「女子学院の子は強い」とよく言われます

「中高一貫校に入学後の学校の様子が知りたい!」という読者の声に答えて、有名中高一貫校の卒業生に中高の話を聞くコーナーを作りました。

第一回は、東京・麹町にある女子御三家の一校、女子学院

 

現在、国立大学の工学部で建築を専攻している大学3年生OG(2012年春高校卒業)のAさんに話を聞きました。

 

――まずは女子学院がどんな学校なのか聞きたいと思います。生徒はどんな子が多かったですか?

「JG(女子学院のことを生徒やOGはジェイジーと言います)出身の子はほかの高校出身の子から『強い』とよく言われます。総じて意志が強くて、自分の意見を持っていて、行動力がある感じ。大学のサークルや部活動でも、JGの子は代表とか役職についていたり積極的です。わたしの知るかぎりではいじめもありませんでしたし、人は人、自分は自分という感じで、自由に意見を言える雰囲気です」

 

――なぜ強い子が多いの?

「学校での日常生活で自分の意見をいう機会が多いわけではありませんが、名物行事に『なんのために生きるのか?』を話し合う修養会というイベントがあります。中学2年と高校3年の夏に、御殿場の寮で、泊りがけで行われます。中2の修養会は『女子学院の入り口』、高3の修養会は『女子学院の出口』と言われていて、普段はあまり友達と話さないような本質的なことを2泊3日で考えることで芯ができるような気がします。高3の夏は受験勉強に集中したい生徒が多い時期ですが、毎年この時期に行われているんです」

 

――学校全体の雰囲気はどんな感じですか?

「女子校御三家(女子学院のほか、桜蔭、雙葉)のなかでは、よく自由な校風だと言われています。実際も、校則がなく、生徒の自主性を大切にする校風だと思います。学校の中で流しそうめんをやったという子もいます。とにかく自由に生徒のやりたいことを見守ってくれる学校です」

 

――次は大学受験など進路・進学について聞きますが、中学に入ってすぐに大学受験のための塾に通う人って多いの?

「なかには、中1から通う人もいますが、あまりいません。むしろ中学のうちは部活に打ち込む人がほとんど。部活は班と言われていて、自由参加ですが、ほとんどの生徒が班に入ります。班の活動が忙しくて、中学から大学受験勉強しようという雰囲気はあまりないですね。班が引退になる高2の秋から大学受験勉強を始めるのが一般的です」

 

――学校で大学進学のための進路指導はしてくれるの?

「学校では、中間・期末テスト以外の実力テストなどはありません。成績の順位や成績分布なども一切公表されないので、高2の秋になって大学受験勉強をしはじめて学校外の模試を受けたときに、初めて自分の実力がわかるという感じでした。私は管弦楽班に入っていたので、高2の秋から大学受験勉強を始めました。高2の秋に模試を受けたら、思っていたよりも点数がとれないことがわかって(笑)。高2の秋から約1年間でみっちり大学受験対策をしてくれる塾があり、部活を引退したあとから受験勉強はじめられるので、女子学院生にはすごく人気でした。思い出すと、学校からは、大学の進路指導は一切ありませんでした。受験指導にはのんびりしていますね。女子学院は女子校の割には浪人生の割合が多いとよく言われます。私の学年では2割くらいが浪人でした。文系理系の割合は、理系が6~7割、文系が3~4割で、理系が多かったです」

 

――親としては、学費以外の費用が気になるところです。授業料や施設費など公開されている費用以外に特別にかかるお金はある?

「あまりありませんが、強いていうなら、毎日私服で通うので、私服代がかかるくらい。毎日ロリータファッションで登校する人もいました。ファッションでいえば、毎年ハロウィンがすごく盛り上がります。ハロウィンの日は特別なイベントがある分けではないのですが、仮装する子が多いです。着ぐるみをきたりカツラをかぶったりして登校してきて、そのままの格好で授業を受けるんです。それで放課後みんなで写真を撮ったり、お菓子交換をしたりして盛り上がります。私も高3のときは海賊に仮装して、授業を受けました(笑)」

 

ハロウィンの日に仮装したまま授業を受けたり、流しそうめんをしたり、まるで学園ドラマのような自由な校風の女子学院。Aさんは大学でもオーケストラに入り、日々音楽の練習と楽しんでいるとか。今後、さまざまな学校の卒業生にお話を聞いていきたいです。どうぞご期待ください。

 

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