<第二回>

ゲームクリエイター/ファッションデザイナー

 
 

BOYS RANKING:8

ゲームクリエイター(Videogame Creator)

日本を代表するコンテンツ産業の担い手。
でも働く側としては、以前ほどおいしい商売ではなくなった?

今やマンガ、アニメと並び、日本の三大コンテンツ産業に成長したゲーム業界。ここ数年で業界再編が進み、国内シェアの85%以上を大手8グループが占める「寡占業界」でもある。

 映像業界や音楽業界と違い、ゲーム業界では企業内で働く社員クリエイターの割合が高い。したがって、これら大手ゲームメーカーに新卒で入社するのが、ゲームクリエイターへの「王道」ということになる。  ゲーム作りはプログラムやグラフィック、サウンドなどの集団作業で、職種別採用が一般的。採用傾向については企業ごと、また年次によっても千差万別で、一概には論じにくい。  ただ、どの職種であれ、「デジタル技術で人を楽しませる」点は同じ。「技術面の素養を前提に、人間としての『厚み』が採用の基準になっています」と、黎明期から日本のゲーム業界を観測し続けてきたエンターブレインの浜村弘一社長は語る。  大手ゲームメーカーの採用の中心となるのは、四大卒の学部生レベル。他業界のエンジニアと比べてそれほど専門的な技術が必要なわけではなく、むし ろ技術をどのように組み合わせ、新しい遊びを作るかという発想力が重要とされる。最近は数10〜100人レベルの開発チームでゲームを作る例が多く、コ ミュニケーション力やプレゼンテーション力も求められる。

人間としての「厚み」が
採用の基準になる。

 入社後は社内の開発ラインに配属され、徐々にキャリアを積むことになる。プログラマーの場合は、プログラマー→メインプログラマー→ディレクター→プロデューサーと段階を踏んでいき、最終的に経営陣の一角を担う例もある。

多くの企業では年俸制が導入されており、正社員が減少し、契約社員が増加する傾向にある。中途採用も多い。収入は、大手メーカーについては一般の上場企業と大差はないが、小規模なソフトハウスの場合は年収200万円を切る例もある。

 以前は開発したゲームがヒットすると、ゲームクリエイターに何千万円もの報奨金が支払われるケースもあったが、最近では開発体制の変化などであまり聞かれない。  昨今ではゲームが周辺領域と融合し、新しい市場を生み出す傾向にある。アメリカではハリウッドとゲームが融合した「映画ゲーム」が人気だし、国内 では携帯電話ゲームやオンラインゲームが急成長中だ。ほかにも医療や福祉、教育などにゲーム技術を応用する動きがあり、業界を超えた進化が期待される。

ゲームクリエイターへの道

小野憲史=構成

 

GIRLS RANKING:9

ファッションデザイナー(Fashion Designer)

才能勝負かつ流行に左右されるだけに「訓練してなれる職業ではない」
とプロは指摘。ハードルはきわめて高い。

「ファッションデザイナーは、大きく2通りに分けられます。服飾メーカーのデザイン部門に勤める人と、自分で店を持ち、自 らデザインしたブランドを販売する人です」。数々のファッションショーを手がけ、『ファッションデザイナーになるには』(ぺりかん社)という著書も持つプ ロデューサーの武藤直路氏は言う。

 メーカー勤務の場合、現役デザイナーでいられるのは10〜20年ほどで、その間の平均年収は400万〜700万円。多くは40代までに引退し、 MD(マーチャンダイザー)などの管理職的な仕事に就く。ユーザー層と年齢が離れてしまうと、顧客のファッションの嗜好や流行を捉えられなくなるから、と いうのがその理由だ。

 独立して自分の店とブランドを持つデザイナーの多くは専門学校卒業生などの若者だが、一度も売れないまま廃業するケースも多い。移り変わりの激し いファッションの世界では、たとえ一時期人気が出たとしても長続きすることは難しい。資金面で弱い独立系のショップは、一度販売不振に陥れば、在庫と負債 を抱えて倒産することになる。このため、独立系デザイナーの大部分は数年で店じまいするのが現実だ。

「もちろん、独立系でも三宅一生やコシノジュンコのように、数十年にわたってビッグネームであり続ける人もいます」と武藤氏は言う。とはいえ、流行に左右されるだけに、決して安定した仕事ではない。

 デザイナーになるために必要な資格や修業期間は特にない。文化服装学院や東京モード学園、バンタンデザイン研究所などの専門学校を卒業することが王道とされているが、美大出身者や、海外のファッションスクールを経験して成功する人もいる。

ファッションデザイナーを養成する学校や学部は日本全国で100校近くあり、毎年の卒業生は万単位にのぼる。だが、その中 でメーカーにデザイナーとして採用されるのは年に数百人ほど。オンワード樫山のように毎年数十人も採用する大手もあるが、多くのメーカーは定期採用すら行 わず、欠員を補充する形で数年に一度採用する程度だ。

 いずれにしても、資格を取ったりキャリアを積めば必ず食べられるようになる、という仕事ではない。「あこがれ」でファッションデザイナーを目指しても無理。新しいものを創り上げてゆく天性の才能が必要となる。

独立系ショップの大半は
数年で廃業の運命にある。

「デザイナーになる人は、自らの才能に導かれ、『ならざるを得ない』ようにしてなってゆくものです」と、多くの一流デザイナーを見てきた武藤氏は語 る。男の子なのに人形遊びをしていた高田賢三や、リンゴの絵を額からはみ出して描いてしまったコシノジュンコのように、メジャーになる人の多くは子供の頃 から独自の世界を持っている。

「もしあなたのお子さんがそんな才能の萌芽を見せていたら、それを押し潰さないであげてほしいのです。たとえやめさせようとしても、そういう子はファッションの世界に入ってゆくのですから」

ファッションデザイナーへの道

久保田正志=構成

 
 
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