人に教えたくない店 [420]

入門して3カ月は食べて寝てただけ。
相撲の世界はなんて素晴らしいんだ!

横綱・白鵬さん

 
 

第69代横綱
白鵬
Sho Hakuho
1985年3月11日 、モンゴル国ウランバートル市生まれ。宮城野部屋所属。本名はムンフバト・ダヴァジャルガル。身長192cm、体重155kg。2000年秋、モンゴル出身の旭鷲山をつてに来日。宮城野親方(現・熊ヶ谷親方)に引き取られ、細い体は逞しく変貌。素質と稽古の熱心さ、そして素直な人柄は誰もが認めるところで、四股名を「大鵬と柏戸を合わせて柏鵬に」と検討されたほど。最強の体は食べて寝ることでつくられた。1日16時間は眠る。幕内成績(2009年7月場所終了現在)366勝93敗。幕内優勝11回。

構成・文/須藤靖貴
撮影/浜村多恵(モリタ屋)古市和義(星遊山)

 
 


 65キロで日本にやってきて、今は155キロです。
 入門時はとりあえず体を大きくするために、親方(元・竹葉山、現・熊ヶ谷親方)付きっきりでちゃんこ指導を受けたことが有名になっていますが、無理やり食べさせられていたのではありません。部屋のちゃんこは美味しかった。そのあまり、食べすぎて吐いてしまったこともありましたが(笑)。
 小学校のときに相撲雑誌を見て太った力士に憧れました。日本の相撲界で美味しいものを食べて太りたい、と思っていたのです。

 モンゴルでは羊や馬など、肉ばかりを食べていたので、野菜や大豆製品などが多く入ったちゃんこ鍋はバランスがいい。体に力が漲るようで、日に日に強くなっていく実感がありました。
 入門して3カ月は、ただ食べて昼寝していただけ。相撲界はなんて素晴らしいんだと。ただ、80キロまで増量してからが大変。それまで休んでいた分、3倍、4倍の稽古が待っていたのです。
 力士の食事は昼と夜だけのシンプルなもので、昼は部屋のちゃんこ、夜は奥さんの手料理です。日本にいるモンゴル人の友人がモンゴル料理を指導してくれます。「ポーズ」という小籠包のようなものや、ピロシキに似た「ホーシュール」、野菜と肉のスープにうどんを入れた「ゴイモントイシュル」など、いろいろと作ってくれる。どれも美味しいですよ。
 ときおり出掛けるときは、焼き肉やステーキ、すき焼きが多いですね。紹介したどちらの店も肉の美味しさはもちろん、場所がいい。高い場所が好きなんです。肉はそれほどたくさんは食べませんが、最高にリフレッシュできて気持ちが満腹になりますね。

 よく、序ノ口力士がちゃんこを食べる頃には、鍋には肉や魚はなくスープだけ、と言いますね。若い衆のツラさ、ひもじさ、年功序列の厳しさを表すエピソードなのでしょうが、あれはあれでいいんです。兄弟子たちが食べた肉、魚の栄養、いい脂がスープにたっぷりと溶け込んでいる。このスープが体に肉をつけます。猛稽古のあとで食欲がわかないときでも、ご飯にスープをぶっかけてかっ込めるでしょう。
 体の出来上がった関取が先に食べ、成長途上の若い衆が後に食べる。相撲の世界は理に適っている部分が多いんですよ。

 
 
すき焼き
モリタ屋
東京丸の内店



優勝、宮参り……慶事のあとはすき焼きで

●京都府京丹波の専用牧場で肥育された絶品の京都肉。「優勝や宮参りなど、嬉しいことがあったときに来てくれます」と吉岡毅副社長。吉岡氏も横綱の人柄に惚れ込んだ一人だ。
●東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル35F
TEL.03-5220-0029
営業時間/11:00~15:00(14:00LO) 月~土:17:00~23:00(21:30LO) 日祝:17:00~22:00(21:00LO) 元日休 総席数70席 サービス料10% カード各種


  • 1.これぞ「関西風すき焼き」(コースで1万1550円)。芸術品のような「4」の京都肉を、ザラメでさっと焼いて割り下を加える伝統的調理法で。脂に甘みとコクがあり、滋味深さは見た目以上。肉の旨みを吸い込んだ野菜、豆腐も実に旨い。
  • 2.「特選ステーキ」(ロース250gコースで1万3120円)。横綱はミディアム・レアで食べる。ボリュームの一品だが、脂が軽快で女性でもするりと食べられる。
  • 3.「牛刺しヒレ」(写真手前3670円)と「牛たたき」(2620円)は熱を加えない肉の旨みが味わえる。特に日本酒との相性抜群。
  • 5.ほおずきに包まれたミニトマト甘露煮や黒豆揚げなど、京都の季節感をあしらった「先付」(コース内)。

焼き肉
星遊山


大川を見下ろす壮大な眺め。 横綱はなにを思う

●「高い場所が好き」(白鵬)で、見晴らしは絶品。付け人帯同ではなくプライベートで。大川(隅田川)を見下ろし、横綱はなにを思う。
●東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター41F
TEL.03-3569-2929
営業時間/11:30~15:00(14:00LO) 月~木:17:30~23:30(22:30LO) 金:17:30~翌4:00(翌2:30LO) 土・日・祝:17:30~23:00(22:00LO) 無休 総席数91席 サービス料10%(ディナー)


  • 1.「カルビ」(1600円)は、この肉質で「並」とは驚き。さっと炙るだけで食べられる。香ばしい音が聞こえてきそう。
  • 2.人気ナンバーワンの「厚切りタン」(3800円 写真は2人前)。横綱もまずオーダーするのがこの一品。20日間熟成させて旨みを最高レベルまで引き出した自信作だ。
  • 3.刺しの美しい「ミスジ」(2800円 写真は2人前)は肩甲骨の部分。500kgの牛から1kgほどしか取れない希少部位。
  • 4.「彩野菜盛り」(1200円)でさっぱりと。ホワイトセロリ、レッドオークなど、季節の野菜を生で。
お値打ちのコースも充実(6800円、9000円、1万3500円、1万6800円)。
 
 

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