人に教えたくない店 [312]
四六時中、頭の中を巡っているのは曲づくり。プライベートで
楽しむ食の時間は、精神的にリラックスできる店に落ち着きます
久石 譲さん
日々の食事は、ほとんどがスタジオで食べる弁当や店屋物。たまの外食は、たいていが仕事の延長。唯一選択権が得られる休日の夕食は、日曜日のために定休日の店が多い。「食」に関して、ある意味あきらめていました。
ところが、一筋の光を見出せたのが「翁寿司」との出合いです。仕事の移動時に見かけていたのですが、どこか気になる佇まい。思い立って妻と出かけたところ、シャリとネタの温度感というのでしょうか、味のバランスがとてもいい。CF音楽では最初の七秒ほどで心を掴むか否かが決まるのですが、握りを数かん食べただけで、もっと早く伺うべきだったと後悔させられました。
カウンターに座ったら、まず光ものなどの握りを五、六かんつまみます。これは試行錯誤の末にたどり着いたスタイルで、味のわかるうちにきちんと食べておかないと、寿司に失礼じゃないかと。その後、熱燗で刺身などをいただき、最後にまた握りを、今度はガーッと食べる(笑)。
最近とくに思うのは、今、この時、出てくる味を楽しみたいということ。「アンティヴィーノ」の店主、古川孝蔵さんとは独立前からの長い付き合いですが、今月のお勧めがなかなかいい。もちろん、グランドメニューもおいしいのですが、旬の食材を使った、今だけの味にとても惹かれます。いい味を楽しんだ記憶は、いつしか人間の幅を広げてくれるものです。味に鈍感だと耳も鈍りますから、常に味を楽しみ、味に敏感でありたいと願っています。
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●寿司
翁寿司
飾りのない実直な味から
伝わる、大将の心の粋
●1963年より寿司一筋の職人、長田松男さんがつけ台に立ち、千恵子夫人が接客を担当。息の合ったやりとりが、寿司の味わいを彩る。多くの著名人の"教えたくない店"となっている。予算の目安は7000円〜。ランチメニューはない。
●東京都世田谷区駒沢5-16-8
TEL.03-3702-6025
営業時間/11:00〜14:00、16:00〜22:30頃 木曜定休 カード不可 ※予約をしたほうがよい。
- 特上寿司と太巻きの盛り込み、3150円〜。まぐろ、いか、きゅうりの裏巻きは翁寿司の看板巻きもの。
- 江戸前穴子の塩焼き、だし巻きタイプの玉子焼き、子持ち昆布の盛り合わせ。写真は2100円。柚子の香りで色っぽい味わいの穴子の塩焼きは肴に人気の一品。
- まぐろ、いか、海老、ほたて、たらこ、子持ち昆布、山ごぼうなど7〜8ネタを巻く翁巻き2500円〜。お土産にも人気。
●トラットリア
ANTIVINOアンティヴィーノ
空間に流れる心地よさと
おいしい料理に酔いしれる
●素敵なレストランよりも偉大な食堂を目指す、というコンセプトの下、豊富な前菜とワインを深夜まで楽しめる。オープンテラス席あり。
●東京都渋谷区東1-14-13 サンフローラハイツ1F
TEL.03-5466-1030
営業時間/18:00〜翌2:00(LO)、祝日は〜22:00(LO) 日曜定休 カード可 ※予約がお勧め

- 白身魚のパルメザンチーズ焼き 赤ワインソース2310円。写真は、常磐の釣りのすずき。
- アンティパストの3種類盛り合わせ1470円(2名より)。手前から、北海だこのカルパッチョ、たらの白子のフリット、アスパラガスのオーブン焼き半熟玉子添え。
- パスタ2種類の盛り合わせ1890円(2名より)。手前から、昔懐かしいバジリコ(大葉)スパゲッティ・ペスカトーレ、自家製フェットチーネ オマール海老のトマトソース。盛り合わせはお勧めやグランドメニューから選ぶシステム。
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