ボキャブラリーが多いと文をスラスラ読めて理解できる。鶴田式算数塾代表の鶴田進さんは「子供は多くの言葉を読むトレーニングを重ね、見るだけで読み方と意味がわかるようになることが必要。『校庭で校長先生があばれる』『俺様が学童に行く』といった、おふざけ音読も効果的です」と語る。鶴田式「音読プリント」を紹介しよう――。

文を見て意味がパッと頭に入る「音読プリント」で子供は賢くなる

算数の文章題を子供にさせるとき、問題文を自分で読むと解けないが、親や先生に問題文を読んでもらうと解ける、という子がいます。読んでもらえば解けるということは、算数の知識や計算力が不足しているというわけではありません。耳で聞けばわかるのに、目で読むとわからない。つまり、「耳のボキャブラリー」はあるのに、「目のボキャブラリー」がないのです。

私たち大人は文章を読むとき、一つ一つの単語の読み方や意味を頭の中で考えたりしません。道路標識など、たくさんの情報を目にしても、一瞬でその読み方と意味を理解します。これは、「目」がその言葉を認識しているからです。

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一方で、小学1年生は「おはよう」という言葉は知っています。平仮名も読めます。でも「おはよう」という文字列を見たとき、まず「お、は、よ、う」と1文字ずつ読むため、それが「おはよう」という意味だと理解するまで時間がかかるのです。見た瞬間に、読み方と意味がわかる。これが「目のボキャブラリー」です。

目のボキャブラリーが少ないと、問題文を読みながら、いちいち頭の中で読み方や意味を考えなければなりません。だから、文章全体の意味をスムーズに理解することができないのです。

しかも子供は、読んでいる途中で一度つまずくと、つまずいたところの前後の意味をつなげて理解することが苦手です。なかには、最初に書かれていることを忘れてしまう子もいます。これでは問題文を理解して解くどころの話ではありません。

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