人に教えたくない店 [328]
料理はもちろん、テクスチャーの細部にまでご主人の感性が
反映されている、ある種の完成された世界観にとても惹かれます
深澤里奈さん
初めて伺った瞬間、土壁に麻暖簾、趣味のいい器など、素朴さと洗練が融合しているテクスチャーにまず参ってしまいました。そして料理。こちらは一般的な沖縄料理とは一線を画す沖縄懐石。地元でも珍しいユニークな郷土食材に出合えたり、刺し身とフルーツを組み合わせるなど、一皿一皿に驚きや発見があります。
しかし、それ以上にぴったりはまったのは、女将さんです。きめ細やかにお気遣いくださるのに、決して出すぎず、女性として憧れます。私は茶道のお稽古を15年続けていますので、着物姿は見慣れているのですが、女将さんの見立てのいい着物姿には惚れ惚れしてしまいます。
ただ、残念なのは仕事での利用が多くカウンター席で食事をしたことがないこと。料理や食材のことをちょこちょこお尋ねできるカウンターが大好き。だから、友人との食事はカウンターのお店が多いですね。
「カメレオン」は、イタリア料理にしては珍しいカウンター主体のお店。斬新な料理を小皿仕立てで味わえ、シェフと会話したり、充実した時間を過ごせます。赤坂潭亭もそうですが、ここもメニューは月替わりのコースのみ。自分では選ばない料理に出合えたり、そのとき一番のお勧め料理をはずさずに済みます。私にとってはこれも魅力です。
食欲は本能の一つですが、食文化というように、食事は生きるためだけのものではありません。料理人が感動を与えてくれるために気を入れてつくってくださる料理ですから、体調万全でおいしく味わい、心から楽しみたいと思ってます。
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● 沖縄懐石
赤坂潭亭 あかさかたんてい
茶道のお稽古をしていることもあって、とても気になるのが器。
食材や味だけでなく、盛りつけや器選びに至るすべてが魅力的です
●女将の高木凛さんが食医学の古典などを通して丁寧に学んだ、現地でも忘れ去られつつある沖縄料理を懐石仕立てで味わえる。大嶺實清氏の陶、稲嶺盛吉氏の硝子など、沖縄の名作が並ぶ。夜のコースは1万500~1万5750円。
●東京都港区赤坂6-16-11 浜ビル
TEL.03-3584-6646
営業時間/12:00~15:00、18:00~23:00 無休 カード可 ※要予約。
カウンター6席以外は、すべて個室。2~14名まで9室あり、夜のみ室料4200円~。
月替わりのコース料理はすべて「食はクスイムン(薬物)」という考え方で貫かれている。写真は1万500円のコースより抜粋。
- 1. 看板料理の一つ、山原寿豚のラフテー。写真は白味噌ベースの味噌仕立てになっているが、調理方法や味つけは毎月変わる。手前の野菜は、現在の沖縄ではあまり食べられていないうりずんとあだん。
- 2. 海ぶどうを添えたナーベラー。ナーベラーとはヘチマのこと。溶けるような食感と海ぶどうの粒感が楽しい。
- 3. 赤マチとドラゴンフルーツの刺し身。上にのっているのは青パパイヤ。南の魚はフルーツの甘さと好相性だ。
- 4. 日々空輸されている沖縄野菜。美しく力強い姿に圧倒される。
●イタリア料理
カメレオン
今日はどんな料理が
味わえるのだろう……。
サプライズがあるから
何度訪ねても、
ワクワクさせられます
●2001年オープン。料理スタイルやインテリアは、萩原雅彦シェフの自身へのアンチテーゼから生まれた。懐石仕立てのコースは常に新メニュー。料理11品にカフェとドルチェで9450円。
●東京都港区東麻布1-17-9 アネックス東麻布B1
TEL.03-5545-3680
営業時間/18:00~24:00(LO) 不定休 カード可 ※要予約。カウンター12席、テーブル席と個室あり
- 1. 南イタリアの手づくりショートパスタ、カバテルッチ。さらさらの透明なソースをグリッシーニ粉、ペコリーノがつなぎとめている。中にはうずらのポーチドエッグが隠れていて、横須賀・佐島のしらすにコクを添えている。器は水をテーマにしたオリジナル。
- 2. 炙り寿司に見立てた一品は、子持ち鮎の燻製と米粒状のパスタ、リゾーニ。ホワイトバルサミコが適度な酸味と甘み、みょうがの風味がアクセントになっている。
- 3. 丹波の枝豆と日本かぼちゃのスープ。ぽってりとなめらかなスープの温かさとウニのクリーミーな冷たさという微妙な温度差がなんとも味わい深い。
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