特集/全予測「働き方、生き方、稼ぎ方」

PART2.家族・自分篇 - 14

休日も仕事が気になって仕方がない。いいリフレッシュ方法はないか

 
 
脳が「安心して物忘れできる状態」を
つくってあげる
 
 
心理学ジャーナリスト
佐々木正悟
Shogo Sasaki
1973年、北海道生まれ。獨協大学英語科を卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。著書に『快ペース仕事術』(グラフ社)など多数。
柳澤美帆=構成
交泰=撮影
 
 

締め切りを設定して
仕事をひっぱらない

 頭から仕事のことが離れないのは、終わらせなければならない仕事があるからです。それは脳の機能上、あたり前のこと。ストレスはアクションのトリガーであり、ストレスがあるからこそアクションが起こせるのです。もし、すっかり仕事のことを忘れてしまったら、仕事をしませんね。これはツァイガルニク効果といって、途中になっていることのほうが、完了してしまったことよりも強く記憶に残るという脳の働きの特徴なのです。

 ただ仕事を覚えているということは、脳が緊張下にあるということです。緊張状態が限界を超えてストレスのエネルギーが強くなりすぎると、不安や焦り、苦痛となる。ですから、ストレスが限界量を超えないようにする必要があります。それにはアクションを起こす際にいくつも選択肢があるほうがいい。なので、夏休みの宿題のように、締め切り近くなるまで、やらなければならないことに手をつけない人が多いのですが、仕事の締め切りを前に設定すること。「何時までにやる」と周りにも宣言し、仕事をギリギリまでひっぱらないようにするといい。

 ほかの対処法としては、脳が記憶しておかなくてもいいように、しなければいけないことを書き出すことがとても効果的です。そうすると脳が「記憶を留めなくていい」と、休憩できるわけです。でも忘れたことを思い出せないと意味がないので、パソコンを毎日使う人であれば、朝絶対に見るものにメモをリンクさせておく。例えばブログのメモツールや、カレンダーと連動させて思い出さなければいけない日にメモが表示されるようにするなど、方法はいろいろあります。要は金曜日と月曜日にかかる仕事をバイパスしてあげるのです。

 長期的なプロジェクトを抱えているとしても仕事は細分化できるはずです。段階ごとに、いつからその仕事を始めるのかをメモしておく。そうすれば、覚えておかなければならないという脳の緊張状態を軽くし、気分が楽になるはずです。

 それでも強すぎるストレスがかかっている場合は「誰かと協力して仕事にかかる」か「人と話をする」とよいでしょう。「これをしなければ」という思いが強すぎるとそれが苦痛になってしまい、ストレスが行動につながりません。

 掃除ができないという人がいますが、「片付けなければ」という思いが強いストレスになりすぎて、行動を回避するようになっているからです。でも誰かと一緒なら片づけることができます。それと同じで、ハードルが高い仕事はチームを組む、あるいは人と話をしながら仕事を始める。意外なようですが、嫌な仕事の場合などには効果的だと思います。

 よく「忙しさは幸福の源泉」と言われるように、仕事がうまくいっていれば幸福感が高まるものです。そういうときには休憩をとらなくなりますが、楽しかったり、充足感でいっぱいのときでも、ストレスはかかっているものです。脳が「行動モード」に入って興奮状態にあると、心拍数や血圧が上がり、アドレナリンが分泌されます。それは体にいい状態とばかりはいえないのです。仕事がうまくいっているときでも脳を休ませるようにするといいでしょう。

 脳を休ませるには、脳の同じ箇所ばかりを連続して使わないようにすることです。IT系の人であれば、休憩時間にパソコンを使わない。営業で人と話して疲れているのであれば、独りで休憩時間を過ごすとリフレッシュされるはずです。また睡眠時は、脳の使う場所がまったく異なるので、寝ることは、かなりいい気分転換になるのです。

 
 
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