特集/全予測「働き方、生き方、稼ぎ方」

PART1.仕事篇 - 14

表向き友好関係にあった同僚に、
裏で嫉妬されていたらどうすべきか

 
 

自分の力を確立し、
放っておく度量を持つことが最善の策

 
 

衆議院議員

小池百合子

Yuriko Koike
1971年関西学院大学社会学部中退。76年カイロ大学文学部社会学科卒業。アラビア語通訳、ニュースキャスターを経て国会議員に。環境大臣、防衛大臣など要職を歴任。クールビズを世に広めた。著書に『女子の本懐』(文春新書)


柳澤美帆=構成
相澤 正=撮影

 
 

 仕事で嫉妬されることは、周囲から認められている証拠でもあります。ライバルや上司の縄張りを侵す存在として排除の対象になったわけですから、本物になれたと思っていい。そのうえで、嫉妬をされてももっといい仕事がしたいのか、その他大勢のままでいいのか、どっちを選ぶのかが問われているのです。

 嫉妬への対処法は三つあります。一つ目は「出る杭は打たれるもの。出すぎて、ずぬけちゃえ」。ずぬけてしまうと、今度は新しい世界が目の前に広がるチャンスもあります。

 二つ目は「嫉妬する人を自分に取り込め」。嫉妬する裏には、自分がないがしろにされているという思いがある。そういう人が相手の場合は、その人を自分に取り込んで、巻き込むくらいの度量を持つということが大事でしょう。

 三つ目は「放っておく」。嫉妬する人は、自信がない人でもあります。そんな人のことは気にしないで自分の道を進めばいいのです。私もかつて「小泉総理に手料理を持っていってる」とか、根も葉もない噂をたてられました。あえてありそうな話に変えて情報を出すというのは陰湿なものを感じますね。でもそんなものは放っておけばいいんです。

自分の位置を確認し状況を把握する


 嫉妬にもいろいろあって、見えないところでネチネチやる「ステルス型」はタチが悪いですね。どこかで落とし穴に落とされるかもしれない。ですから、私はあまり好きな方法ではありませんが、ときには情報収集も大事でしょう。

 飛行機に乗ると座席に画面がついていて、現在地がわかるでしょう。私はあれを見るのが好き。自分がどの方向に、どんな風向きの中で飛ぼうとしているか、それがわかれば飛び方も自ずと決まりますね。それと同じで自分のことを一度、客観的に見る。自分がいまどんな位置にいるのか把握できれば、その対策が見えてくるのです。嫉妬されても怖くないと思いますよ。何かをしようとするときは、嫉妬も含め、自分では測りきれない変数が必ずあるものです。ですから、いくつも方法を考えておく。その中で現在の状況にあった方法を選択すればいい。一種の危機管理ですよね。

 誰かに相談する選択肢もありますが、私は基本的にあまり人に相談をしません。自分が嫉妬されていると他人に話すことは、プラスマイナスがあると思いますよ。ケースバイケース、それは頭に入れておかないといけません。

 永田町では、みんなが一国一城の主なので、普通の企業とは少し状況が違います。でも、党や派閥のヒエラルキー、またポストが関わってくると、そのしのぎあいはすさまじいもの。何かをしようとすると、どこからか「待った」がかかったり、スピーチをするはずだったのに、はずされたりとか、そんなことはしょっちゅうあります。男の嫉妬は、ある意味女の嫉妬よりも女々しくって陰湿。嫉妬の文字もおんな偏ではなくおとこ偏にしてほしいと思うくらい(笑)。男性のレーゾンデートルが、会社の肩書とネクタイにしかない人が多いからでしょう。女性のほうが豪気であっけらかんとしているように思います。

 基本的に、他人は自分を助けてくれませんね。もちろん、助け合いの心はありますよ。でもいざというときは助けてくれないものと思って、自分の力を確立するほうが重要です。例えば営業成績をあげる、客観的に誰もが認める成果をあげる。その実績が自分の力になってくれます。自分に力をつけたうえで“so what(それが何?)”の精神でいれば、嫉妬は乗り越えられると思いますよ。

 
 
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