制限時間内に解ける? ハラハラ・ドキドキの「図形パズル」アプリ

続・小学生のママに知ってほしいiPad勉強アプリ【第1回】 同志社中学校・高等学校 反田 任 先生

ドキドキ感を楽しみながら図形センスが身につくタングラムアプリ
有名な「タングラム」を含めた5種類のシルエットパズルが楽しめる
★★★はかなりの高難度。回答時間のレベルによってもメダルの色が変わる
アプリ紹介者の反田先生(左)と本連載著者の小池氏(右)

物心ついたときから身近にスマホやタブレットがあり、“デジタルネイティブ ”と呼ばれる今の小学生。でもスマホやタブレットですること言えば、LINEやゲームをしたりYouTubeを見たり……。せっかくなら、もっと有効活用してほしいと思いませんか? 本連載では、教育現場でタブレットを活用した学びに取り組む先生たちの“とっておきアプリ”をご紹介。ゲーム機だった家庭のiPadが、 “学びの武器”へと変わります。さりがなくダウンロードして親子でやってみてください! 

子供は、楽しいと感じたこと(=遊び)にはものすごい集中力を発揮するもの。ならば、“遊び”と“勉強”の中間にあるものを与えてみるのもいいかもしれません。続編の第1回は、ドキドキしながら頭を使って賢くなる、そんなパズルアプリのご紹介です。


Panasonic Doki Doki Tangram(無料)

身に付く力:集中力、図形感覚、スピード力


このアプリを推薦してくれたのは、同志社中学校の反田任先生。同校は、理科、社会、英語などのための約20ほどの教室があり、専門性を備えた環境で学習できる「教科センター方式」や「ノーチャイム制」など、生徒の自立を促す特徴的な学習環境を整えている名門中学です。生徒1人1人がiPad miniをもっており、英語の授業でネイティブの先生とSkypeでつないで対話する時間を設けるなど、取り組みは全国から注目を集めています。

そんな同志社中学校の生徒全員のiPadにインストールされているのがこのアプリ。反田先生は、「Doki Doki Tangramは三角形や四角形の部品を使ってシルエットを完成させる算数の図形ゲーム。難易度が違う3つのレベルが設定されており、小学生から中学生まで楽しんで図形の面白さを体験できます。頭の体操やちょっとした気分転換にもなり、大人でも十分楽しめるアプリです」とおすすめのポイントを話します。それでは実際にやってみましょう。


アプリを起動したら、まず「初級」「中級」「上級」からレベルを選択します。タイマーの制限時間が短くなるだけで、パズル問題はどのレベルでも変わりません。続いてパズルの種類の選択。「タングラム」「清少納言の知恵の板」「ラッキーパズル」「ハート型パズル」「ピタゴラスの定理」という5種類のシルエットパズルが選択できます。基本的なルールはすべて一緒ですので好きなものを選びましょう。

ためしに「タングラム」を選択すると、「ヨット ★」や「ねこ ★★」、「UFO ★★★」など10パターンの問題(シルエット)が並んでいます。★印の数が難易度をあらわしているので、それを目安に問題を選択。するとカウントダウンがはじまり、いよいよパズルスタートです。
操作方法はシンプル。指でドラッグしたり回転させたりしながら、ピースをシルエットに当てはめていきます。タブルタップするとピースを裏返すこともでき、本物のタングラムと変わりなく直感的に操作できます。すべてのピースを当てはめてシルエットを完成させればクリア。ただし注意しなければいけないのが制限時間。残り時間を視覚と音で表現した「Doki Dokiタイマー」が、差し迫ってくる制限時間を感じさせプレッシャーをかけてきますので、どれだけ平常心を保って思考できるかがポイントです。
このアプリを学校の公認アプリとした理由は「ゲームの要素を持つ図形アプリでふだんから“楽しみながら学ぶ”ことにより、柔軟な発想ができ、創造性につながることをねらいとしている」からだとか。パズルこそはまさに “楽しい勉強”です。手を動かし、完成図を想像し、試行錯誤しながら何かを作り上げていく思考習慣。そんな、遊びの中で培われる能力の種をご家庭のiPadの中にも、植えてみてはいかがでしょうか。

【紹介者プロフィール】

反田 任 先生(同志社中学校・高等学校)同志社中学校・高等学校 図書・情報教育部主任。ICT委員として一人一台のiPad導入やWi-Fiネットワークの構築を進める。担当教科は「英語」。ICTを活用しながら、知識、語学力、思考力、コミュニケーション能力をつける発信型の英語教育をめざしている。文部科学省「ICTを活用した教育推進自治体応援事業」企画・評価会議委員。2015年度日本私学教育研究所委託研究員。Apple Distinguished Educator 2015。Intel Master Teacher

【筆者プロフィール】小池  幸司 (教育ICTコンサルタント / 学習塾 俊英館)2011年3月、他の学習塾に先駆けてiPad導入を実現。教育現場におけるICTの導入・活用を推進すべく、講演や執筆活動を通じて自社のiPad導入事例やノウハウを発信。2013年3月にはiPad×教育をテーマにした初の実践的書籍「iPad教育活用 7つの秘訣」をプロデュース。iTeachers発起人。

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