日本唯一のビジネスモデルで異彩を放つT&D保険グループ
中小企業市場での厚い信頼関係をベースに
グループ成長の中核を担う
「加入者本位」の大同生命
T&Dホールディングスの設立・上場から約
2年半。この夏にはT&Dホールディングスの
他、傘下3生保が新本社ビルに集結。結束力も
さらに高まり、グループ成長への基本構図は
より明確になってきた。なかでも大同生命は、
中小企業マーケットで抜群の強さを見せ、
独自のビジネスモデルが改めて注目を集めて
いる。木場弘子キャスターが、T&Dホール
ディングスの宮戸直輝社長と大同生命の倉持
治夫社長に、その「強さの秘訣」を聞いた。
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木場私の会社も夫(与田剛氏・NHK野球解説者)も、大同生命さんの保険に入っており、もう一〇年間お世話になっています。最近とくに顧客サービスが拡充しており、契約者としては大変頼もしいですね。T&D保険グループ全体も、順調のようですね。












1967年大同生命入社。調査部長、業務部長を務める。94年取締役就任後、99年7月同社代表取締役社長に就任。2004年4月より現職。





宮戸ありがとうございます。各社がそれぞれ持ち味を生かしていこう、というのがT&D保険グループの考え方です。大同生命、太陽生命、T&Dフィナンシャル生命(TDF)を中核とするグループ経営がスタートして約二年半。経営統合がどんなものか、皆、分かってきて、各社からどんどんアイデアが出てきはじめている。グループの本社機能も同一新本社ビルに集約しましたし、廊下やエレベーターなどで、役職員同士が気軽に立ち話ができるようになった。グループの結束力も強くなっている感じがします。
木場倉持社長は、いかがですか?
倉持グループ組成の一番のメリットは、得意分野に専念できること。銀行窓販はTDFがやり、家庭市場では太陽生命が強みを生かす。そして当社・大同生命は中小企業マーケットに特化する。保険会社というのは、どうしても全部をやりがちなのですが、「やらなくてもいい自由さ」とでもいいますか、経営資源を特定分野に集中できるのは、社長としては非常にありがたい。
宮戸規模のメリットもグループ効果の一つですね。健全な中堅生保が集まり、保有契約高は六〇兆円を突破。国内生保では唯一の上場会社として、大手生保の一角を占める存在感が出てきた。保有契約も“良質契約”が多く、非常に中身もいい。当グループは、株式市場からの厳しい評価基準にもさらされます。その面でも契約の質の高さは強みとなっています。
木場なるほど六〇兆円という数字だけでなく、中身にも手応えを感じているわけですね。大同生命も着実に保有契約高を増やしているようですが。
倉持前期(二〇〇六年三月期)は保有契約高が過去最高となりました。今期も順調です。ただそれ以上に注目しているのは、契約継続率の高さです。これはきっちりしたニーズにもとづき、内容を十分にご理解していただいたうえで、保険契約という手順を踏んでいる証し。この積み重ねこそが、保険会社自身の質をも高めるのだと思います。
木場大同生命は中小企業市場に特化しているということですが、これは昔からですか? 
宮戸 中小企業にフォーカスしたのは、一九七一年以降。私が大同に入社したのは六七年で、後から聞いた話では当時のトップ層は相当腹をくくったらしい(笑)。いわば会社の存亡をかけた、大きな方向転換ですからね。商品も個人定期保険に絞り込み、さらに販売提携などでマルチチャネル化を進めた。この戦略が功を奏して、収益力に優れ、長期的に安定成長が見込める会社となった。ここ数年、中小企業の景況感も改善してきており、ホールディングスとしても、大同には大いに期待しています。
木場資料によると、大同の法人顧客数は約三九万社。一方で全国には約一七四万社の中小企業法人があるといわれています。倉持社長、今後もどんどん開拓するぞ、といった感じですか?
倉持安定したなかで成長を上積みしていくというのが、より正確でしょうね。アメリカンフットボールでいえば、大同生命は華やかなパスプレーではなく、ランプレーで着実に前進していくことが求められている。
木場タッチダウンまで、ランで手堅くボールを運んでいくやり方ですね。
倉持そう、チーム全体として着実に点をとっていく。地味だけれど、逆に着実にやる難しさもあります。日頃の厳しいトレーニングは欠かせませんし、先を見据えた作戦も必要ですしね。 
宮戸 グループ全体からいいますと、太陽は保障性商品へのシフトを進めており、いわば成長エンジン。TDFは窓販特化でポテンシャルも高く、将来の成長株です。そして大同は、個人定期保険の保有契約高が三五年連続純増であり、大黒柱としての安定感がある。グループトータルで規模を高めようというのが、全社的な共通認識なんですよ。 
木場私が御社の保険に入ったのは、実は会計士さんからの紹介でした。税理士団体など各団体との提携関係が強みのようですね。










倉持提携の契機となったのは、先ほど触れた一九七一年に、中小企業を主な会員とする納税協力団体の法人会・納税協会の「経営者大型総合保障制度」を受託したこと。他の生保各社が引き受けを断るなか、唯一応えたのが大同生命でした。その後、TKC全国会とも提携し、会計事務所のバックアップ体制を構築しました。経営者へのコンサルティング営業などにより、次第に強固な信頼関係ができあがっていったわけです。
木場提携でのポイントは?
倉持やはりお客様と提携団体、さらに当社ともにメリットがある「ウィン・ウィン」の関係を構築したことでしょう。法人会・納税協会、TKC全国会、税理士協同組合などの団体を介した販売活動には、三〇年以上の歴史があります。
木場リスクマネジメントの観点からも、御社の商品は大事ですよね。
倉持在任中の経営者に万一のことがあった場合に、法人にとってのリスクをカバーする保険は、顧客企業へ大きな価値を提供します。それに当社の商品は洋服でいうなら、店頭にある商品をそのまま売るのではなく、身体にぴったり合わせた形で提供しています。
木場それはオーダーメイドということですか?
倉持イメージとしては、そうですね。死亡退職金や弔慰金、生存退職金など、事前に十分に相談させていただいたうえで、企業の経営環境の変化に合わせ、きめ細かく対応しています。
木場御社の企業理念となっている、まさに「加入者本位」の考え方ですね。これは以前伺った話なのですが、大同生命では部下が上司に遠慮することなく意見を言える風土があるそうですね(笑)。社員の視線は上司ではなく、完全に顧客の方を向いているんですね。
倉持そうなんですよ。中途入社の人が驚くのは、部下が上司に文句を言うこと。上司が部下を叱咤激励するのではなく、逆に叱咤される(笑)。
木場現場としては、とにかく顧客の声を吸い上げて、上に伝えなければ、ということなんでしょうね。
倉持その通りです。そういう面では、非常に風通しがいい。商品開発にも、お客様の声が直接反映される仕組みとなっています。営業職員や全国支社を通しての、要望や改善点など、すべてデータベース化しています。
木場お客様満足(CS)を重視した取り組みですよね。保険加入者としていただいた案内書類に書いてありました。
倉持ありがとうございます。書類関係もずいぶん、見やすく、分かりやすくなっていますでしょう。インターネットサービスや経営支援サービス、それに健康支援サービスなども充実してきた。セカンドオピニオンサービスもやっているんですよ。
木場そんなサービスまで。もちろん無料ですよね(笑)。
倉持はい。保険は万が一の時に役立つシステムですが、そうならないための予防策も大事なのでは、と考えましてね。病気相談に応じる健康ダイヤルも二四時間体制でお客様にも大好評です。














1973年大同生命入社。営業企画部長、首都圏地区営業本部長、事業本部長を務める。98年取締役、2004年4月より現職。 






木場
次に倉持社長ご自身のことについて、いろいろお聞きしたいのですが、宮戸社長の倉持社長評からお聞かせいただけますか。
宮戸彼(倉持社長)は、数字に強く理論的。仕事のやり方も、緻密ですね。それに判断の速さがいい。ダメとなったら、素早く方針転換する決断力をもっています。これは計数に強いため、十分な裏打ちをもっているせいでしょう。徹底的にこだわる部分と、スパッと切る部分の両方ある。時間軸が短くなっている現代経営では、貴重な能力ですよ。
木場宮戸社長も大同出身ですが、一緒に仕事をされたことは?
宮戸直接同じ部署で働いたことはないです。しかし大体同じような部門を歩んでいる。二人とも営業執行部門や人事、企画などを担当しました。営業現場での経験もあります。転勤も多く、一通り見ていますね。
木場さまざまな部門や場所を経験しているのは、大きいですね。ところで倉持社長は、社長になる前に想像していた社長業と、ここが違うと思ったことはありますか?





倉持やはり責任感の重さですね。これは想像以上でした。
宮戸そう、こればっかりは、なってみないと分からない。
倉持昔は担当部門で処理していたような案件まで、ジャッジメントを求められる。プロセスが円滑かつ正常かどうか、監督・指導する責任があります。
木場緻密な倉持社長のご性格だと、ご心配も多いのでは?
倉持情報はオープンにするのが、当グループの方針。透明性を確保していれば、大丈夫ですよ。それに私は一晩寝ると嫌なことは忘れる性格ですから。
宮戸私は一晩寝る前に忘れる(笑)。会社を一歩出れば、もうサッパリ忘れますね。
木場やはり公私の切り替えをうまくしないと。引きずるような性格だとダメなんでしょうね。
宮戸倉持社長が大変なのは、もう一つある。出張が多いことですね。月の半分は出張で本社にいない。
倉持ヨーロッパから帰国した当日に、そのまま沖縄に飛んだこともありました。当社と提携する中小企業関連団体が全国各地にありますから、どうしても出張が多くなります。
宮戸彼の場合、年間一〇〇回は飛行機に乗っているんじゃないですか。
倉持体力的なことは睡眠をとれば回復しますし、私は移動がまったく苦にならないタイプ。それに若いときに運動選手として鍛えた蓄積もある。休日には妻と一緒に二時間ほどウオーキングし、ストレス解消もばっちりです(笑)。なによりも直接皆さんとお会いしてご意見を拝聴し、社業に生かしていくのは、ビジネスモデルの根幹です。これからも積極的に、外に出ていくつもりです。
木場さて将来へのビジョンですが、勝ち残っていくためには、今後何が必要でしょう。
宮戸グループ戦略としては、内部成長と外部成長の二つがあります。内部成長とは、中核生保三社のビジネスモデルをさらに精緻化して、成長を促進させること。例えば中小企業市場では「大同生命以上のことはできない」と他社が参入を諦めるほどの強さを、さらに磨いていく必要がある。
木場一方の外部成長というのは、企業提携やM&Aのことですか?
宮戸そうです、これは持株会社の役割。例えば当グループにはないダイレクト保険や、医療保険専門の会社も面白いかもしれません。日本人の平均寿命は長いですから、生存リスクに完全に対応した保険会社があってもいいでしょう。これは私たちホールディングスの宿題です。企業成長の指標であるEV(エンベディッドバリュー/修正純資産と保有契約が生みだす「既契約の将来価値」の合計)も拡大中。さらなる増大を目指します。
木場大同生命の方はいかがですか。
倉持業界全体が医療や介護、年金などの分野へシフトし、求められるものが変化しています。中小企業でも低コストの企業保障中心だったニーズが、生存リスクへの対応、オーナー個人の資産形成ニーズなどへと多様化する傾向もあります。当社でもこの秋から要介護状態を保障する商品や業界初の利率変動型の定期保険を導入しました。ワンパターンではない、バリエーションに富んだ提案を進めていく方針です。
木場企業のリスクマネジメントの相談というのは、よほど信頼されていないと、難しいですよね。
倉持これは厚い信頼関係をもつ当社だからできること。常にお客様の視点で、会社の成長サイクルに合わせ営業資金、債務返済、事業承継などのニーズに応えてきた成果です。今後ともコンサルティング力を強化するとともに、ニーズに合致した商品を着実に開発し提供していく。これが成長のカギとなりますね。
木場なるほど、よく分かりました。本日はどうもありがとうございました。


(株)T&Dホールディングス 03-3434-9181 http://www.td-holdings.co.jp
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