<第九回>
サッカー選手/看護師
BOYS RANKING:2
サッカー選手(Football Player)
国民的スポーツとして人気が定着。華やかなイメージに比べ
収入は控えめだが、「キャリア後」の企業からのニーズは高い。
プロになれるのは
4000人に1人という難関だ。
日本の場合、職業としてのサッカー選手とは、J1、J2の31クラブ、またはこれからJリーグ入りを目指す、JFLに所属する一部のクラブと、プロ契約を結んだ選手たちだ。
Jリーグキャリアサポートセンターの重野弘三郎氏によれば、各チームの選手数は約30人で、プロ選手は日本全体で900数十人いる。サッカー競技人口は300数十万人なので、プロとなれるのは「4000人に一人」(重野氏)という難関だ。
プロになる一つの道は、Jリーグ各クラブの下部組織で活躍すること。毎年約100人が新たにプロ入りするが、ユース出身、高校サッカー部出身、大学サッ カー部出身がほぼ3分の1ずつの割合。小学生、ときには幼稚園の世代から高校生にいたるユースチームの人数は、各世代30人ほど。簡単には入団できない し、年代が上がるたびに改めて選抜が行われる。「あの日本代表の中村俊輔選手でさえ、横浜F・マリノスのジュニアユース(U-15)からユース(U- 18)に上がることができなかったほど、きびしい世界です」。
もう一つの道は、高校・大学の大会で活躍し、スカウトの目に留まること。全国大会で優勝したサッカー部からは、2人以上がプロ入りすることも多い。「最近はスカウトの情報網も充実してきて、全国大会には出場できなかった学校の選手でもプロ入りするケースがあります」。
JリーグにはA、B、Cの三つのプロ契約があり、新人は例外なく年俸の上限が480万円のC契約から始まる。プロ野球のような多額の契約金はなく、500万円を限度に支度金が認められているにすぎない。
この段階から規定の出場時間を満たすと、AまたはB契約に移行するが、現実は厳しく、プロ入り2、3年目で契約更改できずに、Jリーグの職場から離れる ケースが多い。登録抹消される平均年齢は26歳。プロとして現役で続けられる期間は平均して数年。一部の超一流選手を除き、20代半ばを過ぎて現役でいる ことは難しい。
Jリーグを引退しても、実績のある選手はスタッフとしてチームに残る。プロ契約を結んだり新たな仕事を持ちながら、JFLなどでサッカーを続ける人も多い。
「Jリーグ経験者はサッカー選手の中でも飛び抜けた存在。すぐれた才能を持っていても、引退するとき『自分はサッカーしかやってこなかった。これからどう していいかわからない』という捉え方をする選手が多い。その人たちがプロ選手を目指したときと同じように、生き生きと新しい人生のステップに踏み出すよう サポートすることが、私たちの仕事です」と重野氏。
企業側もその潜在能力を見込んで、就職の引き合いはかなりあるという。スーパースターになれる人は限られているが、青春をサッカーに打ち込んだ経験は、その後の社会人人生でも強い支えになってゆくだろう。

GIRLS RANKING:2
看護師(Nurse)
女子の人気職業ランキング上位の常連。
求人需要が高く、子育てが終わってからの再就職も珍しくない。
看護師は医師の補助役として、病気やけがの治療に当たる重要な仕事。中学生・高校生の「なりたい職業ランキング」の上位に常に顔を出す、人気の職業でもある。
看護師になるには、国家看護試験に合格することが必要。受験資格を得るためには、大学や3年制の短期大学の看護系学科、または看護専門学校を卒業することが前提となる。2005年の国家試験の合格率は91.4%と、かなり高い。
大学の場合は同時に保健師や助産師の資格を得ることも可能で、短大では養護教諭二種免許を取得できる学校もある。一方、看護専門学校は系列病院や大学の医学部に付属することから、大学・短大と比べて現場での実践力を養う教育のウエートが高い傾向がある。
国公立と私立では、学費に大きな差がある。国公立の大学・短大は年間60万~80万円台、看護専門学校は10万~50万円台だが、私立の場合は大学・短 大が100万~200万円台、看護専門学校が20万~100万円台。各種奨学金も充実しているので、じっくり検討する必要があるだろう。
看護師の資格は一度取得すると一生有効で、いつでも全国どこでも就職が可能なことが最大のメリットといえるだろう。女性の場合、子育てが終わってからの再就職も可能で、ベテラン看護師は看護師長、総師長として責任が重くなるのに伴い、給与もアップする。
就職先は病院・診療所に限らず、訪問看護ステーションや学校の保健室、介護保険施設、福祉関連施設など幅広く、活躍の場は広がる一方。就職率ほぼ100%といわれる需要の高さも他の資格にない魅力だ。
いつでも
全国どこでも
就職可能なのが
最大のメリット。
都内の大手病院に勤務する現役看護師Aさんは、「責任感が強く、明るい人」を、看護師に向いた人材の条件として挙げる。患者と直接接する立場で看護や診療の補助を行い、何かと頼りにされる立場だけに、「人の力になりたい」という心の持ち主であることも不可欠となる。
さらに仕事上、観察力や判断力を求められるケースも多く、夜勤なども含めた勤務体系や仕事の内容から、健康や体力も必要だ。心身ともにタフでなければ、看護師という仕事はつとまらない。平均年収は463万円(平成15年厚生労働省調査)と決して高くない。
看護学校などでは臨地実習で看護の実務を教わるが、実際に働き出してから学ぶことも多い。看護師として働きながら、病気の予防の重要性を実感したこと で、看護大学の大学院で再度勉強に取り組むケースもある。自らをプロとして育てていくには、勉強家であることも求められる資質といえるだろう。
看護師という職業の専門性の高さは、世の中で広く認識されつつあり、「やりがいという点では申し分ない」と前出のAさんは言う。
人の役に立つことに喜びを感じることができる健全な精神の持ち主にとって、看護師は魅力的な仕事といえる。

山口邦夫=構成
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