特集/全予測「働き方、生き方、稼ぎ方」

PART1.仕事篇 - 22

ネットを活用して売り上げを伸ばせといわれたら

 
 

自社の強みをどう生かすか。
迷わずその道のプロに相談せよ

 
 
カヤック代表取締役

柳澤大輔

Daisuke Yanasawa

1974年、香港生まれ。96年慶應義塾大学環境情報学部卒。同年ソニー・ミュージック入社。98年カヤック創業。同社は絵画の測り売りサービス「ART-Meter」、建築家斡旋サービス「ハウスコ」など、ユニークな事業展開で知られる。

大正谷成晴=構成

 
 

社内を見つめ直せば
新たな発見も

 ネットを活用して売り上げを伸ばすにも、いくつか方法があります。ECサイトで収益を高める方法もあれば、会社の知名度を上げて将来的な実を取るといった手法も考えられます。まずは自社のウェブサイトをどう活用して売り上げにつなげるのか、数値的なシミュレーションを立てる必要があるでしょう。

 ところがこういった発想は、ネット関連の仕事に数年間携わっていなければできないかもしれません。担当者のネットリテラシーが低いなら、さらに基本に立ち返り戦略を練る必要があるでしょう。そこで実践すべきなのが、社内を見つめ直すこと、相談することの二点です。

 社内を見つめ直して自社の強みが見つかれば、どれほど強調できてどんな効果があるのか。個性に欠けるなら、どんな見せ方をすれば優位性が出せるのかなど、他社と比較したり、自社の業務を分解してみることで、新たな発見があるかもしれません。それをネットに落とし込むのです。身内のことを知らないのに、対外的に効果的なアピールはできません。

 次に、相談するという点です。経験が浅いとサイトを作るにしても、画期的なものが作れない、お金のかけどころもわからない。サイト制作を依頼する会社も、どこを選んでいいのかわからないのが正直なところ。こんな場合は、素直に相談するのが最善の策。常日頃から、こういった情報を整理してくれて、しかるべきアドバイスや協業者を紹介してくれる、キーマンを見つけておくことです。

 まずは身近で、知っていそうな人にたずねてみる。そうするとその人が知っていそうな人に聞く、また……、という形で連鎖していくと思います。その際に、その最初に聞く人が一流であればあるほど一流の人につながっていくものです。

 サイトを立ち上げる過程で、ほかの社員を巻き込む方法もあります。営業担当者には「どんなツールや情報が欲しいか」、広報や人事担当者には「どんなコンテンツがあれば、採用に役立つか」など、自社サイトへ愛着を感じてもらい、みんなに絡んでもらって情報発信するのです。もちろんこういったプロセスを通じて自社の強みも見直せますし、社内の士気を高めることもできます。

 なお、ネット担当に指名されたので、ウェブについて独学で勉強する方もいるかもしれませんが、技術的な面を深く理解するのは簡単ではありません。それよりは、いろんなサービスを利用者視点で使い、「これを使えば営業に役立つ」など、サイトの効果を理解できるようになれば十分です。そうすれば、制作の視点では難しくても、制作会社のスタッフとやりとりはできるようになります。反対に、ネットのサービスを使うのが億劫な人は、担当に向いてないかもしれません。

 ウェブサイトを作るうえで注意する点は、あらかじめサイトの目的を明確にしておくことです。同じウェブサイトでも、実店舗への誘導を目的とするのか、ウェブ上で売り上げを完結させるのかでは、サイトの作りがまったく異なります。前者の場合、クーポンの発券やイベントの告知など、モノを売るより販売促進がサイトの役割ですが、後者の場合は商品の安さなど、ネットショップとしての優位性を強調しないといけません。この二つの両立は難しく、どちらの方向を目指すかは事前にハッキリさせておくべきです。

 ネット担当の仕事の重要性は社長クラスの業務に匹敵するもの。ウェブサイトは24時間体制で外部と接触できる、会社にとってイメージや売り上げを左右する重要な存在です。指名されたらチャンスだと思って取り組みましょう。

 
 
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