人に教えたくない店 [420]
入門して3カ月は食べて寝てただけ。
相撲の世界はなんて素晴らしいんだ!
横綱・白鵬さん
65キロで日本にやってきて、今は155キロです。
入門時はとりあえず体を大きくするために、親方(元・竹葉山、現・熊ヶ谷親方)付きっきりでちゃんこ指導を受けたことが有名になっていますが、無理やり食べさせられていたのではありません。部屋のちゃんこは美味しかった。そのあまり、食べすぎて吐いてしまったこともありましたが(笑)。
小学校のときに相撲雑誌を見て太った力士に憧れました。日本の相撲界で美味しいものを食べて太りたい、と思っていたのです。
モンゴルでは羊や馬など、肉ばかりを食べていたので、野菜や大豆製品などが多く入ったちゃんこ鍋はバランスがいい。体に力が漲るようで、日に日に強くなっていく実感がありました。
入門して3カ月は、ただ食べて昼寝していただけ。相撲界はなんて素晴らしいんだと。ただ、80キロまで増量してからが大変。それまで休んでいた分、3倍、4倍の稽古が待っていたのです。
力士の食事は昼と夜だけのシンプルなもので、昼は部屋のちゃんこ、夜は奥さんの手料理です。日本にいるモンゴル人の友人がモンゴル料理を指導してくれます。「ポーズ」という小籠包のようなものや、ピロシキに似た「ホーシュール」、野菜と肉のスープにうどんを入れた「ゴイモントイシュル」など、いろいろと作ってくれる。どれも美味しいですよ。
ときおり出掛けるときは、焼き肉やステーキ、すき焼きが多いですね。紹介したどちらの店も肉の美味しさはもちろん、場所がいい。高い場所が好きなんです。肉はそれほどたくさんは食べませんが、最高にリフレッシュできて気持ちが満腹になりますね。
よく、序ノ口力士がちゃんこを食べる頃には、鍋には肉や魚はなくスープだけ、と言いますね。若い衆のツラさ、ひもじさ、年功序列の厳しさを表すエピソードなのでしょうが、あれはあれでいいんです。兄弟子たちが食べた肉、魚の栄養、いい脂がスープにたっぷりと溶け込んでいる。このスープが体に肉をつけます。猛稽古のあとで食欲がわかないときでも、ご飯にスープをぶっかけてかっ込めるでしょう。
体の出来上がった関取が先に食べ、成長途上の若い衆が後に食べる。相撲の世界は理に適っている部分が多いんですよ。
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