共働きでも私立小学校受験はOKです

年中の秋から1年間、総額100万円で十分

小学校受験は一部のお金持ちだけのものではなくなってきている?(撮影 市来朋久)

昨秋(2014年)に行われたの小学校受験の状況を、東京・恵比寿で幼児教室と小学校受験カウンセリングを行っている個別指導「エルク」の奥野孝子先生に伺った。ここ数年の人気校の特徴としては学童が併設されている学校だという。
 
「最近は小学校受験をするご家庭にも共働きの家庭が増えているので、学童保育がある私立小学校は人気が高いです。今年志願者が増えた宝仙学園(東京・中野区)、目黒星美(東京・目黒区)、文教大附属小(東京・大田区)は学童があります」
宝仙学園は定員70人に対し志願者は313人と倍率は4倍以上。目黒星美は定員120人に対して志願者は494人とこちらも倍率は4倍以上で、特に男子の人気が高かったとか。
「目黒星美の系属の中高は女子校なので、男子は中学でほかの学校に進学することになります。中学受験のサポートも厚く、男子の進学先として開成や駒場東邦など難関中学に合格者が出ていることもあり人気が出てきていると考えられます」
 
一昔前までは、専業主婦の家庭が多かった小学校受験だが、最近は共働き家庭が急増しているという。
「お母様が役職についているようなキャリアウーマンのご家庭も受験をして、合格されるケースは増えています。『共働き家庭では小学校受験は難しいですか?』という質問をよく受けますが、ほとんどの小学校で問題ないとお答えしています。伝統がある有名女子校でも今年、共働き夫婦のご家庭が合格されました」
以前は共働きが敬遠されるようなケースもあったそうだが、それは過去の話になりつつある。土日に通える幼児教室も増えているようで、奥野先生の「エルク」も土日に講座を開いている。
「小学校受験の準備には何百万円もかかると言われています。中にはお子さんが小さい時から準備をして500万円使うようなご家庭もあるそうです。わたしからすれば、お金をかけずに受験をすることは可能。信頼できる幼児教室と体操教室に年中の秋か1年間通って、最低100万円で合格した方もいますし、幼児教室の言うとおりにはならないでほしいです。体操教室は受験専門である必要ありません。合格するためにあれもこれも試さないと、といろいろな講座を子供に受けさせるなど、情報に踊らされている親御さんがいるのは事実。注意していただきたいです」

 
ここ数年で、小学校受験をすそ野が広がってきているらしい。
「小学校受験では、主に子供の『聴く力』『話す力』が試させます。小学校受験の勉強はその子が小学校に入った時に役立つ力ですから、どんな結果になっても小学校受験に備えること自体は子供にとっていいこと。小学校受験は長い人生の通過点にすぎません。どんな結果になっても『やってよかったね』という思いを親が持つことが成功のコツです。もし合格がいただけない場合でも、ご両親が『頑張ったね。お兄さん、お姉さんになったね』との褒めてあげる気持ちを忘れずにしてほしい。お子さんになりに頑張り、受験を通して必ず成長しているはずですから」
 
ちなみに今年の首都圏の小学校では、このところ人気がなかったお嬢さま系の女子校が人気だったそう。雅子妃殿下の母校である田園調布雙葉は定員65人に対し志願者が271人で昨年比志願者が3割増。東京女学館は定員80人(AO入試を含む)に志願者が421人と昨年比15%も志願者が増えた。NHKの朝の連続テレビドラマ「花子とアン」主人公の村岡花子の母校・東洋英和女学院(東京・港区)はドラマの影響もあってか今年も変わらずの人気で、定員80人に志願者が453人と5倍を超える倍率だったとか。
 
データ提供 「お受験じょうほう」バレクセル

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