだまされない人間になるかということと「裏と表」なわけです。(中略)

教養のある人と教養のない人はどう違うのか。教養のある人は、信頼関係を構築することがより容易にできる。そうじゃないと、お金に頼ります。>

グローバル化が進み、異なる歴史観や文化的背景を持つ人々と交流する機会も増えてきました。そんなとき、相手の文化的背景を知識として持っていれば、相手の行動や発言を理解する助けになります。その人の言葉にウソがないかも、見抜けるかもしれません。

人を信じ、信用されるために教養が必要なのです。

<小説も感情を追体験することで、教養を深められる>と佐藤さん。他人の気持ちになって考える共感力や思いやり、自分と違う意見を受け入れる寛容心なども身に付きます。このように教養とは、単なる知識にとどまらず、人格をも磨くことができます。

さて、佐藤さんには秋号にもご登場いただき、小学校高学年向けにおすすめの新書を選んでもらいました。ぜひ、秋号をご覧ください。

 

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