人に教えたくない店 [429]

役を演じることと
サーフィンとはよく似ています

坂口憲二さん

 
 

俳優
坂口憲二
Kenji Sakaguchi
1975年、東京都生まれ。身長185cm、体重75kg。男性ファッション誌でモデルとして活躍した後、99年に俳優デビュー。端正にして精悍なルックスと確かな演技力で頭角を現す。父親は元プロレスラーで柔道家の坂口征二、兄は総合格闘家の坂口征夫。特技は東海大学のハワイ校在籍時に習得した英会話とサーフィン。「今は月の半分は波に乗りに行っています。趣味とはいえ、きちんと納得するまでやってみようと」思っているんです。2010年1月16日から始まるNHK土曜ドラマ「君たちに明日はない」(NHK総合 毎週土曜日21:00~21:54)で主役を演じる。

構成・文/須藤靖貴
撮影/牧田健太郎、岡山寛司

 
 

 食べ物関係のCMを多くいただいているのはとても嬉しいことで、親父に恩返しができたような気持ちになります。プロレスラーだった親父から「とにかく食え。残すな」と言われ続けて育ちました。うちのテーブルの皿数はすごく多くて、何がメーンだかわからないくらい。なんでも食べます。生きるうえで食べることこそ大事なのだと刷り込まれた感じです。
 そのおかげか、背は順調に伸びました。体重がそれほど増えないのは、食べた分以上に走り回っていたことと、母親が痩せているせいかもしれません。プロレスラーは日に5、6回食事をするので、母は料理を作るのに忙しく、料理をゆっくり味わう暇がなかったのでしょう(笑)。

 役づくりには入り込むほうで、カメラが回っていないときでも演じる役柄に感情移入します。台本や原作にない部分まで、自分なりに想像して人物像を練り上げる。それが芝居に迷ったときのヒントになるんですね。こいつは本当は几帳面だから、急いで書類をカバンにしまうときにも、きちんと束ねてクリップで止めるだろうな、とか。
 それで悩みを抱えた男の役を演じる場合、彼はどんな食事をするかな、などと考えると、いつもよりも食べる量が減ってくることもあります。

 仕事が一段落すれば、なにはさておき波乗りです。役を演じることとサーフィンとはよく似ています。どちらも自分をいかに表現するか。波の乗り方に個性が出ます。ハイテクが行き渡っている現代では、多くのことが予測できるわけですが、自然はそうはいかない。自分の力ではどうにもならないことも多い。
 ボードに乗って波と対話するようになって、人間としていろいろな部分が鍛えられたと思っています。それが俳優の仕事につながっている。30歳になったとき「いい俳優になるためには、何をどう頑張ればいいのか」とよく考えてみたんです。そうしたら、やっぱり日常が大切かなって。その場だけでカッコをつけても、生き生きとした自分を表現することはできないように思えます。
 紹介する2店で食事をすると、日々を突っ走るエネルギーが湧いてきます。まずは焼き肉。大勢で楽しめる炭火焼肉の「An」です。沖縄の「もとぶ牛」がすごく美味しい。さっぱりとした脂で箸が進みますよ。納豆ユッケなどの取り合わせが絶妙なメニューも多くて楽しめます。
「みゆき」は、九十九里に出掛けたときに必ず寄る、大好きなお店です。もともとは寿司屋ですが、地元の人が集う居酒屋みたいな店で、一品料理でも鍋でも、なんでも美味しい。波に乗るのは仕事が一段落したときですから、この店では心ゆくまで料理を堪能できますね。

 
 
焼き肉・鉄板焼き
炭火焼肉An


健やかな旨味にうっとり。
和牛界の注目ルーキー、 沖縄「もとぶ牛」を大満喫

●「焼き肉のイメージを覆したい」と、堺正章氏がプロデュースした一軒。沖縄産黒毛和牛「もとぶ牛」を一頭買いし、抜群の肉質をリーズナブルに提供している。鉄板焼きコーナーも人気。
●東京都港区六本木4-4-8
TEL.03-6890-0065
営業時間/11:00~14:30(LO)、17:00~26:00(LO)、土曜は通し営業、日曜・祝日は11:00~23:00(LO)無休 テーブル席、カウンター席のほか、個室8室。個室は予約がベター


  • 1.その日の美味しいところを三種盛りに「赤身ミックス」(2000円、カルビ、ロース、サガリ)。
  • 2.人気の「納豆ユッケ」(1200円)は、堺プロデューサー入魂の品。大粒の納豆が絶妙な食感で、やみつきになる一品だ。
  • 3.「もつ鍋・塩醤油味」(1人前1280円、2人前より)。牛テールから取ったスープを使い滋味深さに心身が温まる。〆は中華麺(300円)でラーメンに。チゲ味もある。
  • 4.壮観の「一頭盛り」(1人前6000円、2人前より)。上段左から時計回りに、ザブトン、三角バラ、サーロイン、ランプ、クリ、ヒレ。不飽和脂肪酸が多めの肉質で、脂ののった部位も思いのほかさっぱりと食べられる。写真は2人前だが、4人で食べても十分満足。

寿司 和食
海鮮 みゆき


九十九里の地魚に絶品のあんかけそば。
多彩な肴がずらり!

●開店40年、石橋幸雄さん(右)、2代目の徹さん、お母さんで営む家族経営の一軒。酒、焼酎の種類も豊富で、夜は地魚の「刺身盛り合わせ」(1人前1500円)でじっくりと始めたい。コース(3000円~)もボリューム満点だ。
●千葉県山武市蓮沼ハの294-1
TEL.0475-86-2160
営業時間/11:00~14:00、17:00~22:00 火曜休 60席、個室あり カード不可


  • 1.「握り寿司」(特上2100円)は、ボタンエビなど銚子沖の地魚をふんだんに使っている。旨くて安い海辺の鮨だ。ほかに海鮮丼、九十九里天丼など、丼ものも充実している。
  • 2.「金目鯛の煮つけ」(2000円~)。地元産の醤油がしみた絶妙の煮つけ。
  • 3.「あんかけそば」(840円)。揚げた日本そばに和風出汁のあんかけが実に合う。そばは不思議とパリパリとせず、歯応えがしっかりとしている。「こればかりを口にして、寿司を食べそびれることも」と坂口さん。
  • 4.看板メニューの「カニとゆり根の茶碗蒸し」(450円)。生姜が利いた熱々の餡が体を芯から温めてくれるので、坂口さんもサーフィンの後はまずこれを食べるのだとか。
 
 
PRESIDENT 2010年2.1号
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