人に教えたくない店 [327]
悲しいかな、旨いものほどコレステロールなどが多いもの。
無理が利かない50代。健康のことを少しは考えるようになりました
北尾吉孝さん
今日は何を食べようかと、あれこれ考えることがあまり好きではありません。座ったら好みの料理が出てくるのが理想。ですから、気に入った店には何度か通う中で自分の好みをきちんと伝えています。料理人との意思疎通を重ねていくことはお互いにとって大事なことなのですが、どうも日本人はあまりできていません。
「寿々」の藤居陽一郎さんは修業していた銀座「久兵衛」時代から覚えがよく、応援している寿司職人の一人です。たぶん、名店の親方の仕事を超えるのはなかなかしんどいことだと思いますが、自分の色を少しずつ織り込みながら頑張っていくと思います。個人的には寿司の評価はまぐろに尽きると思っていますが、食べてみればわかります。
料理の味というものは人品骨柄が表れるもの。どんなに修業を積んでも真似できるものではありません。
それを再認識させられたのが「全家福」の蓋文魯(ガイブンロ)さんで、オーナーがいらっしゃる店から独立されたのですが、彼のつくる味がすばらしく、行きつけを変えてしまいました。
実は一番好きな料理は中国料理なんです。神戸生まれで、子供の頃から週一回は専門店に食べに出かけていました。中国料理の舌は洗練されていると自負しています。
そのためか一時の流行になるような“ヌーベル系”は好きではありません。料理は食文化。例えば中国料理は悠久の時をかけてたどり着いた味です。それを一日片時の発想で変えてすぐに完成できるとは、思えませんから。料理はオーソドックスな味やスタイルが一番です。
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●寿司
寿し処 寿々 すず
寿司屋の基本は清潔。
動きのすべてが見える
潔さも味わいのうち
●今年9月2日にオープン。ご主人の藤居さんは33歳。修業先「久兵衛」は北大路魯山人に愛され、多くの文化人に支持される名店。予算の目安は一人1万5000〜2万円。「質は一切変えない」と頑張るランチは8貫1巻きで3500円。
●東京都港区赤坂2-9-4
TEL.03-3586-1010
営業時間/12:00〜14:00、17:00〜22:00 日曜・祝日定休 カード可 ※席数12席、予約が確実

- おまかせ握り7000円〜(写真は8000円の一例)。青森・大間の本まぐろ、青森の平目、閖上の赤貝、江戸前の小鰭や穴子など、近海の天然物ばかりが並ぶ。芝海老のすり身を混ぜ、炭火で焼き上げる玉子は、ほのかな甘みが後を引く。
- 蒸しあわび2500円〜。昆布だしの風味が重なり、上品な磯の香が広がる秀麗な味わい。一緒に炊いた昆布も味わうのは北尾さんのスタイル。
- かまとろステーキ3000円〜。本まぐろの力強い旨味に、自家製のにんにく醤油がさっぱりとしたコクを添える。

●中国料理
全家福 ゼンカフク
これからの季節の楽しみは
好物の上海蟹。
上海出身の料理人だけに
その料理の多彩さと
味の確かさは見事です
●昨年8月にオープン。オーナーシェフの蓋さんは中国大使館の料理人として来日。上海スタイルの料理を提供する。とりわけ手間ひまを惜しまない乾物の扱いは秀逸。黒酢の酢豚など、日本人の予想を快く裏切る料理も多く、楽しい。
●東京都千代田区飯田橋2-1-6
TEL.03-3556-1288
営業時間/11:30〜15:00(LO)、17:00〜22:00(LO)、日曜は夜のみ17:00〜21:00(LO)、祝日は12:00〜21:00(LO) 無休 ※予約が確実、個室は1室10名まで。夜はサービス料10%がかかる。
- 上海蟹の姿蒸し(L1匹)3000円〜。10月はメスが、11月以降はオスが旨い。嬉しいことに、この店では身をほぐしてくれる。上海蟹料理も味わえる秋味上海蟹コースは6000〜2万円。
- とろんとろんのふかひれ姿煮6800円。特製スープで蒸しながら4日をかける逸品。
- 乞食鶏1万円。下味をつけた若鶏に干し貝柱、豚肉、蓮の実、キクラゲなどを詰め込み、蓮の葉で包んでから泥で固めて焼くこと6時間。テーブルに届く姿はまるで恐竜の卵だ。泥を割れば蓮が香り、ぎゅっと閉じこめられた旨味は複雑にして絶品。3日前までに要予約。
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