人に教えたくない店 [343]
決して贅沢はしてきませんでしたが、食べることは昔から好きです。
カレー粉を買いに隣町まで行くお使いを、心から喜ぶ子供でした
姜 尚中さん
勉強していると叱るような母の口癖が「人は喰らうところのものである」でした。奇しくも唯物論者のフェイエルバッハも同じことを言っていて、母が彼を知っていたとは思えないのですが、それだけに感慨深い言葉です。
人間には年を重ねても、なお旺盛な欲が三つあります。権力欲、性欲、そして食欲。食欲は健康のバロメーターでもあり、知的作業従事者に不健康が多いのは、お腹が減らないから。食欲が湧かないから食べなくても平気だし、好き嫌いも生まれます。本当に素朴ですが「ごはんを食べない人はダメ」が僕の哲学で、いい食材をしっかり三食、一生懸命食べる。食欲のある人は年齢などにかかわらず、人間的な魅力に溢れています。
赤門近くの「本郷 佐とう」はまっとうな魚を値頃で味わえる店です。海の近くで育ったから魚好きだし、漁師は憧れでした。ハンティング本能がうずきます(笑)。それと父が一汁一菜主義だったので、汁物がないとご飯を食べられません。だから、佐とうの定食は理想的なんです。
悦楽とはおいしいものを誰と、どこで食べるかにあります。僕はワインが好きなので、気のおけない人と過ごすときは「葡萄酒ぐら モンカーヴ」が多いです。ここの椅子が好きで、温もりのあるインテリアも落ち着きます。若かったら女性をくどきたいくらい(笑)。フランス人は語るために食事をするようなところがありますが、食を通していろいろ学び、ディベート力を磨き、恋もする。食は生きるための基本であり、人生を豊かにするものなんです。
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●魚料理
本郷 佐とう
界隈一旨い魚が、東大生の脳を
支えていることは事実でしょう
●店を構えて14年。看板に「魚料理が好きな人の店」と副題が掲げられている。定食や丼はランチ限定だが、夜は食事セット(ご飯、味噌汁、漬物)420円があり、刺身をご飯でも味わえる。
●東京都文京区本郷5-23-12 鳩山ビルB1
TEL.03-3816-3224
営業時間/11:30〜13:30(LO)、17:00〜21:00(LO)、土曜は6名以上での予約があれば営業 日曜・祝日定休 カード不可 ※夜は予約したほうが確実
- ランチメニューのうにブリ丼1100円。脂ののったブリは自家製だれがからめられ、ご飯との相性バツグン。味噌汁、小鉢、漬物付き。
- 姜さんのランチのお気に入り、とろろ刺身定食1000円。このメニューは10月までで、冬期はとろろと味噌汁が鶏つくね汁に変わる。
- 破格に驚かされる刺身盛り合わせ。写真は沖盛り3650円で2〜3人前というが、4〜5人でも満足できるボリュームだ。それもご主人の佐藤堅太郎さんの50年に及ぶ築地通いのおかげ。ほかに黒潮盛り(4〜5人前)5250円、大漁盛り(6〜7人前)7350円がある。
●ワインバー
葡萄酒ぐら
モンカーヴ
座っているだけで
癒される空間。
ホテル内の専門店の
本格的な料理を
味わえるのも魅力
●古くから文化人に愛されてきた山の上ホテルの風格あるワインバー。フランス料理のほか寿司や天ぷらなどの和食や中国料理まであり、ワインと食の新しいマリアージュを体験できる。地階ながら、道路から直接入れる秘密の扉あり。
●東京都千代田区神田駿河台1-1 山の上ホテル本館B1
TEL.03-3293-2311(代表)
営業時間/14:00〜翌1:30(LO)、セットディナーと和食、中華メニューは〜21:00(LO)、21:00〜は洋食メニューのみとなる 無休 カード可 ※食事時は予約したほうが確実

- パリパリに焼けた皮とジューシーな身のバランスも旨い香酥鶏腿(美濃地鶏の香り揚げ)3150円。ホテルの中国料理店「新北京」から届く。
- “山の上ホテルのクロックムッシュ”とも呼ばれる、牛肉とハム、チーズのサンドウィッチ2310円。旨みの詰まった上質な味わいが広がる。ダイニングレストラン「ラ ヴィ」製。
- カーヴに1500本を揃えているワインはフランス産が中心。季節に合わせてドイツのリースリング特集などのフェアも展開する。日替わりのグラスワインが人気で、白4種、赤3種を1260〜1890円で楽しめる。食後にワインとチーズを楽しみに寄る人も。
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