<第十回>

野球選手/保育士・幼稚園の先生

 
 

BOYS RANKING:1

野球選手(Baseball Player)

不動の首位をキープ。東大に入るより数倍も狭き門という難関だが、
年俸が高く、選手寿命も比較的長い。

新入団の内訳は
高校4、大学3、社会人3の割合。

2005年の日本の現役プロ野球選手は、セ・パ両リーグ合わせて752人。1チームに平均60人ほどが所属し、うち一軍登録選手の上限が28人。その他にアメリカ、韓国、台湾などのプロリーグ、創設間もない四国アイランドリーグにもフルタイムの野球選手がいる。
「『プロ野球選手になるのは、東大に入るより難しい』と言われます」と、自らもかつて社会人野球の選手であり、現在はキャリアカウンセラーの資格を取得して全国野球振興会で選手のキャリアサポートを行っている坂田賢二氏は言う。
 日本高等学校野球連盟の資料によれば、05年の高校3年の野球部員は5万3000人。同年に高校からプロ入りしたのは37人だから、約1400人に一人 の割合となる。一方、同じ年の全国の高校3年生の数120万人弱に対し、東大の定員は3000人強。現役受験生だけで考えれば、約400人に一人という計 算だ。確かに、東大より何倍も競争率が高い。
 プロ野球選手への道としてまず思い浮かぶのは、「甲子園で活躍してドラフトで指名される」というイメージ。だが実際には、「高校野球部からそのままプロ入りするのは全体の4割ほどで、大学野球、社会人野球の出身者が3割ずつとなっています」と坂田氏は言う。
 05年のプロ野球選手の平均年俸は3700万円強、二軍選手でも平均1800万円ある。ただし実際には一部の高給選手が平均を引き上げており、年俸の中央値は約1500万円。それでも年齢を考えれば、きわだって高給といえる。
「ただし体を使う仕事なので、大きな怪我などで、自分の意思には関係なく引退の節目がやってくる可能性のある職業といえます」と坂田氏。「私たちが実施したアンケート調査によれば、選手は平均して20歳でプロ入りし、29歳で退団。平均在籍期間は9年ほどです」。
 以上から、プロとしての生涯賃金は平均で1億3500万円という計算になる。
 各チームで自由契約となった選手は、社会人野球で選手を続けたり、プロチームのコーチやスタッフ、野球評論家などに転じる選手が6割。その他の選手は会 社員になったり、学校に入学し直したりといった形で、全く別なキャリアを歩み始めることになる。野球で鍛えた精神力を活かして、新たな世界で成功している 人も多い。

プロ野球選手は人々に夢と感動を与える仕事です、と坂田氏は言う。「プロにあこがれる子供たちにはぜひ、夢に向かって一直 線に進んでほしいと思います。お父さん、お母さんにも、子供が好きな野球に打ち込んで、夢に向かってがんばり続けることを応援してあげてほしいですね」。
 結果はともかくとして、一つのことに打ち込むプロセスを通じ、社会で生きてゆくために必要な能力=「ライフスキル」が身についてゆく。それは他の職業に就いても決して無駄にはならない??坂田氏はそう言って、子供たちの夢を応援する。

野球選手への道

久保田正志=構成

 

GIRLS RANKING:1

保育士・幼稚園の先生(Child Care Professionals /Preschool Teacher)

子供好きの人にはやりがいのある素晴らしい職業。
仕事の重要性と比較して、給与が低めなのが難点。

「毎日がドラマのよう」と
ベテランの保育士は語る。

「毎日がドラマのようなもの」と、民間保育所に勤めるベテラン保育士は仕事の魅力を語る。人格形成期の子供に毎日接することが基本的な仕事となり、責任は重いが、やりがいも大きい。
 保育士の資格を得るには、専門学校の養成課程や大学・短大の児童学科、幼児教育学科、保育科などを卒業する必要がある。
 また、大学または短大を卒業後、各都道府県が実施する保育士試験を受けるというルートもある。ただし試験はかなり難関で、合格率は最低の沖縄県で4.1%、最高の島根県でも20.9%にとどまる。
 資格取得後は、都道府県に保育士として登録が必要で、公立または私立の保育所に就職するパターンが一般的だ。現状では公立・私立の比率はほぼ半々。都市圏では公立保育所の運営を民間に委託する「公設民営化」の動きもある。
「生活を教えるなかで子供たちを育てるという発想が、保育士の基本です」と、日本保育協会企画情報課の今井豊彦氏は言う。遊びを通して感性を育み、基本的 な生活習慣を身につけさせながら、生きる力と知力の両方を伸ばしていく。共働き世帯が増え、家庭の教育力の低下も指摘されるなか、保育士の役割はますます 重要となっている。

公立保育所の保育士は地方公務員の立場となり、収入はおおむね安定している。これに対して民間は、法人の経営方針によって ばらつきがある。就職に際しては保育所の方針や、周囲の評判などをチェックする必要がある。勤務形態はフルタイムのほか、パートタイムでの勤務も一般的 で、女性にとっては結婚後も比較的続けやすい職業といえる。
 一方、幼稚園の先生は「教育」を通して子供の健全な成長を促すのが役目。保育所が0歳児からを対象とするのに対し、幼稚園の先生が接するのは3歳児以上となる。
 幼稚園の先生になるには、大学または短大の養成課程で幼稚園教諭普通免許状を取得し、公立は各自治体、私立は各幼稚園の採用試験に合格する必要がある。希望者は多く、東京都内の区立幼稚園の平均競争率は40倍に近い狭き門となっている。
 保育士も幼稚園の先生も、子供が好きというだけでは務まらない。明るさとコミュニケーション能力が求められるほか、保護者と接する機会が多いため、マ ナーや身だしなみがしっかりしている人が向いている。男性の就業者の増加も期待されているが、平均年収300万円台という収入面が少なからずネックになっ ているようだ。

保育士・幼稚園の先生

山口邦夫=構成

 
 

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