地球百景
90

ズール・ハーネ

 
 
撮影/文・野町和嘉
 
 

 直訳すれば、力(ズール)の家(ハーネ)を意味するこの施設は、イラン古式の体操を行うクラブである。壇上に陣取った指揮者が打つ鐘と太鼓、さらに神を讃えて歌うそのテンポに合わせ、ミルと呼ばれる棍棒を力強く振り回す。他にもさまざまな器具を使い、最後に一人ずつ激しい旋回運動を繰り広げ、一時間ほど運動は続く。特徴的なのは、宗教儀式に近い統率のもとに進行し、最後に全員メッカの方角に向かって礼拝して終わることだ。

 ズール・ハーネの起源は、七世紀のアラブ軍侵攻に対する抵抗運動のなかではじまった、精神と肉体鍛錬であったといわれる。それをカムフラージュするためにイスラーム的な振り付けを施したのである。(……続きは本誌をご覧ください)

 
 
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