特集/全予測「働き方、生き方、稼ぎ方」

PART1.仕事篇 - 17

ネット上で自社が袋叩きに。
効果的な対処法はないものか

 
 
マイナスの反応は
プラスに変えることができる
 
 

ゼロスタートコミュニケーションズ
専務
伊地知晋一
Shinichi Ijichi
1968年生まれ。2003年、「ライブドアブログ」をスタートさせ、国内最大のブログサービスに育て上げる。その後もネットアニメ「やわらか戦車」のプロデュースなど、各種ネットサービスを手がける。


荻野進介=構成

 
 

非があるなら
「謝罪」が対応の基本


 現実の社会と同じで、自社に非がある場合はお詫びのコメントを書き込むべきです。場合によっては自社のホームページでも謝罪したほうがいい。放置しておくと、問題によっては、会社に嫌がらせや抗議の電話が入ったり、直接、人が訪ねてきたりする可能性があります。根も葉もない噂話だったら、放っておけば鎮静化するはずですから、むやみにコメントを書き込むことは控えたほうがいいでしょう。

 自社が悪くなくて、誤解が先走っている場合、社員や協力会社の人がコメントを書き、議論の流れを修正するやり方も考えられますが、お勧めできません。あくまで当事者(企業においてはしかるべき立場の人)の対応が大切であり、余計な横槍が入ると、議論が拡散して、コメントも膨大となり、収拾がつかなくなる恐れがあります。第一、ネットのヘビーユーザーは嘘を見抜く嗅覚が発達しており、サクラはすぐにバレます。バレたら、袋叩きはますます激しくなるでしょう。

 また、自社のブログが“炎上”(ブログのコメント欄に批判的なコメントが殺到するトラブル)しないようにするには、はっきりと「これは企業がスポンサードしているブログである」という旨を明示しておくことが大切です。なぜなら、ブログは一般的には個人が自分の意見や感想を書くもの、と認識されているからです。それが知らされずにいると、「Aさんという個人の意見かと思ったら、会社の意見なのか。騙されていた! 何だ!」となるのです。

 自社のブログが炎上した場合の最悪の対応は、問題の記事やコメントを削除したり、ブログそのものを閉鎖してしまうことです。謝罪もせず、うやむやにする態度を取られると、ネットユーザーは怒り心頭に発し、ある行為に走ります。そういう炎上した画面は、画像として保存されてしまう??そのために「ウェブ魚拓」というサイトがあります??ケースが多く、ネット上から削除された画面がさらしものにされてしまうのです。

 また、仮に魚拓を取られる前にブログを閉鎖したからといって安心はできません。検索エンジンのグーグルなどには、すでに消えてしまったページも画面に出すキャッシュ機能があり、これも魚拓と同じことです。

 社長ブログも含め、企業のブログが炎上する数はかなり減りました。皆さん、失敗例から学んでいるからだと思います。しかし万全ではありません。今、問題になっているのが、社員が自分のブログに会社や仕事の様子を書くケースです。2年ほど前、コミックマーケットに出店した軽食チェーンのスタッフが、来ていたお客を中傷する記事をブログに掲載し、これを読んだ人が掲示板などで反発のコメントを書いた結果、会社がホームページ上で謝罪したという事件がありました。某コンビニチェーンでも同じような事件が起こっています。会社が「ブログを書くな」とは言えない以上、こういう事件はまだ増えます。自分のブログに仕事の詳しい中身や、そこで見知った情報を書いてはいけない、と周知徹底させることが必要です。

 私の本業はクチコミマーケティングですが、ネットの反応がプラスに表れたものがクチコミ、マイナスに振れたものが袋叩きや炎上なのです。冒頭で述べたように、真摯に謝罪すれば、マイナスの反応はプラスに変えることができます。クレーマーはロイヤルカスタマーになるとよく言われますね。袋叩きされて頭を抱えるのではなく、逆にチャンスと考え、うまく活用してはどうでしょう。

 
 
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