AI・デジタル化、グローバル化の時代の中で「礼法」の授業を実施する学校がある。東京大学に毎年数10人の合格者を出す桜蔭をはじめ、品川女子学院、聖徳学園などがお辞儀やお茶の出し方などを生徒に教えている。どんな教育的効果があるのか。小笠原流礼法宗家・小笠原敬承斎さんと、桜蔭OGでテレビ東京アナウンサーの繁田美貴さんに話を聞いた――。
※本稿は、「プレジデントFamily2021年夏号」の一部を再編集したものです。

小笠原流礼法宗家が語る、日本人の知らない「お辞儀の意味」

「家に帰って、礼法で習った『お辞儀をする意味』をお母さまに伝えたら褒められましたと、生徒さんからお手紙を頂戴することがあります。また、親御さんからは、子供を通して作法の意味を知りましたと、おっしゃっていただくことも。学校教育で礼法を取り入れることで、皆さまに喜んでいただいています」

こう語るのは、小笠原流礼法宗家の小笠原敬承斎さんだ。

小笠原流礼法宗家・小笠原敬承斎さん
撮影=市来朋久
小笠原流礼法宗家・小笠原敬承斎さん 聖心女子学院において初等科より高等科まで学ぶ。聖心女子専門学校卒業後、英国留学。1994年、小笠原流礼法副宗家に就任。96年より現職。現在、聖徳大学・聖徳大学短期大学部客員教授。

礼法とは、約700年前、室町時代の武家社会で確立した武士の礼儀作法のことで、お辞儀の仕方、立ち方、座り方、歩き方といった基本動作から、食事、訪問と茶菓子の出し方といったもてなし、贈答、慶事・弔事の心得、手紙の書き方や折り形に至るまで、多岐にわたる。明治以後は西欧のマナーも取り入れて、現代に至っている。

「武士というのは個性の強い人々の集団で、なかなか一つにまとまるのが難しかったのですね。礼法を取り入れることで、人間関係や物事が円滑に進むようになったのです」

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