【第二回】「選抜チーム」という発想

 
 
2008年3月6日
 
 
写真・大沢尚芳
 
 

【第二回】

「選抜チーム」という発想


Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる

シリコンバレーの格言
A-level people want to work with A-level people.
B-level people tend to hire C-level people.
(Silicon Valley proverb)

 これは、シリコンバレーに暮らしたことのある人なら、必ずどこかで耳にする言葉です。そのくらい常識化している考え方ですね。日本でいうチーム力と、シリコンバレーのチーム力は、定義が全く違うんです。日本でいうチームワークは、いちばん弱い人をもりたてながらみんなでやっていくという感じでしょう。優れた人たちを集めた排他的な集団が全体をワーッと引っ張っていく、ということを日本人は嫌い、恐れる。とにかく平等が好きだから。チームを自分で組成するという概念も日本には希薄です。チームは与えられるもの、そしてそのなかで、足を引っ張る人を叱咤激励しながら前へ進む、というのが日本のチームワーク。チームには能力のある人もいれば、ない人もいる。「選別」という概念は、スポーツの世界などにはあるけれど、ビジネス組織の中には希薄なんですね。チームは所与のものだから、そこでつべこべいうなと。与えられたリソースでどれだけその人たちの力を発揮させるのかが管理職の仕事とされる。マネジャー自らが世の中からAクラスのチームをつれてくる、なんていう話ないでしょう。唯一ベンチャー企業とか、オープンソースの世界はそうなっているけど、多くの組織ではいまだに「この人を連れてきたい」といっても「一人だけそんな例外はつくれない」と言われてしまう。二十代後半のエンジニアが、優秀な後輩を大学の研究室から連れてきて自分の下に入れる、といっても、まず無理でしょう。仮にその後輩を会社として採用できたとしても、人事部が「彼は最初はここがいいんじゃないか」とか言って、別の部署に配属したりする。そこでダメな上司の下で経験つまされてイヤになってやめちゃったりする。

 ここで言っている「Aクラス」の話は、チームの「選別」の話です。日本の企業における、現場のチームというのは、パートの人から技能工から幹部候補生まで、みんなが同じ釜の飯を食って、目の前にあるwhyを考えhowを考え、知恵を出し合う。それは守りの仕事にはすごい威力を発揮する、つまり1を1.5にするのには役立つかもしれないけど、1を100にすることはまずできない。破壊的なイノベーションを生むためには、その分野の最強の人間を集めたAクラスのチームをつくるしかないんです。



 

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