人に教えたくない店 [354]

共働きだから外食は自転車圏が限界
でも鰻だけはクルマを駆って沼津へ

江口ともみさん

 
 
江口ともみ = 談
Tomomi Eguchi
えぐち・ともみ●
1968年、東京都生まれ。幼稚園から入った東洋英和女学院(短期大学)卒業後、タレント、フリーアナウンサーとしてテレビやラジオで活躍。「ビートたけしのTVタックル」「第二週刊アサ秘ジャーナル」にレギュラー出演するなど、現在は主にナレーターや司会業を務めている。かねてより「生きているうちにやりたい5つの挑戦」があり、体験済みの富士登山、バンジージャンプに続いて、来年2月に開催される「東京マラソン2007」でフルマラソンに挑戦する。残り2つはスカイダイビングとお遍路さん。
椿 孝(P147、148)、矢野宗利(P149) = 撮影斉藤由利子 = 構成
 
 

 いらっしゃいませ! 下の店は高級住宅街にある普通の家なので、驚きませんでしたか? 看板などは一切出ていないので、玄関チャイムを鳴らすときは本当にどきどきしてしまいます。

 今年の初め、鍋がおいしいからと女友達4人で訪ねたのですが、実は料理を味わう前にすっかり惚れてしまいました(笑)。その日は風邪気味で頭痛がしていたところ、ミント入りカクテルがすーっと出てきたのです。頭痛がやわらぎますよ、と。そのスマートさに参りました。

 肝心の料理ですが、1年を通して鍋ものがメーンのフルコース。ボリューム満点なのに野菜たっぷりだからヘルシーで、何より鍋のだしが絶品。洗練された空間で鍋をつつくというギャップもまた、おいしさの奥行きになっています。満腹感も手伝って、いつしかお店にお邪魔している感覚はなくなり、「パジャマに着替えていい?」って言い出しそうになるくらい和やかな気持ちに満たされます。これこそ究極の癒しではないでしょうか。ホームパーティのための料理のヒントを教えてもらったりするなど、今ではとうちゃん(夫・つまみ枝豆さん)も含めたお付き合いをさせてもらっています。

 うちのとうちゃんは料理をしないので、料理担当は私。だから可能な限り一緒に食べています。たまに疲れて二人で外食するときも、もっぱら自転車圏内(笑)。でも、鰻だけは別です。クルマを駆って東名高速を西へ。沼津の友人宅に近い鰻がとてもおいしいんです。肉厚で香ばしく、上質な食べ応え。鰻はもう沼津「繁乃家」以外では満足できません。

 かつて沼津は通過するばかりの町だったのですが、鰻の旨さで開眼し、心の拠り所みたいな存在になっています。喫茶店某のキムチスパなど、おいしいものがピンポイントで隠れているんですよ。まだ行けてませんが、確かな筋から某とんかつ店の豚テキという情報もあります。都心に向かうのと時間的には大差ない沼津。ちょっと侮れません。

サロン・ド・ヒットタマグッド 鍋おまかせ料理
サロン・ド・
ヒットタマグッド

友達の家に
遊びに来た雰囲気で
季節の鍋や魚料理、
ブランド肉を堪能

●店名は「すごくびっくりするよ」という意味の鹿児島弁の音を組み合わせたもの。コース料理は適量の飲料代込みで一人1万円くらいが目安。食材の好き嫌いや味つけの相談などに応じてくれるほか、酒は持ち込みOKなので、酒に合わせた料理をお願いすることも可。
●住所は非公表(最寄り駅:都営三田線白金台駅)
TEL.03-3449-2809
営業時間/18:00〜24:00close(昼営業は応相談) 不定休 カード可 ※前日までの完全予約制


  1. 鍋をメーンディッシュにしたのは、野菜をたくさん食べてほしいという願いから。無農薬野菜を中心に扱う。鍋は月替わりで、鴨鍋はフランス・シャラン産の雌鴨、旬の芯取菜との組み合わせが絶妙。この鍋がすばらしいのは、あらかじめ鰹と昆布のだしで鴨のもも肉を煮て、鴨の旨味がたっぷり溶け出した鍋だしを用意してあること。食べ始めから満足感の高い深い味わいを楽しめる。締めは手打ち蕎麦で鴨南蛮。
  2. 前菜は野菜を中心とした季節の盛り合わせ。焼き舞茸の白和え、海老芋しんじょうの鶏そぼろあん、春菊と油揚げのおひたし。
  3. 魚料理は、寒鰤やほうぼうなどの刺し身と蛸のやわらか煮、釣りきんきの塩焼き。この後、肉料理へと続く。肉は都城牛などクオリティの高い隠れたブランド肉が登場する。

鰻・割烹
繁乃家
東京から車で120キロ
富士の雪解け水が湧く
柿田川で過ごした鰻を
備長炭で焼き上げる
沼津の名店

●柿田川の鰻の旨さで知られる三島・沼津地区の中で、備長炭で鰻を焼く貴重な店。小骨がいっさい気にならず、ふっくらとしたおいしさを楽しめる。100mくらい先まで旨い香りが漂い、鼻腔をくすぐるので店の場所はすぐわかる。
●静岡県沼津市旭町5-1
TEL.055-962-0906
営業時間/11:30〜13:30(LO)、17:00〜20:30(LO) 火曜定休 カード不可 ※会食や宴会以外の席の予約は不可。鰻は白焼きもあり、いずれもテークアウト可


繁乃家
  1. きも焼き630円は鰻8尾分くらいを必要とする大串。売り切れ御免の垂涎ものだ。
  2. 季節の酢のもの1260円。三杯酢がいい塩梅で、こってりとした鰻の後味をすっきりと流してくれる。
  3. いいっこ630円。地元産の巻き貝で、しったかよりも大きく食べ応えがある。酒肴に人気の一品。
  4. うな重1890円。きも吸い、香の物付き。ご飯おかわり自由で、丼もある。富士山の雪解け水が湧き出す柿田川の清冽な水の中で2〜3日過ごした鰻は、余分な脂が落ち、鰻本来の旨さを堪能できる。「繁乃家」では関東の鰻より太め、関西より細めのサイズを厳選。これを備長炭で焼いて蒸し、1930(昭和5)年から継ぎ足し続ける秘伝のたれで焼き上げる。香ばしさこの上なし。
 
 
PRESIDENT 2006年12.18号
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税込価格 650 円
売り切れ
 

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