特集/全予測「働き方、生き方、稼ぎ方」

PART4.マネー篇 - 2

ガソリン、食品、タクシー。値上げに対する生活防衛の方法は

 
 
節約に懸命になっていると、
社会の大きなトレンドを見逃す
 
 

ファイナンシャルプランナー

畠中雅子

Masako Hatanaka
住宅ローンや教育費用など、幅広く家計管理の相談に応じる。3児の母としての生活実感あふれるマネーアドバイスに定評がある。
『老後が危ない! 年金月額16万円の生き残り術』など著書多数。

大沢玲子=構成

 
 

 生活関連品の値上げが相次いでいます。マヨネーズやパンといった食品、ガソリン、タクシー運賃(東京・横浜など)などのほか、2008年から電気、ガス料金も値上がりしました(東京地区)。2月から、一部メーカーではビール系飲料の値上げも予定されています。

 こうした場面で、あわてて買いだめに走る奥さんもいるようですが、目先の対応策にすぎません。ストックが増えて結果的にムダになったり、普段より使いすぎたりする恐れがあるからです。穀物や原油などの高騰を背景に、値上げの動きは今後も拡大していくでしょう。小手先のケチケチ作戦では太刀打ちできません。

 今回の値上げによる負担増は、一家庭あたり月約3000〜4000円程度。この額をどこで吸収するか考えてみましょう。

 一般的な家庭の場合、年収の10〜30%が子ども関連の出費、さらに20〜30%が住宅ローンで消えます。夫婦合わせた小遣いは10%、通信費は7%が目安。妻が節約できる範囲は残りの部分なので、限界があることは一目瞭然です。増税、社会保険増も加わる厳しい時代、家族全員で協力し、出費を抑えるルールをつくることが肝要となります。

月3000円
これをどこで吸収するか

 まず、子ども関連費用をどう切り詰めるか。中学生以降になれば、親と別行動で買い物をする機会が多くなります。親の目が届かない分、買い方のルールをきちんと教えることが、家計にとって、後々プラスとなります。例えば、この冬に使える予算を教え、買うものの優先順位を考えさせるなど。ひとりの消費者として、自覚を持ってもらうのです。

“聖域”といわれる教育費用も、進学事情と合わせて考え直すべきです。近年、少子化により大学の推薦枠が拡大、受験なしで進学する生徒が増えています。それでも、塾の受験コースに通うのかどうか。子どもの希望を聞き、場合によっては、塾費用がかかる分、お小遣いを減額するなど、家計の負担増を共有し合うことも必要でしょう。

 大学に入っても、理系なら院進学がスタンダードコースになりつつあります。資格専門学校に行く学生も増えており、教育費は長期化・高額化の傾向にあります。社会の変化に合わせたお金の回し方を考えると同時に、教育上、お金が無尽蔵にあるものではないことを、子ども自身にも実感してもらうべきです。

 教育費同様、負担が大きい住宅ローンも、切り詰め効果が高い項目です。返済期間を1年でも短縮すれば、トータルの支払額は大幅に減少します。例えば2000万円の借入金額をそのままにせず、2年間返済期間を短縮すると、一カ月の返済額は約4000円アップ。一方で、利息は約70万円浮きます(返済期間30年、金利3%の場合)。値上げによる月3000円程度の負担増は、ラクラク吸収できるわけです。また、車も燃費のよい小型車に乗り換えることで、結果的にガソリン代アップに対抗できます。

 生活防衛策のキモは、家計全体、家族全員、そして人生トータルで考えること。値上げに大騒ぎし、日々の節約ばかりを考えている人は、大きなお金でソンをしてしまうものです。また、目先の動きにとらわれていると、教育事情の変化など、社会の大きなトレンドを見逃してしまう恐れもあります。

 家計管理を妻任せにしないことも重要。変化の激しい混沌とした時代こそ、夫が大局観を持って、家計管理をリードするべきです。今回の値上げをいい機会に、ぜひ家族全員で家計見直しを話し合ってはいかがでしょうか。

 
 
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