特集/全予測「働き方、生き方、稼ぎ方」
PART1.仕事篇 - 23
定年後、再雇用されるためのポイントは何か
貢献領域を提起せよ
中高年のキャリア選択の幅が拡大するなか、2006年4月施行の「改正高年齢者雇用安定法」で注目され始めたものが継続雇用だ。しかし、継続雇用を希望する高齢者が65歳まで働ける企業の割合は4割弱にすぎない。会社の設ける選定基準に沿って継続の可否が決まるということだから、その会社の置かれた状況で、どんな人材を何人継続雇用するかが決まる。つまり、全員が継続して働くことはできない。では、どうすればあなたは「再雇用される」のか?
その一番確実な答えは、当たり前にして単純で、「業績を上げ続けること」だ。継続雇用に関する会社の選定基準は、各社いろいろあるけれど、会社が選ぶ以上、突き詰めれば、そのポイントに行き着く。
しかし、これは従来の雇用関係の延長線でしかない。60歳になっても現在いる会社で頑張り続ける人は確かに多いが、働き方はもっと多様であるはずだ。体力も気力も個人差があるし、何を喜びとして仕事をするか、「労働価値観」もさまざま。ベテラン職業人ならではの能力の生かし方は、もっと個別的であってもよい。
そうした高齢者の多様性を生かした新たな業務創造が会社側の課題になっているが、まだ模索している段階である。では、いまあなたは何をするべきなのか?
最も大事なことは、60歳という転機を迎えるに際して、引退も含めて以降どのようなライフキャリアを得たいのかを決め、その道筋を自分自身で選ぼうと意思決定することである。
先に継続雇用ありきではなく、自分の望む働き方が継続雇用で可能ならば継続を選択し、そうでないならば社外に道を探す。当然、定年前にその判断をしたって構わない。06年来の雇用延長の流れが意味することは、「自分の定年は、自分で決める」ということなのだ。
過去の成功体験から
能力資産を見つける
第二に大事なことは、自分の「強み」を知ることだ。「エンプロイアビリティ(employability)」が注目されている。「雇用されうる能力」と直訳されるが、市場性のある能力と言い換えてもよい。果たして、あなたは市場価値として認められる「強み」を持っているのだろうか。
優良顧客を数多く持っているセールスマンや専門性の高い技術者なら、強みはわかりやすい。問題はホワイトカラーだ。その多くの人がゼネラリストとして処遇されて管理職となったものの、俗に「潰しがきかない」といわれてしまう。
しかし、一つの企業で勤め上げ、現場のリーダーとして何人かの部下の指導を行ってきた人に強みがないはずがない。その間、不本意な人事異動も体験し、幾度かの逆境も乗り越えただろう。そこで培った「信頼感」「柔軟性」「忍耐力」も、立派なエンプロイアビリティなのだ。それを生かして、若手のよき相談相手という黒子になると発想を転換してもよい。
自分のキャリアを振り返り、自分の強みを確認する機会を持つことをお勧めする。過去の仕事上の成功体験を列挙し、そこでどのような能力が発揮されたか、成功の要因となった自分の行動は何だったかを棚卸ししていくことで、自分の能力資産が見えてくる。ポイントは、「何が楽しかったか」「どう満足したか」を含め振り返ることだ。「強み」とは、単に「できること」ではなくて、「好きで、できること」だからである。
第三に大事なことは、自分の強みを生かした新たな貢献領域を自ら提起することだ。会社はいま、高齢者を含む多様性のマネジメントを模索している。高齢者ならではの強みを生かして、会社にとっても自分にとっても意義ある仕事をつくりだすチャンスなのである。
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