大京グループCEO・田代正明の決断

ライオンズマンションが提示する
「家族想い」の進化形
新経営理念の実践で、
新しい住文化の創造に挑む

 
 
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株式会社大京 
代表執行役社長・グループCEO 
田代正明 
 
 
知名度とのギャップは断固是正 全社一丸のプロジェクトで「家族の幸せ」の具現化に挑む
ライオンズマンションの新シンボルマーク(上)と大京グループの経営理念(下)。社会とお客様に貢献していくために、グループ企業価値の最大化を目指し、企業ベクトルの共有と判断基準をきちんと定め、「基本的価値」として全員で共有していくとの決意が込められている。
 企業は時と人を得たとき、新たな飛躍への契機をつかむ。「ライオンズマンション」で知られる大京でいえば、昨年春の田代正明社長のトップ就任がそれだった。豊富な海外経験に加えて不動産開発でも優れた実績をもつ田代社長の目に、そのときの大京の現状はあまりに不均衡に映ったのである。
「一言でいえば、ブランドイメージの極端なばらつき、そして知名度とイメージの落差でした。私自身、過去に供給された首都圏の物件のイメージにとらわれ、しっかりしたいいマンションだけどグレードは中堅と誤認していました。でも、全国の拠点を回って、ステータスシンボルにもなっている評価の高い地域、良質なイメージが浸透している地域がたくさんあるのを知った。驚くとともに、これは何とかしなければいけない。せっかくの資産を活かし切れていない現状を変えようと決意しました」
 事実、ライオンズマンションは、三大都市圏では90%もの人が「知っている」(同社調べ)と圧倒的な知名度をもつが、好感度や満足感などは地域による格差が大。しっかりした構造や安全性、住み心地への配慮など、同社がこだわってきたモノづくりへの姿勢は、十分に伝わっているとは言い難い状況だった。さらに、マンションの建設から販売、管理、流通まで自社グループでトータルに行うという、お客様にとって安心感と利便性の高いシステムの存在すら認知度は低かった。厳しい言い方をすれば、発売戸数で業界トップという実績が甘えの構造を生み、ブランド価値向上への取り組みや努力がなおざりにされてきたのである。
「ライオンズマンションと、ライオンの名を冠したのは、ライオンが家族想いの象徴だから。知名度とイメージの落差を是正するためにも、品質・快適・家族という、大京が大切にしてきた想いをもう一度きちんと伝えようと思いました。大京の創業の原点は、家族の幸せを第一に考え、日本の住文化に貢献すること。この原点にいま一度立ち戻って、新しいライオンズブランドを具現化していくことが、マンションのプロフェッショナルである当社の社会的使命だからです」
 お客様に愛され、ステークホルダーに信頼されるいい会社でありたいという思いは、経営者も社員も同じはず。田代社長は、企業活動の基本となる経営理念を大京グループ全社に提示するとともに、その旗印となるライオンズマンションのシンボルマークを刷新、ブランド価値向上への全社一丸の挑戦にゴーサインを出した。2005年6月、田代社長直轄の最優先プロジェクト「LIONS HEART PROJECT」が発進したのだった。
発売戸数28年間連続トップ 「家族想い」の原点が実績を紡ぎマンションの歴史を切り開く
 田代社長が指摘したとおり、新ブランド戦略を象徴するタグライン、「Family First.」は、大京の原点そのものである。東京・赤坂に最初のライオンズマンションが誕生したのは、1968年のこと。高度成長をのぼりつづける日本に欧米型の快適な住環境を提供したいと考えての出発だった。以来、首都圏、大阪圏と次々に物件とエリアを拡大。ライオンズマンションはニューファミリーを中心とする日本人にとって家族の快適な生活を象徴する「マンションライフ」のシンボルとなるとともに、その名前と初期のレンガ造りの重厚な建物のイメージが記憶に強く刻まれることとなった。約40年を経た現在でも、ライオンズマンションのイメージが当時のままに記憶されていることは、大京にとって不運だったのかもしれない。だが、逆にいえば、その事実こそ大京が日本におけるファミリーマンションの歴史を築き、リードしてきたことの証しだといえよう。
 ライオンズマンションの延べ建設数は約6000棟・30万戸(2006年2月末現在)、約100万人もの人々の暮らしを育んでいる。ライオンズマンションがこれほど多くの人々に支持されているのは、つねに今を生きる「家族の幸せ」を第一に考え、それを形にしてきた先進的な取り組みがあるからにほかならない。例えば、いまから30年も前、1975年にオートロックを同社ではすでに採用。また宅配ボックス、24時間オンライン管理、住宅性能評価書の取得等々、大京の取り組みはつねに業界の次の一歩に先鞭をつけつづけてきたのである。
「品質性能ism」を基本方針とする品質性能への徹底的なこだわりも、ライオンズマンションの特徴である。同社は1980年に早くも躯体厚・断熱・排気・排水といった「重点七項目」を定め、全物件標準の仕様とするなど、建築基準法等の法令で定められた基準を上回る独自の設計・建築基準を厳守。設計事務所や施工会社に対しても厳しく要求しつづけている。
「でも、ハードが安全・快適であるのは、当然のこと。私が経営者として評価したいのは、むしろソフト面での取り組みですね。地域環境の向上を目指す緑化や子育て、コミュニティーへの支援等々、そこに住む家族を大切に想う気持ちは、どこよりも強いと自負しています」
 万一のときの災害支援は、その好例だろう。大京グループでは阪神・淡路大震災をはじめ、2000年の東海集中豪雨、2004年の新潟県中越地震など大規模な自然災害時に、独自の支援を行ってきた。建物自体に大きな損傷はなくても、ライフラインの断絶により避難生活を余儀なくされた入居者のために、グループの社員が率先して安否確認や建物診断、各種支援物資の輸送・配布などを実施したのである。事業主別の発売戸数で28年間連続トップの実績は、企業姿勢への評価であり、日本の住文化への貢献度の指標でもある。
「だからこそ、未来へとつづく住文化を創造するために、大京に息づく優れたDNAをいま一度活性化させる必要がある。『LIONS HEART PROJECT』は、そのための最初の、そして大きな一歩なのです」
社員の意識改革と意欲がプロジェクト成功の絶対条件 だからボトムアップを貫き通す
 2005年6月、スタートを切った「LIONS HEART PROJECT」の最大の特徴は、ボトムアップ型の取り組みを実現していることである。大きな改革であればあるほど、トップダウン型のほうがスピーディかつ効率的に進めることができる。だが、田代社長はあえてトップダウンを排除、ボトムアップを貫き通した。
「進むべき道を示すのはトップの役割ですが、社員の参加意識がなければ真の改革は実現できません。ましてマンションは、長く存在し、住む人の暮らしを支えつづけるものです。お客様の"ライオンズマンションなら"という信頼感や"住んでよかった"という満足感は、現場で販売する人や、管理する人を通して形づくられていくものです。全社員が想いを共有し、行動することが、プロジェクトの成功の絶対条件です」
田代正明
1941年兵庫県出身。65年関西学院大学経済学部卒。同年オリエント・リース(現オリックス)入社。98年同執行役員、2004年同専務執行役、05年大京顧問・取締役を経て、05年4月代表取締役社長兼社長執行役員、同年6月取締役兼代表執行役社長・グループCEO。「クリーンな行動・正確な仕事・魅力的な会社」が信念。趣味はゴルフとミュージカル鑑賞。
「LIONS HEART PROJECT」の構成メンバーは、本社各部門と各拠点から1名ずつ、グループ会社である大京管理と大京住宅流通から各2名の計30名。コンセプトや方向性に対する激論が交わされ、お客様に対するイメージ調査や社員へのアンケート調査等で問題点が明確になっていく過程で、田代社長はあえて聞き役に徹していった。言うべきことはビシッと言うが、任せるべきことは大胆に任せる。それは、田代社長の経営哲学であり、メンバーに対する信頼の証しでもあった。その一方で、昨年10月末、全国の拠点で行われた「グループ経営理念およびブランド戦略発表会」へは可能な限り足を運び、社員一人ひとりに向けて熱く語りかけた。
「発表会は、北海道から沖縄まで全国の拠点を3日間で行いましたから、物理的に出席できない地域もあり、ちょっと心残りでした。その代わり、昨年後半は時間をつくって全国を歩きました。若い社員たちが意見や要望、不満などを率直にぶつけてくれました。もちろん、経営者としては耳の痛いこともあった(笑)。でも、大京本来の挑戦するDNAが健在なのを知ったことは、大きな収穫でした」
 経営理念やブランド戦略といった大きな指針は、各現場で血肉化されてはじめて成功へとつながる。発表会につづく秋から冬にかけて、各拠点では「自分たちの仕事のなかでどう具体化していくのか」、ブランドマネージャーを中心に真摯な討論が重ねられていった。ブランドマネージャーを務めるのは、各拠点のメンバーが「この人なら」と納得できるリーダーシップのある人材。男性も女性も、若手から中堅まで幅広い人材が集まったという。
「訪れるたびに、拠点が元気になっていくのは嬉しかったですね。私の次の責務は、社員を決して裏切らないこと。『この日までにこうします』という約束は必ず守り抜きます」
次のステップは「筋肉質」への転換 住文化の未来を創造するためにナンバーワンを狙いつづける
 大京の原点である「家族の想い」を具体的な形にするプロジェクトも、すでに動き出している。これまで培ってきたノウハウを資産性・利便性・安全性・カスタマイズ性・快適性・継続性・先進性という7つのキーワードに照らして再検証し、新ブランドにふさわしい高品質なマンションへと結実させていくプロジェクトである。
「ハードが形になるのにはそれなりの時間が必要ですから、いまお見せできないのは残念です。でも来年には、実際に住む家族はもちろん、そのご両親にも満足していただけるマンションがデビューします。欧米ではライフステージに合わせた住み替えが当たり前になっていますが、日本でもそうなりつつある。新しいライオンズマンションは、家族のライフステージを快適に伴走しつづけられるものになるでしょうし、『このマンションに住みたい』とお客様が望まれるものにしていきます」
「LIONS HEART PROJECT」とその精神が、大京の企業活動の指針となり、基盤となっていくのは確実だが、田代社長はすでにその先を見ている。次のステップは、「筋肉質な会社にすること」と言う。
「いまの大京は、たとえていえば人間ドックで健康体と診断された段階です。やや硬くなっていた血管に勢いのある血流が戻り、元気になったわけですから、次は躍進できる筋肉質な身体をつくらないといけない。そのために、人材など経営資源の適正配分、選択と集中を実行していきます。その先の目標は、名実ともにマンション業界のナンバーワンになること。収益でもトップを目指します」
 企画・販売から管理・仲介まで、大京グループはマンションの一生にかかわりつづけている。マンションのプロフェッショナル企業として、そのすべてで質・量ともにトップを目指すことが、大京の次の目標ということである。一見、傍若無人な目標のようだが、田代社長が心底願うのは、「家族想い」の未来形をお客様に手渡しつづけること。活力を取り戻しつつある日本と日本人の暮らしを、温かく、そして力強く支える良質なマンションの連鎖を生み出しつづけることなのである。
お問い合わせ先 株式会社大京 ?03-3475-1111(代表) URL http://www.daikyo.co.jp 
 
 
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