人に教えたくない店 [294]

月2〜3回の休日は、普段着でほぼスッピンという
完全リラックスモードで過ごせる店で癒されています

千住真理子さん

 
 
千住真理子 = 談
Mariko Senju
せんじゅ・まりこ●
東京都生まれ。2歳半よりバイオリンを学び、小学5年生のとき全日本学生音楽コンクールで優勝。75年、12歳でN響と共演しプロデビューする。15歳で日本音楽コンクールで最年少優勝、81年にはパガニーニ国際コンクールに入賞するなど受賞歴は多数。以降、国内外でソリストとして活躍。現在、アルバム『カンタービレ<歌うように>』と最新作『愛の夢』が好評発売中。また『聞いて、ヴァイオリンの詩』などの著書もある。長兄・博氏は日本画家、次兄・明氏は作曲家。国際的に活躍する芸術家三兄妹としても知られる。
石井雄司 = 撮影斉藤由利子 = 構成
 
 

 休日は外に出ません。外というのは家の外ではなくて、ここ青葉区が私にとっての“内”なんです。まれに都心に出かけると、どうしても気分は仕事モード。リラックスできません。

 越してきた当時、この辺りはひたすら不便で(笑)、空気がきれいなところでした。中学生の頃、近所に住む大親友と「バイバイ」するのが辛くて見つけたのが「グリーンハウス」です。まだ一軒家の店でしたが、当時から手作りピザもあったんですよ。その後、いろいろな所でイタリア料理を食べる機会を得るのですが、どうも落ち着きません。ボリュームが少なかったり、味のメリハリが物足りなかったり……。こう見えて実は大食家なんです(笑)。

 街は今も変貌を遂げていますが、変わっていないところもたくさんあります。そんな景色の中にあるのが「エクランナクレ」。見落としそうな可愛い店ですが、とにかくおいしい。シンプルで甘すぎず、しっかりとしたプライドを持って作っていることが味わいから伝わってきます。演奏旅行の帰途、空港からまず向かうのはこの店。漂ってくる香りに包まれるだけで、幸せな気分になれます。それがうれしくて、涙さえ出てしまうことも(笑)。

イタリア料理  グリーンハウス
逸品食材を厳選し、しっかりした
味つけ。食べたい料理がいつも
ある安心感もまた、私の休日に
うれしい条件です

●ピザに惚れ込んだオーナーが1978年にオープンしたイタリア料理店。ビルの最上階にある店は、リゾートがテーマ。時を忘れさせてくれる空間で、地元に密着した親密な時間を過ごせる。本格的な味とリーズナブルが共存する一軒。
●神奈川県横浜市青葉区青葉台1-6-16 GHビル8F
TEL.045-982-8282
営業時間/11:00〜15:00、17:30〜22:15(LO)、土曜と日祝は11:00〜22:15(LO) 第3月曜定休 カード可 ※金・土曜と日祝の夕食時は予約を
(写真左上):人気の前菜、おすすめの小皿料理6品1800円。岩手産馬肉のカルパッチョ、北海ダコと高原トマトのマリネなど、全国各地の旬の食材を堪能できる。
(写真中央上):静岡で放牧される富士豚の肩ロース炭火焼2400円。
(写真右):千住さんの大好物、渡りガニのスパゲッティM1450円、L2500円。カニの濃厚さと、トマトソースとクリームソースが絶妙。

パティスリーエクランナクレ
ヨーロッパの菓子はおいしいのですが、
甘さが攻撃的で受け止めきれません。
ここの菓子の甘さには癒しがあります

●呪文のような店名は「貝殻の宝石箱」を意味する創作菓子の店。オープンは19年前。常時40種近くが並ぶ生菓子のほか、所在地のもえぎ野にちなんだ焼き菓子、手作りチョコレートなど、パリのパティスリーさながらの品揃え。
●神奈川県横浜市青葉区もえぎ野1-18
TEL.045-973-9835
営業時間/9:00〜22:00 月曜定休(ただし祝日は営業し翌火曜休み) カード不可(写真上):千住さんのお気に入りは、手前中央のシブスト294円。焼きリンゴとカスタードムース、ソースを詰めたパイは、しゅわしゅわトロ〜リとした口溶けも魅惑的。シブストから時計回りに、ガレットベリー336円、カレーム315円、桃のムース315円、プリムラ368円。
(写真中央):地鶏卵でつくるロールケーキ、きみいろ巻1本840円。粉の分量を最低限に抑えるという熟練の技を要する、しっとりふわふわなスポンジがおいしい。
 
 

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