人に教えたくない店 [379]
「生」なしに夜は始まらない
毎日の健康のバロメータです
島田歌穂さん
生なしに夜は始まらない。そう言ってもいいほど、夕食には必ず生ビールをいただきます。なにはともあれ、まずビール。調子が悪かったり声を出すのがきついと感じるときは、自然とビールが飲めなくなる。おいしいと思えるうちはまだ元気と、健康のバロメータになっていますね。
歌って踊るミュージカルは、代謝にいい仕事。だから、食事の制限はしていません。特に本番のときは、食べないと体がもちませんから。腹持ちのいいものを、というわけでお握りなどのご飯粒をいただきます。加えて、家や稽古場、楽屋には、バナナとチョコレートを常備しています。ちょっと血糖値が下がったかなと思ったり、小腹がすいた場合、すぐにエネルギーになるので。
食べるのは、とにかく好き。特に大好きなのは野菜で、トマトとキュウリは、家でも絶対に欠かしません。先日も遅くに帰宅して、冷蔵庫から缶ビールとキュウリを出して、ビールを飲みつつ、キュウリをバキッと割ってかじっていました。
外で飲むのも好きなのですが、騒がしい店だと、喉によくないんです。普通に話しているつもりでも、賑やかだとどうしても大声になるので、打ち上げの翌日など、大人数で盛り上がった際には、翌日反省することも。喉は日々酷使しているので、余計な負担はかけないよう努めています。そのせいもあってか、通うのはほっとさせてくれる、こぢんまりとしたお店です。気品あふれるような構えだと、気疲れしちゃって。スッピンで行けるようなところがいいですね。
食事は夫(ピアニストの島健さん)と一緒にということが多いですね。本番が終わった後でも家に戻ってきて、近所に出掛けることがほとんどなんです。私が住む梅丘はとても庶民的な町で、和めるお店ばかり。そんななかで、家族のようにおつきあいさせていただいているのが、「黒板キッチン くいどうらく」です。ご夫婦で切り盛りしてらっしゃるんですが、とにかくなにを食べてもおいしくて、メニューはもう、ほとんど制覇したかな。ラストオーダーぎりぎりに駆け込ませてもらったりすることもあるんです。
「ビストロ クルル」も、ご夫婦ふたりでやってらっしゃいます。お料理がおいしいのはもちろん、穏やかな雰囲気がいいですね。夜中過ぎの遅い時間まで営業しているので、公演が終わった後で寄れるのも嬉しい。
日中の食事はどうしても栄養補給的な感じになるので、時間を取ってゆっくりできるのは夜だけ。1日の仕事が終わったときに食べるのが、寂しいものだと切ない。夕食は翌日の糧にもなる、自分にとってとても大きな位置を占めているんだと思います。
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●創作料理
黒板キッチン
cui dou laku
くいどうらく
世田谷の“台所”
27年の歴史は
居心地のよさの証●フレンチの店としてスタートを切ったのは、27年前のこと。その後、常連客のリクエストに応じているうちに、中華、和の総菜とメニューの幅が広がったのだとか。いずれの料理も、自家製の無農薬野菜がたっぷり使われているのが島田さん好み。全17席。土日は予約が無難。
●東京都世田谷区梅丘1-9-11 梅ヶ丘コーポ1F
TEL.03-3426-5277
営業時間/17:00〜22:30(LO) 水曜定休 カード不可
- 美豚のステーキいちじくソース1900円。限りなく自然に近い状態で飼育された「美豚」は、肉のコクととろりとした脂の甘味がクセに。乾燥いちじくを使った甘いソースによって、その実力がいっそう花開く。島田さんも「周期的に食べたくなる」という一品。
- 砂ぎもとホーレン草のサラダ950円。鮮度のよさが窺える、砂肝のコリコリした食感がたまらない。
- 焼き鯵と焼きなすの土佐酢風味 香味野菜添え1100円は、鯵の風味が野菜本来の風味を彩るおいしさ。
- 締めの一品はたっぷりのもやしがのったもやし焼そば840円ほか、タイカレー1300円、チャーシューねぎそば840円など。店名通り、メニューは大きな黒板に。内容は極めてバラエティに富んでいて、食いしん坊には悩ましい。
●フレンチ
ビストロ クルル
美味を引き立たせる
店主夫妻の掛け合い●ロアラブッシュなど名店を経た花沢広史さんが創り出す料理は、ワインを誘うしっかりした旨さが立ちながら、いずれも手頃な梅丘価格。腹も懐も微笑む。フロアを預かる妻由紀子さんの本業は、漫画家。ご夫婦との会話もまた、大いなる魅力。要予約。
●東京都世田谷区梅丘1-21-2 2F
TEL.03-3427-2722
営業時間/18:00〜25:00、日曜〜23:00(ともにLO) 水曜定休 カード可

- 鴨のコンフィ、自家製ソーセージ、牛肉のハラミ、豚足、白隠元豆を煮込んだ、クルル風カスレ3980円は、これからの時期にほっと温もる一皿。
- 常磐産スズキのポワレ2630円は、ワタリガニを裏ごししてスープ仕立てにしたソースとともに。皮はパリパリ、身はふんわりと仕上がったスズキに魅了される。
- 自家製のキャラメルアイスクリームとフランボワーズのソルベがのったフォンダンショコラ950円。
- エゾ鹿ロースのロティ5460円。鹿肉は北海道知床のマタギから直接入手。力強くも透明感のある旨さと酸味の効いたソースの融合に、会話を忘れる。写真の料理は冬のメニューの一例から。アラカルトはすべて2人前のボリューム。平日は、1人向けの定食も用意。
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