石原慎太郎「私の好きな日本人」
新連載
第一回
日本武尊 (前篇)
やまとたけるのみこと
第一二代天皇、景行天皇(在位:景行天皇元年〈西暦七一年〉〜同六〇年〈同一三〇年〉)の皇子。
幼名は小碓尊(おうすのみこと)。第一四代天皇、仲哀天皇の父とされる。
二世紀頃に存在(『日本書紀』『古事記』)。
『古事記』と『日本書紀』に記述があるが、家族関係や性格づけなど、その描き方が大きく異なる。
日本神話では英雄として登場する。
第一二代天皇、景行天皇(在位:景行天皇元年〈西暦七一年〉〜同六〇年〈同一三〇年〉)の皇子。
幼名は小碓尊(おうすのみこと)。第一四代天皇、仲哀天皇の父とされる。
二世紀頃に存在(『日本書紀』『古事記』)。
『古事記』と『日本書紀』に記述があるが、家族関係や性格づけなど、その描き方が大きく異なる。
日本神話では英雄として登場する。
歴史上の人物が
史実を超え
国家民族の象徴となった
自己犠牲に貫かれた一生に
心打たれぬ者はいない
史実を超え
国家民族の象徴となった
自己犠牲に貫かれた一生に
心打たれぬ者はいない
どの国どの民族にも神話の英雄というものが在る。
それは先祖たちへの畏敬をこめた憧れを象徴しているが、その大方が悲劇的運命をたどる人物として描かれているのも一つの特徴だ。
例えば古代ギリシャの英雄ユリシーズや、北欧のゲルマン民族の神話『ニーベルンゲンの歌』の中のジークフリート、そしてこの日本では建国のための戦に殉じた日本武尊。どれも孤独な放浪に彩られた武将として、何といおう一種の透明感の内に形造られた逞しくも悲しい男のイメイジとして在る。それら神話の英雄というのは、ある意味で男の理想像ともいえそうだ。
国家といえば大袈裟にも聞こえようが、人間が人間として生きていくために避けることの出来ぬ一つの組織、社会の中での他者との関わりのために、自己犠牲によって仲間たちを救いその安寧のために尽くすという献身は、男にとって、男としての宿命ともいえるだろう。(……続きは本誌をご覧ください)
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