なぜ中卒パパと娘の中学受験は成功したのか?

『下剋上受験』の著者と考える勉強の意味

プレジデントファミリー冬号(2014年12月5日発売)では、中学受験ノンフィクション『下剋上受験』の著者の桜井信一さんに協力していただき6ページの記事を作りました。記事の内容は、難しい中学受験の算数を桜井さんに教えてもらう、「特殊算なんて怖くない 中卒パパでもわかる 受験算数講座」というもの。中学受験特有の難しい計算問題や旅人算やニュートン算をこう考えれば簡単ですよ!という桜井さんの工夫を教えてもらっています。

今年(2014年)の7月に発売された『下剋上受験』は中学受験を扱った本では異例の大ヒット。中卒のパパが娘を最難関の女子校に入れようと奮闘する1年半を描いた実話です。中学受験は進学塾に通ってもたいへんですが、この親子は塾には通わずに、父娘だけで中学受験のテキストに取り組みます。七転八倒しながら、中学受験の勉強がどんどんわかるようになっていく様子が描かれています。

この本の魅力はたくさんありますが、一番の魅力は桜井さんが娘の佳織さんを思う愛情です。具体的には、娘を中学受験に挑戦させようと思った理由、そして娘が楽しく勉強に取り組めるように、と編み出した工夫です。娘が寝ている間に予習する、問題に出てきた図形はすべて模型を手作りする、娘の苦手な問題をメモして特製プリントを作る、ファイルの表紙には娘への激励メッセージを書く……。娘が勉強したくなるようにと、桜井さんがもがきながらも中学受験に挑む様子に、目頭が熱くなります。

娘の佳織さんは現在中学2年生。桜井さんによれば、佳織さんは特別に頭の切れるタイプではなく、「どちらかといえばどんくさい子」だそうですが、今回、話を聞くことができました。

佳織さんに受験を振り返ってもらうと、「大変だったけれど、将来のことを考えるいいチャンスだった。受験をするチャンスを与えてくれたことに感謝している」というコメントが返ってきました。つぎにお父さんは佳織さんにとってどんな存在?と聞くと、「自分のことを一番わかってくれて支えてくれる存在」と良好な父娘関係が垣間見られました。思春期になった今でも、その気持ちは「まったく変わりません」と断言する佳織さん。最初はチンプンカンプンだった算数も今では大の得意科目に。桜井さんが佳織さんのために「いろいろ考えて難しい問題を私が経験したことがあることに置き換えて説明してくれた」ために、そのおかげもあり中学に入っても数学は得意だそうです。(ちなみに、どのように置き換えたか、その内容についてはプレジデントファミリーの記事で詳しく載っています)

結果としては第一志望校には届かず、別の私立中学に進学した佳織さんですが、勉強の楽しさを知った意味でも、努力をした意味でも、父娘の思い出という意味でも中学受験は非常に大きな経験になったようです。桜井さんは、娘の顔つきが受験をした後にきりっと変わったことに気が付いたといいます。苦労は買ってでもしろといいますが、一見無謀とも見える挑戦は実を結び、佳織さんにとって大きな財産になったのでしょう。

お父さんへの感謝の気持ちは「遠回しに『受験たのしかった』とか『おつかれさま〜』とは言ったけれど、ちゃんとは伝えていないです」という佳織さん。佳織さんの感謝の気持ちは言葉にしなくても、きっと伝わっているのでしょう。

プレジデントファミリーの記事では、後半の2ページで、桜井さんが編み出した「子供の勉強したい気持ちをアゲル極意」も載っています。受験勉強をしている親子でもそうでない親子でも役立ちますので、ぜひぜひご一読ください!

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