カメラのキタムラ賞写真の力 ~レンズがとらえた瞬間~

テーマ:写真の力 ~レンズがとらえた瞬間~

2025優秀賞

画題「消えゆく景色」
奥田祥吾(28歳)
東京都江東区 会社員


2022年2月、滋賀県・伊吹山。長浜と琵琶湖の夜景を背景に、自然の大きさを強調するために自撮りをしました。前日に雪が降り、暗闇の中、1人で山頂に向けて雪道を登りました。伊吹山登山道は、23年7月の土砂崩れにより24年現在も立ち入り禁止です。麓に住んでいる方の話では以前より岩肌が露出しているそうで、登山道も年々荒れてきているように感じます。

2025佳作

画題「ダイヤモンド富士」
山本峯子(80歳)
東京都目黒区 主婦

2025佳作

画題「星降る富士山に現れた吊るし雲」
志田吉久(75歳)
静岡県静岡市 自営業

2025次点(五十音順)

「光る宝石」有岡 亨(82)広島県福山市
「チョー眩しいっ!」大久保辰朗(76)東京都品川区
「い・ど・む」奥山雅夫(73)千葉県八千代市
「夜空に咲く、千輪の花」川村龍昇(23)福島県岩瀬郡
「お戯れを」平井成貴(30)福岡県福岡市

企業コメント

キタムラ・ホールディングス グループは循環型社会の構築に力を入れています。美しい自然をテーマとする写真コンテストの開催や、使用済みのフィルムケース、電池、インクカートリッジの適正回収といった従来の取り組みと併せて、カメラのリユース事業をスマートフォンや腕時計にも拡大しました。また、カメラのキタムラ全630店のLED化を完了し、省エネ、CO₂削減を推進。今後もカメラのキタムラらしい環境保全活動を継続していきます。

きらめく夜景と雪山の美しさの背後に温暖化や環境破壊の恐ろしさを静かに秘めた写真。極地での氷の減少、海面温度の上昇で日本近海も亜熱帯化しているといいます。問題は、誰もが自然環境を破壊しようと思って温暖化に加担しているのではない、ということ。快適で便利で夜でも明るい暮らし……その延長上に“それ”が待っている。山頂の人物が放つ光が、そんな警鐘にも思えます。

株式会社カメラのキタムラ

審査員評

「消えゆく景色」は、まさにカメラの強みである記録性が発揮された作品でしょう。冬の伊吹山と眼下に琵琶湖というスケール感のある1枚です。佳作は、空気がきれいなこのシチュエーションならではの「ダイヤモンド富士」、星空と白い雲のバランスがいい「星降る富士山に現れた吊るし雲」。