三澤 ITで新しい何かを創造するという観点に立ちますと、いまは主に大企業が採用しているBI(ビジネスインテリジェンス)の考え方やシステム、つまり過去のデータ分析にとどまらず、現状把握と分析、また未来のシミュレーションをしよう、そんな仕組みがあります。
分かりやすい例では、家電メーカーが自社製品の市販価格まではなかなかリアルタイムにつかみきれない。そこで、ウェブ上に示された膨大な数のショップの価格を収集するマーケティング機能も組み入れたシステムが実現しています。こういう機能へのニーズが中堅企業でも徐々に顕在化するかもしれません。
伊藤 BIを使いこなすのは大変ではありませんか?か?
三澤 そうお考えの企業が多いと思います。しかし意外と簡単なシステムも組めますので、それを広くご案内している段階です。
どのようなシステムも導入の際には、使いやすさはもとより、つながりやすさを確保することが非常に重要です。新製品の導入時に、それ自体の費用より既存システムにつなぐコストのほうが高い、という本末転倒の例も聞くほどです。
特に中堅企業の場合は、人員も、予算も限られているなかで、自社の目的に合った、いわば身の丈に合ったITの導入が必須でしょう。トラックや乗用車にF1のエンジンを積んでも、真価を発揮しません。
また今後は、会計基準の改定や内部統制の強化に伴うビジネスプロセスの変更なども考慮に入れ、柔軟なシステムを選択なさるべきだと思います。
伊藤 かねて私が申し上げているのは、経済とITの関係を考えるとき、「補完」「代替」という視点が重要だということです。典型的な補完の例は、コンビニエンスストアチェーンによる本のネット販売です。本の宅配を希望する人よりも、近所の店舗で受け取りたいという人のほうが圧倒的に多いといいます。注文の手続きはネットが便利。受け取りは都合のいいときに。利便性をより高めるため、ITとリアルな店舗の長所が補完しあっているわけです。
その一方、クルマを例に挙げますと、昔はディーラーの店頭でないと得られなかった商品情報も、多くはネット上で集められるようになりました。つまりディーラーが情報提供する機能に関しては、ある程度ITに代替されたと解釈できるのです。
こうした補完と代替の関係性を見極め、ビジネスのなかでベストバランスを保つことが成功への決め手ですね。そもそもいま人間が、あるいはリアルな店舗が行っていることを、100%ITに任せるのは不可能なのですから。
三澤 ご指摘のとおりです。そういうITの本質をよく認識なさったうえで活用し、「やってやるぞ!」との意気込みで急成長を果たした中堅企業の社長たちともずいぶんお会いしています。皆さん、私のほうが元気をもらうほどパワフルです。自社の業態や規模に最適なITシステムを戦略的に活用し、技術や商品やサービスの価値を最大限に発揮できるようオラクルとしてご支援できればと考えています。▲▲
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