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志太勤・グループ代表「激辛」プロ野球批判!
シダックス「話があればパ・リーグに参加する」
俺も言いたい!財界人と1リーグ論争
近鉄・オリックスの合併問題に端を発したプロ野球のリーグ再編騒動。経営者の目にはどう映るのだろうか。
「先日、巨人の三山(秀昭)球団代表にお会いしたらプロ野球実行委員会の感想を漏らしておられた。6〜7時間も要したのに、外部の人が見たらビックリするようなみっともない会議だったそうですよ」
社会人野球の雄、シダックスを率いる志太勤グループ代表はこう語る。
「朝のNHKのニュースを見ると、スポーツの最初の話題はヤンキース松井でありイチロー。もう野球の話題の中心は世界へ移っている。日本の中で1リーグだ、2リーグだと言っている時代じゃない。我々はアマチュア野球の立場ですが、再編問題をプロの世界だけで考えるべきではない。世界の中で日本の野球をどうするのか、日本の野球を一つにして議論するのが基本じゃないでしょうか」
不況による経営難、チーム削減に先に直面したのはアマチュア野球。最盛期には300を超えていた社会人野球チームが今や80にも満たないという。
「今年も減りますよ。社会人チームといっても年間で4億〜5億円かかる。たまたまウチは野村克也監督に来てもらって、マスコミに取り上げてもらっているので費用対効果が出てます。また、私が野球狂だと思われているから株主から文句は出ていません。でも野球の好きな株主ばかりじゃありませんからね。普通は持ちこたえられませんよ」
見えざる壁に隔てられたまま、プロ、アマ双方がチーム経営に苦しんでいる日本球界。その壁を取り払って一本化することが球界全体の活性化につながると志太代表は指摘する。
「セ・リーグ各球団には巨人戦の放映料だけで25億円近く入る。パ・リーグはそれがゼロなんですから。企業努力も何も最初から25億円も違っていたら、話にならない。やはり1リーグが自然だと思います。その代わり二部リーグ、三部リーグをつくる。二部リーグはプロの二軍とアマのリーグ戦、三部はその他のクラブチームのリーグ戦方式にする。一部と二部、二部と三部の入れ替え戦をやればエキサイトしますよ。アマが育てた選手はこれまでのようにプロに買ってもらって、逆にプロの一軍で使わない選手はアマにトレードしたり、サッカーの金銭レンタル制度のように預託できるようにすればいい。金銭面でもずいぶん改善されると思う」
年間40億円の
赤字球団は買えない
「プロ野球は国民大衆の文化だから大事にしなければいけないという考え方は理解できます。しかし、現在の経済社会の中で年間40億円もの赤字を出して存続し続けるというのはおかしい。事業家から見れば物笑いですよ。今の球界には事業家的な発想が必要だと思います」
事業家の目で見れば、年間40億円の赤字を出している球団など買収に値しない。費用対効果を考えれば、少なくとも10倍、400億円の広告費を使っている企業しか買えないという。
「我々のチームの場合、選手は絶対に一般従業員以上には上げない。野村監督はもともとボランティアでやると言ってくださいましたが、現在は平取程度の給料でお願いしています。だから年間5億円程度で収まっている。経営的に成り立つ給料はどのくらいか、良識が働けば自然とそうなる。球界が一つになればそういう良識も、いろいろな考え方や知恵も出てくるはずです」
球界は志太私案を大いに参考にしてほしいものだが、選手会やファンの動向も含めてリーグ再編問題は長引きそうだ。そこで将来のプロアマ一本化を睨んだ暫定策を本誌が提案! 近鉄・オリックス合併のみでパ・リーグが5球団になった場合、加盟金なしの1年限定でシダックスがリーグ参加してはどうか? 当然、今秋ドラフトの目玉、シダックスの豪腕、野間口貴彦投手のプロ入りは凍結。合併チームの余剰選手を受け入れ、他の社会人チームからレンタルすれば十分戦えそうだ。
「そりゃ思ってもみなかった。面白いアイデアですね。ウチは巨人の二軍と試合をしても勝ってますからね」
と志太代表もまんざらではない様子。瓢箪から駒ということも……。
大和ハウス工業会長、クボタ社長、ケンウッド社長、
JR東海会長、ファーストリテイリング会長……
今回の球界再編問題に対して財界各方面からさまざまな意見が聞かれた。
「再編は当然。今は金融、自動車、鉄鋼あらゆる業界で再編が急ピッチで進んでいる。過去の常識が非常識になる時代。プロ野球も経営なんだから、再編問題が起きるのは不思議でも何でもない」と語るのは大和ハウス工業の樋口武男会長。生き残りをかけた再編劇を身近に経験している経営トップには共通した意見なのかもしれない。
大の近鉄ファンで知られるクボタの幡掛大輔社長も、近鉄・オリックスの合併はやむなしと見る。
「ファンとしたらいつまでも今のままでいてほしい。それも柄の悪いままでいてほしい。しかし、経営体として考えたら、年間40億円も赤字を垂れ流し続けてそのままにしていたら、株主に叱られる。10年経ったら、あのときの経営判断は正しかったと近鉄の首脳陣も思い返すようになる気がします。厳しい言い方をすれば、野球がなくなっても世の中は困らないけど、赤字ばかり垂れ流している会社が増えてたらよほど困りますよ。ちなみにわが家は近鉄の結構な株主だから、今度1円か2円復配してほっとしてます(笑)」
球界再編のプロセスや方向性に関しては、意見が分かれる。
「再編論議の中で欠けているのは見る側、つまりお客さんにとっての魅力度の問題。それがセ・パ両方ともきちんとできていなくて、互いに自分たちの都合ばかりで議論しているから、きりがないという感じがする」というのはケンウッドの河原春郎社長。
「経営的に見れば2リーグは多すぎる。野茂やイチローや松井、日本のスター選手がアメリカで活躍している。残された日本球界はどうするのか。日本のプロ野球の魅力、技術の水準が早く世界レベルに追いつくように努力すべきです。2リーグのままではレベルの低い選手も入ってきてしまう気がする」
JR東海の葛西敬之会長も1リーグ制が自然の流れと見ながら、それが球界の発展につながるかどうかは懐疑的。
「プロ野球の観客動員数が下降線を辿っている中で、2リーグ制を維持するのは球団経営の観点からすれば厳しい。1リーグにして少ないパイを分け合おうというのは一つの自然な流れだと思う。今の球団サイドと選手会の対立は、ちょうど我々が国労とやったときの状況と似ている気がしますね。ただし、単に1リーグにしただけでは縮小再生産の無限軌道に入って、チーム数をさらに減らす事態になりかねない」
「今回の騒動は大変な
イメージダウン」
トリンプ・インターナショナル・ジャパンの吉越浩一郎社長も葛西会長と同じ危惧を抱く。ただし、こちらは2リーグ支持派。
「1リーグにすれば日本球界がダメになっていくのは火を見るより明らか。どんどん縮小均衡していく以外にない。それが感覚的にわかっているから選手もファンも2リーグ制を支持しているんですよ。2リーグどころか、3リーグぐらいのことを考えたほうがいい。だいたい、球団収支も発表しないなんて硬直したオールドエコノミーそのもの。構造改革するなら、まずフランチャイズ制の徹底から始めないと」
今や2リーグ制維持派の筆頭は阪神。猛虎ファンのトッパン・フォームズ福田泰弘会長は無条件に2リーグ支持。
「阪神タイガースと同じ答えです(と言ってスーツの裏地を見せると、右も左も大きなトラの刺繍)」
再編騒動が長引けば球界のイメージはますます損われる。ファーストリテイリングの柳井正会長はリーダーシップの不在を嘆く。
「プロ野球ではコミッショナーに一番権限があることになっているのに、なぜオーナーたちの勝手な発言ばかりが脚光を浴びるのか、私にはまったく理解できない。コミッショナーはこうしたことになった場合、きちんと組織を調整しなくてはならないのではないか。今回の騒動はプロ野球にとって大変なイメージダウンですよ」
現コミッショナーの根来泰周氏には東京高検検事長、公取委委員長の経歴をぜひ活かしてもらいたいものだ。
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