2004年4月12日
第242回 かまくら生活、2年目の“新学期”
鎌倉に移り住んでまもなく1年がたとうとしている。玄関先のわずかな花壇も様になってきて、春の日射しをいっぱいに浴びた花たちが色鮮やかに咲き、小さな家を格好つけてくれている。団地住まいのころから取り組んでいる野菜づくりはというと、あいかわらず“プランター菜園”のままだが、冬のあいだ育ててきたカブやラディッシュ、ホーレンソウなどの収穫を終え、そろそろ夏野菜のための準備を始めようと思う。
家の周りがどうにか落ち着いてきたので、市の広報紙にあった「緑のレンジャー」養成講座に応募してみた。これは自然を理解するための学習や観察、公園緑地などの環境を維持管理するための下草刈りや間伐などの作業を行う講座である。
息子が小さい頃は毎夏、上高地の小梨平でキャンプを楽しんだが、そこでよく「上高地ビジターセンター」が主催する大正池や明神池へのガイドウォークに参加した。これは散策の道すがら、野鳥や植物、樹木、上高地の自然の成り立ちをボランティアガイドが説明してくれるというもの。そのガイドの一人にSさんがいた。毎年お世話になり、息子もかわいがってもらった。また、登山指導や上高地の自然保護パトロールもされていて、徳沢などでお会いしたこともある。そのSさんは、東京在住の50代半ばくらいで、自然についての幅広い知識の持ち主であった。温和な人柄の中にも、反面、自然を愛しその自然を守っていこうというようなタタカイの気概が感じられた。そんなSさんに憧れて、将来は上高地でボランティア活動ができればと考えていた。その勉強の“第一歩”になればと期待したが、残念ながら抽選で外れてしまった。
鎌倉というと海を思い浮かべる人が多いと思うが、里山や雑木林などがたくさん残っている。先日、全面開園となった鎌倉中央公園に行ってきた。この公園は、里山の風景や鎌倉らしい谷戸の自然を保全しようと市が整備したものである。それに合わせて公園内で自然保全活動を行ってきた市民団体も「鎌倉中央公園を育てる市民の会」として一つにまとまったという。市内にはこうした環境保全活動をしている会がいくつもあるようで、自然環境に対する意識が高い街だと思うと、少し誇らしい気分になる。
ここに越してきてから、毎朝30分のウォーキングを日課にしている。バス通りを行くと目の前に富士山が広がる。お気に入りのコースに富士山から丹沢までが見渡せるポイントがある。暖かくなるとともにその風景がだんだんと霞んでしまうのは残念ではあるが、遠くの山々や近くの自然、身近な環境を楽しみながら、鎌倉の生活は“2年生”の“新学期”を迎える。
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