ピープル
2020年までに、1000万人の子どもたちに教育の機会を届けたい
ジョン・ウッド
発展途上国の子どもたちに「教育」という贈り物を届ける――8年前、マイクロソフトのエグゼクティブという職を捨て、ジョン・ウッド氏は教育支援のためのNPO「ルーム・トゥ・リード」を立ち上げた。
前職で培った経営手腕を発揮し、これまでにの444学校、5000の図書館を建設、約4000人の少女に奨学金を提供(2007年12月現在)。平均すると一日に4つの図書館を建てた計算になる。活動拠点はカンボジア、インド、ネパール、スリランカ、ベトナム、南アフリカなど。現地コミュニティとの連携が奏功し、恩恵を受けた子どもの数は延べ130万人に達する。
ビル・クリントン元米大統領も支援する、注目の社会起業家だ。
「従来の慈善活動と違うのは、ビジネス同様、目的を設定し、効率を追求し、結果を出していること。効率の良い運営で成果を上げているため、ゴールドマンサックスやアクセンチュアといった大企業も、我々の活動を評価し、サポートしてくれています」と語る。
寄付を促す際は「たった250ドルで、ひとりの少女を一年間学校に通わせることができる」と、具体的な数字で成果をイメージさせることを忘れない。世界33都市にある拠点で、約2000人のボランティアが年間1000万ドルもの資金を集める。
今後はさらに活動地域を広げ、「2020年までに1000万人の子どもたちに教育の機会を与えたい」と意気込む。教育は貧困から抜け出すための強力な武器となるからだ。
「字の読めない人は世界に8億人。初等教育を受けられない子どもも1億人いる。学校に行けず、本も読めない子どもが、こんなにたくさんいることを知ったときは、本当にショックでした。でも僕はマイクロソフトで『THINK BIG(常に大きく考えろ)』という教訓を学んだ。問題がどんなに大きくても、ひるまずに挑戦する。その姿勢が大きな違いを生むと思います」
仕事の目的は「金持ちの株主をより金持ちにすること」から「世界でもっとも貧しい人々を助けること」へと180度変わった。地位や高収入を手放したことを「クレイジーだ」と批判する人もいたが、本人は意に介さない。
「マイクロソフト時代と変わらないハードワークなのに、これほど幸福な気分でいられることに自分でも驚いています。教育によって子どもたちの人生を良い方向に変えることができる。そう考えるだけで毎日とても幸せです」
昨年末には、著書『マイクロソフトでは出会えなかった天職』のPRも兼ねて来日。2007年4月に設立された東京支部との打ち合わせや、寄付金集めのイベントなどを精力的にこなした。
日本企業とのミーティングでは「好感触を得た」と語る。「日本にはトヨタ、日産、ニコンなどのグローバル企業がある。世界市場が対象なのだから、CSR(社会的責任)もグローバルな視点で捉えるべき。ぜひ我々の活動を支援してもらいたいですね」。
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