残したい言葉
26
人間万事塞翁馬
キッコーマンに入社したばかりの一九六三年のこと、突然病に倒れた私は、長期入院を余儀なくされました。そのとき、病室でふさぎこんでいた私を見舞ってくれた父がくれた言葉です。以後、ベッドの中で何度もこの言葉をつぶやき、自分を励ましていました。
この言葉は、中国の古典「淮南子{えなんじ}」に登場する有名な逸話からきています。塞翁と呼ばれる老人の馬が逃げていったが、その後、よい馬を連れて戻ってきた。しかし、老人の息子はその馬に乗って足の骨を折ってしまう。が、結局そのおかげで息子は戦に行かずに済み命が助かった。このように、福と禍というものは予測できないものだから、くよくよ考えても仕方がないという教訓を含んだ話です。(……続きは本誌をご覧ください)










