政府の分科会で新型コロナ対応にあたる尾身茂会長は「信念の男」だ。「GoToトラベル」の一時停止や帰省、忘年会・新年会の自粛など、その呼びかけには批判もあるが、動じるそぶりはまったくない。なぜ信念を貫けるのか。尾身会長の「激動の半生」とは――。

※本稿は、プレジデントファミリー編集部『医学部進学大百科2021完全保存版』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

WHOの西太平洋地域トップを10年務める

2019年末から世界中で猛威を振るい、社会を大きく変えた新型コロナウイルス。世界が道なき道を進む中、日本国内でコロナ対策の旗手となったのが尾身茂氏だ。

尾身茂氏
撮影=森本真哉

新型コロナウイルス感染症対策分科会長として、年末年始の「GoToキャンペーンの一時停止」を政府に提言。国民に向けて感染リスクが高まる「5つの場面」への注意喚起、忘年会・新年会、帰省への自粛を呼びかけるなど、感染拡大防止に重要な役割を果たしている。

尾身氏はWHO(世界保健機関)で20年間、感染症の制圧に力を尽くし、1999年からの10年間は、西太平洋地域のトップとして、感染症と闘ってきたエキスパートだ。

「私の専門は、公衆衛生という分野です。個人と向き合う臨床とは違い、社会全体の健康を考え、政策提言などをするのが仕事で、感染症の予防から、公害対策、食品衛生や環境汚染まで扱っています」

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