グループ内再編でさらに進化するT&D保険グループ
金融機関の窓販チャネルに特化
グループ戦略のカギを握る
T&Dフィナンシャル生命
過去最高の保有契約高を記録する
など順調に発展を続けるT&D保険
グループ。
その強さの原動力とは何か?
T&Dホールディングスの宮戸直輝
社長と、T&Dフィナンシャル生命の
竹内致夫社長に福島敦子キャスター
が迫る――。
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福島実は私は以前、大同生命さんを取材させていただいたことがあります。そのため業界初となるT&Dホールディングスの上場にも関心がありました。発足して約1年半。まずは経営統合の手応えからお伺いしたいのですが……。












1943年兵庫県生まれ。67年慶應義塾大学法学部卒業、大同生命保険入社。99年同社代表取締役社長に就任。2004年4月より現職。





宮戸目指すものが、ようやく6〜7割方見えてきたかな、というところでしょうか。上場後初の決算を経て、株主総会も経験しました。企業価値の源泉である保有契約高も、過去最高を更新することができました。しかしまだグループ全体として、あるいは個社として、やるべきことはいっぱいある。
家庭市場を得意とする「太陽生命」、中小企業に強い「大同生命」、金融機関窓販チャネルに特化した「T&Dフィナンシャル生命」、そしてグループ戦略の舵をとる「T&Dホールディングス」。グループとして何をやるべきか、いまやっと各社に浸透してきた段階。本当の手応えは、これからですね。
福島グループと各社の関係でいえば、T&D保険グループは生保3社の経営統合という形態をとっています。合併しなかったのは、やはり正解でしたか?
宮戸各社の得意とするマーケットが違う、扱う商品も異なる、必然として企業文化も違ってきます。1999年1月の包括提携時から、直感的に「合併はないな」との思いが皆にありました。
福島さんもご存じかと思いますが、他の金融機関の例で分かるように、合併には膨大なエネルギーが必要です。時間的ロスも大きい。しかし持ち株会社なら各社の独自性を残しつつ、事務やシステムの共通化や関連会社の統合を図ることで合併効果を得ることができる。やはりいま振り返ると、この選択でよかったと思いますね。
竹内私は大同出身なのですが、その当時、グループ他社と営業現場で競合することがまったくなかった。それだけ各社の営業スタイルが違う。また顧客が中小企業の経営者の場合と、家庭の主婦層では相談内容も違ってきますよね。それなら合併で個社の強みを薄めるより、専門特化したほうが、スピーディーだし効率がいいと思った。
宮戸つまり社員全員が働きがいをもてる仕組みは何か? この答えが、持ち株会社による経営統合だったということです。

福島 とはいえ、持ち株会社と中核生保3社の役割分担や権限など、たいへん難しい問題もあるのではと推察しますが。 
宮戸
保険会社はマーケティング戦略部門、運用セクター、長期的視野に立った経営企画部門、と大きく3つに分かれます。この三機能のうち、グループ全体の収益基盤となる営業戦略については、各社独自のビジネスモデルがあるわけですから、それぞれ責任をもって進めていただく。ホールディングスは細かいことはいわない。もちろん目標達成については厳しく評価しますがね(笑)。運用についてはグループ傘下の資産運用会社が担当。あと長期ビジョンや、上場会社としてのステークホルダーに対する責任、例えば株主還元策や、グループとしての資本政策などもホールディングスの仕事となります。



竹内 生保各社は営業に責任をもち、その他についてはホールディングスが全体責任をもってやる。一応の役割分担は決まっているのです。私は今春までホールディングスの専務として、経営企画を担当していたのですが、各社ごとに利害がありますから、議論をしてもまとまらないケースも多い。そんなときはホールディングスが乗り出して最終調整するわけです。 
宮戸 その面では、彼(竹内社長)が1番苦労した。問題があれば、企画にみんなもっていきますからね。個社はどうしても自社にとってのベストを考える。だがちょっと待てよ、と。グループの全体最適と個社最適が密接に絡み合ってはじめて組織は成長する。だから皆さんも「収益を上げるためにグループはどうすべきか」「それに対し個社は何ができるか」、セットで考えてほしいと強調した。 
福島 グループ内の融和というテーマも一方ではあるし、これは難問ですね。 
竹内 発足後半年たったあたりからですかね、ようやく議論が集約されはじめたのは。これは個社の課題、こっちはグループの問題と。境界領域にかかわることは最終的にホールディングスで決めてほしい、という形です。 
宮戸 もっとも調整機能ばかりに比重を置くとダメ。ボトムアップアプローチばかりでは、動きに加速がつきません。やはりトップダウンアプローチが不可欠なんですね。持ち株会社としては、この「さじ加減」がきわめて重要。全体最適化を目指して決定権をもつのはホールディングス、と明確に宣言し、中核3社とのトップミーティングでも、最終責任はホールディンクスがとる、といったスタイルでの決定案件が増えています。 
福島ところで先頃グループ内再編を発表されました。T&Dフィナンシャル生命(TDF)を「金融機関窓販の専門会社」として再スタートさせる内容です。この1点に懸けるということですね。










竹内TDFは、金融機関に保険商品を卸す専門会社として位置づけ、経営資源を集中させます。これまでTDFには、2つの販売チャネル(営業職員チャネルと金融機関窓販チャネル)があり、それぞれ異なった商品を展開。それに対応するシステムも管理組織も2つ必要でした。だがもうこれではもたない。全国の支社を閉鎖し、営業職員は太陽と大同に転籍。窓販業務に特化させることで、経営効率化と競争力アップを図る。他社と同じことをしていては成長は望めません。
宮戸今回の再編は急な改革案ではなく、最初から予定されていた路線で、東京生命を買収しTDFにしたころから、将来的には窓販専門会社にしたい、との思いがあった。規制緩和などの環境変化をにらみつつ、商品や組織を整備。そしてタイミングを見て一気に決断したわけです。
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福島
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これもやはり経営統合効果の1つですか?
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竹内
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そう、TDF1社ではとてもできない。ホールディングスがあるから、選択と集中が可能だった。TDFのビジネスユニットを1つなくすわけです。グループ内に太陽と大同という、営業職員の移管先がなければ、あり得る選択ではない。グループの全体価値を損なうことなく、成長分野へ特化できる。T&D保険グループならではと思いますよ。
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宮戸
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生保には2つの大きな財産があります。営業職員と保有契約です。この貴重な財産をグループ外に流出させることなく、専門会社として根本からリニューアルしていく。竹内がいったように、T&D保険グループだからとれる戦略です。お客さまには今までと変わらず、きめ細かく対応します。ご契約のメンテナンスや保全サービスはコールセンターで一括して集中管理します。
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竹内
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さらにグループのメリットとして、大同がもつ代理店(税理士チャネル)支援のノウハウがあります。それをそのまま金融機関向けに有効活用もできる。私も大同生命出身ですから、そのDNAはしっかり受け継いでいます。
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福島
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生活者にとって1番身近なのはやはり銀行です。規制緩和により銀行窓口で保険商品が買えるようになり、利便性は高まりました。しかし並んでいる商品が似たり寄ったりでは興味もわかない。そこでどう他社と差別化していくのか、その点はいかがお考えですか?
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竹内
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専門会社化により、金融機関窓販一本に集中し、開発と供給に特化できる。これは大きなメリットです。リーズナブルな商品を開発し、金融機関のサポートも充実させています。この第14半期(4月〜6月)の業績は、変額年金契約高が前年比2.4倍、さらに全体の保有契約高は1.5倍と大きく成長しています。今回の体制強化で、さらに伸びるのは間違いありません。
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福島
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とくに年金原資保証型の変額年金商品が好評のようですが、これはどんな商品なのですか?
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竹内
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変額個人年金保険「スマイル」ですね。この商品は、運用利益が出た場合は年金に上乗せする一方で、死亡時はもちろんのこと、運用がうまくいかなかった場合でも、保険料分は年金原資として保証されます。銀行のお客さまは、安定・安心を求める方が多い。当社の商品には、多少リスクはあるがリターンが期待できる年金商品もありますが、7割ぐらいの方は安定性の高い商品を選択されているようですね。
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福島
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原資保証の安心感があって、プラスアルファとして、運用の妙味も味わえる。確かに魅力的な商品ですね。
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竹内
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先駆的なヘッジ手法を活用した商品で、構想としてはだいぶ前からあり、社内で研究を進めていました。販売開始が予定より半年ほど遅れましたが、狙いどおり、順調に資産額を増やしています。
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福島
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どんな年齢層のお客さまが購入されているのですか?
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竹内
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60歳前後の方が多いようです。老後に備え退職金運用を検討している方ですね。シンプルで分かりやすい商品設計が、ニーズに合致したのでしょう。これから団塊の世代の方々が大量に定年を迎えます。その膨大な退職金はまず銀行に入るわけで、金融機関との協力は、機能補完の面からも要望が高い。そのためにも銀行などと連携を深め、手続き中のものを含めて33社の販売提携先を、今年度中に40社まで増やす計画。さらに60社を当面の目標ととらえています。
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福島
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TDFは大きな転換期にあります。宮戸社長が竹内氏をTDF社長に起用されたのは、どういう理由からですか?
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宮戸
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彼とは大同生命のときからの長い付き合い。実際に机を並べて働いた経験はありませんが、彼が企画、融資、営業企画担当と、幅広い経歴を積んでいくなかで、役職者同士として一緒に仕事をしたことは何度もあります。そのとき得たのが、全方位外交ができる人だな、という確信です。
組織を動かすには、社内外全体を見渡す目が必要です。どこをつつけば、仕事が円滑に成り立つか。鋭い目線と経験を、彼はもっている。私がホールディングスの社長就任後、彼を経営企画担当の専務に引き抜いたのも、同じ理由です。社長補佐みたいなことをやってもらって、私は随分、楽ができた(笑)。さらにフットワークが抜群にいい。これは特筆すべき能力ですよ。 |
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竹内
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確かに外に出るのは、まったく苦になりませんね。現場に出ていろいろな人に会う。業界が違えば、考えることも違う。「ほ〜、そうなんだ」と感心することもしばしば。他分野の人の話を聞くのは本当に面白いですね。
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宮戸
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社長というのは、内と外の使い分けが大切なんですよ。社内では担当役員に任せるべきことは任す。しかしここ1番、何かあったら真っ先に乗り出していく。今回の再編では、臆せず外に打って出る行動力、そしてあきらめないねばり腰が必要。だからこそ彼を最適な人材と判断しました。
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福島
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竹内社長のほうは、社長就任の打診があったときはいかがでしたか?
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竹内
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TDFの飛躍のためには、変革は不可欠だと思っていましたから、話があったときは「やってやろう!」という気持ちでした。事業スキームの達成のために、営業現場に出て、率先して代理店開拓もやる。また社内コミュニケーションにも時間をかけ、全社員一丸となって挑戦しています。
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福島
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では最後に、グループ強化へ向けた今後の戦略についてご説明いただけますか。
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宮戸
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まず基本は特色あるビジネスモデルをさらに強力なものにしていくこと。T&D保険グループの収益の源泉は、中核生保3社です。大同生命は中小企業に特化し法人会や税理士チャネルという強力な基盤がある。これをさらに伸ばして高収益体制を盤石なものにします。太陽生命は家庭市場に軸足を置き、都心・中核都市での効率営業が特色。同分野での潜在成長力はいまだ高く、「保険組曲」などの保障型商品の浸透により、成長エンジンとして大いに期待できます。さらにTDFについては、窓販に特化した戦略会社としての可能性に満ちている。将来的には、窓販にとどまらず金融機関を丸ごと相手にできる保険会社に育てていきたいですね。
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福島
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例えば海外など新たな領域に乗り出すことは?
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宮戸
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しかし新分野開拓については検討を進めています。グループ内の保険会社を商品、チャネル、マーケットなどの構成要素別にマトリックスをつくるんです。そうすると現状と可能性がクッキリと見えてくる。いまやっていない分野で、将来伸びそうなのはどこか。自前でやるのか、M&Aなのか。グループ全体の厚みを増すために、どう発展させていくのか。これは大きな目標であり、ステークホルダーからみれば「成長期待」。いわば私たちの「夢」。 この新たな夢をつかむには、チャンスと運、それに実力が揃っていなければなりません。私たちにはいつでも打って出る体制と心構えがあります。つねに状況をウオッチし、ビジネスチャンスがあれば一気呵成に行きますよ。 |
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福島
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商品やアフターサービスなどをトータルして企業のブランド力がある。とくに保険の場合「あの会社だったら大丈夫」といった信頼感が重要。TDFは新しい会社。信頼感を築くことが大切ですね。
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竹内
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おっしゃるとおり、大きな課題です。もっともT&D保険グループの場合、各種経営指標はきわめて良好。TDFについても業績は急伸中で、成長のポテンシャルは非常に高い。今年末には銀行窓販で扱える保険商品が増えます。さらに07年末には保険商品の全面解禁が打ち出されます。それへ向けて日常業務を積み重ね、信頼関係を醸成していく考えです。まずは年金ビジネスを成功させ、早期に変額個人年金保険で保有契約高1兆円の達成を目指す。当面はこの目標に向かって、突っ走りますよ。
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福島
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魅力ある保険商品とサービスの提供を期待しています。
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| (株)T&Dホールディングス 03-3231-8685 http://www.td-holdings.co.jp |
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