<第一回>
法律家/通訳・翻訳家
BOYS RANKING:10
法律家(Lawyer)
「苦節10年」のイメージは過去のもの。
暗記力ではなく応用力を問う最近の司法試験は、合理的に突破できる。
一般的には「法律家」といえば、裁判官、検察官、弁護士の法曹三者を指す。日本には裁判官と検察官が合わせて4000人、 弁護士が約2万人いる。法律を使って仕事するという意味では弁理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士なども広義の法律家に含まれ、それらを合計すると 十数万人となる。
裁判官・検察官は公務員で、年収は初年度で500万円強。10年ほどで1000万円を超え、最終的に3000万円程度に達する。
弁護士は自由業なので、収入もまちまちだ。大別すると刑事事件や離婚など個人の事件を主に扱う人と、M&A、特許等の企業 問題を扱う人に分かれる。後者のうち国際間の企業問題を扱う弁護士を特に渉外弁護士と呼ぶ。大手の弁護士事務所では初年度で年収1000万円を超え、弁護 士となって数年で億単位の収入を稼ぐ人もいる。一方で刑事事件や人権問題を主に扱いながら高収入を得ているケースもあれば、年収400万〜500万円で刑 事弁護ひと筋という人もいる。
「今後は日本でも、法律家の資格を持った人材が企業や政治の世界で活躍するようになるでしょう」と、法律資格の専門学校「伊藤塾」の伊藤真塾長は言う。いじめられたことなども含め
あらゆる経験を生かせる仕事だ。
法曹三者になるための司法試験には現在、従来型の試験と、2年ないし3年の法科大学院を卒業して受ける新司法試験がある。 従来型の場合、一般には大学3年から受験を始める。独学で合格することは困難で、ほとんどの合格者は大学のほか、司法試験合格をめざす専門学校にも籍を置 いている。3年、4年と従来型の司法試験を受験し、合格できなかった場合は法科大学院に進学、新司法試験を狙うのが典型的なコースだ。
司法試験の受験生といえば、大量の暗記に明け暮れるイメージがあるが、今の試験は昔とは全く違い、応用力を求める内容に変わっていると伊藤氏は言 う。「合理的な計画を立てれば、2000〜3000時間の学習で合格可能です。アルバイトやクラブ活動とも両立できます。『苦節10年』という暗いイメー ジは過去のものと考えてください」。 司法試験に合格すると、約1年の司法修習と卒業試験を経て、裁判官、検察官、弁護士のいずれかの道を選ぶことになる。 法律とは「社会はこうあるべきだ」というその時代と地域の人々の理想を体現するものだと、伊藤氏は語る。「法律家は、その理想を実現してゆく仕事です。常に志を高く持ち、妥協しがちな世の中で筋を通し、理不尽をなくしてゆくことを心がけてほしいですね」。
GIRLS RANKING:10
通訳・翻訳家(Interpreter/Translator)
グローバル化で重要性は増す一方。
とくに需要が高いのは、国際会議通訳と産業翻訳の分野だ。
グローバル化・国際化の進展とともに、ますます需要が高まる通訳・翻訳業。同時通訳や二カ国語放送、文芸書の翻訳や映画の字幕作成などで、日常目にする機会も多い。
ただし、ほとんどはフリーランス契約による実力勝負の世界。外資系企業などでの雇用例も増えているが、正社員の割合はほんの一部。裏方に徹することが求められる地味な一面もある。
通訳業は大きく同時通訳と逐次通訳に分かれ、分野別では国際会議通訳、ビジネス/社内通訳、展示会通訳などがある。最も高い技術が要求される一方、需要も高いのは国際会議通訳だ。
通訳・翻訳者養成学校大手、アイ・エス・エス東京校の中野桂子氏は「他人が話した内容を理解し、該当する外国語に変換し、伝えるのが通訳の本質。語 学力に加えて理解力や情報分析力、一般教養や表現力が欠かせない」と語る。そのため、帰国子女や留学経験が有利とは限らない。語学系大学などで相応の語学 力を修得した後、養成学校で学び、そこからエージェンシーなどに登録して、実務経験を積むのが一般的だ。
同校では準備科から研修科まで全8レベルがあり、グループ企業で派遣業務や国際会議の通訳斡旋なども行っている。準備科で必要な語学力は英検で準一級、TOEICで800点台後半。もちろんこれはスタート地点にすぎない。
英語力だけではダメ。
理解力や一般教養、表現力が不可欠。
企業向け通訳の派遣業務が勤まるようになると、600万〜700万円の収入が得られるようになる。国際会議の同時通訳者などでは、年収が1000万 円を超える例も珍しくない。スタート時の英語力のレベルにもよるが、派遣業務までには3年前後、同時通訳になるには5〜6年かかるのが一般的だ。語学力・ 技術・教養面すべてにおいて、ハイレベルな能力が求められる。
また、外国からの観光客のガイドを行う通訳ガイドと呼ばれる業務もある。これには国際観光振興会が実施する通訳案内業試験にパスする必要がある。合格率は毎年8〜10%。円高などの影響で需要は横ばいだが、最近では韓・中国語の需要が増える傾向もある。
翻訳業については、発音や聞き取りの能力が不要な分、通訳に比べてトレーニング期間は短くなる。逆に読解力や日本語の文章 力、対象分野の正確な知識が不可欠だ。最近ではインターネットの検索エンジンや翻訳支援プログラムなどで、まず対象分野や専門用語の意味を調べつくすこと が必須。「翻訳では訳すのが3割、それまでに調べるのが7割」だと中野氏は説明する。
翻訳市場の中心はビジネス文書や学術文献、マニュアルなどの実務系分野で、トップレベルの翻訳者なら1000万円を超える年収も可能だ。
近年ではビジネス系を中心に中国語の需要も高まっているが、通訳・翻訳ともに基本言語は英語で、市場性も高い。実力に加えて不断の努力が必要だが、それだけのやりがいと収入はある。

久保田正志=構成
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