特集/全予測「働き方、生き方、稼ぎ方」

PART2.家族・自分篇 - 11

両親と自分のお墓のことはいつ頃から考えはじめればよいか

 
 
いざとなって慌てないために、
生前建墓を考えましょう
 
 
葬儀相談員
市川 愛
Ai Ichikawa
1973年、神奈川県川崎市生まれ。服飾メーカーを経て葬儀社紹介会社に勤務。サービス業の常識が通用しない葬儀業界のあり方に疑問を持ち、2004年に「葬儀相談員」として独立。お葬式の相談機関「リリーフ」代表として活躍中。

鈴木優子=構成
 
 

 お墓なんてまだまだ、と思っていらっしゃる方は多いでしょう。しかし、いつ必要になるかは、誰にもわかりません。
 といって、唐突に両親や配偶者にお墓の話を持ち出すのは気が引けるでしょう。タイミングはいつがいいのか、悩ましい問題です。たとえば、親戚や知人の訃報に接したときや法要があったときに、さりげなく、「そろそろお墓のことを考えてみよう」と切り出してはいかがでしょう。あるいは、「Aさんの家で、最近お墓を買ったらしい」といって関心を高めてもらったり、墓地情報を入手したときに、「いい墓地があるから、見に行ってみよう」などと、会話の自然な流れの中で、きっかけをつかんでください。

墓の情報を収集し、
どこに求めるかを考える

 肉親が亡くなった後、お墓の必要性を直に感じるのは、納骨というセレモニーがあるからです。通常、納骨は49日法要と同時に行いますが、お墓がないと、墓地探しから始めなければなりません。種類や条件などを考慮すると、そう簡単に墓地は決まりません。運よく決まっても、墓が完成するのに1〜2カ月かかるため、亡くなってから探していたのでは間に合いません。もちろん一周忌を目安に納骨する方も多いのですが、慣例に則って執り行いたいのなら、生前にお墓を建てておくといいでしょう。「建墓祝い」といって、お祝い金を包む地域もあるくらいですから、生前にお墓を建てることは何らタブーではありません。

 墓地には大きく分けて公営墓地、民間霊園、寺院墓地の三種類があります。

 新たに求めるとしたら、使用料の安い公営墓地がお勧めです。ただ、空き物件が少ないのが難点です。特に都立霊園はかなりの競争率で、しばしば抽選になります。当選をいつまでも待たずに、民間霊園も視野に入れておきましょう。

 民間霊園の内情は戸建ての住宅団地に似ています。開発業者が大規模に土地を手当てし、区画ごとにさまざまな石材店が墓を建てます。墓地の広告を出しているのは、おおむねこういった石材店です。

 民間霊園では、どんなお墓を選んだらいいでしょうか。高齢になってから墓参りすることを考えたら、「家から1時間圏内」あたりに立地していないと将来困りますし、日当たりや水はけも墓石の耐久性に大きく関係します。現地に足を運び、他家のお墓などを見て、霊園がきちんと管理しているのかをよく確認しましょう。費用の目安は、都内で一平方メートル程度の広さなら権利金が200万円くらい。加えて墓石本体の費用がかかります。

 最近では、納骨堂や合祀墓を利用した永代供養という選択肢もあります。納骨堂とは、屋内にロッカー形式でつくられているお墓のことで、運営母体には公営のほか寺院など民間のものがあり、費用は通常のお墓の数分の一で済みます。公営なら数万円、民間でも30万〜80万円ほど。また、複数の遺骨を合同で埋葬する合祀墓という形式もあり費用も安めです。永代供養とは寺院に供養のお布施を先に支払い、忌上げまでの数十年間供養してもらうことです。生前の申し込みが可能で、継承者のいない人からの需要が高く、今後も増える傾向にあります。

 田舎に先祖代々のお墓があるが、不便なので自宅近くに移したい場合は、改葬をすることができます。しかしその際に注意しなければいけないのは「離壇料」の存在。相場は関東圏で20万〜100万円ほどで、お寺によってまちまちです。そのほか墓地を更地にする費用も必要です。自分のお寺に「離壇料」があるかどうか、あるならいくらくらいか。檀家総代などの事情通に、そっと聞いてみることをお勧めします。

 
 
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