人に教えたくない店 [292]

今の大阪を教えてくれる姉貴、東京で導いてくれる兄貴。
彼らの店にはおいしい料理とビールに、プラスαがあります

市川右近さん

 
 
市川右近 = 談
Ukon Ichikawa
いちかわ・うこん●
1963年、大阪府生まれ。屋号は澤瀉屋。父は日本舞踊家元の飛鳥峯王。幼い頃から日本舞踊の舞台を踏み、72年、京都南座「天一坊」の忠右衛門で初舞台。75年、市川猿之助の部屋子となり市川右近を名乗る。慶應義塾大学法学部卒業。古典歌舞伎やスーパー歌舞伎で活躍、師匠の当たり役も次々と演じる。また猿之助一門の若手で結成する二十一世紀歌舞伎組のリーダー。きびきびとした演技、爽やかな口跡と踊りの巧さで魅了する。
現在、新橋演舞場「新・三国志III」に出演中。また、6月2日からは中日劇場「西太后」に出演。
椿 孝 = 撮影斉藤由利子 = 構成
 
 

 芝居がはねて公私を切り替えられるのは22時過ぎ。おいしい料理で緊張をほぐしたいし、好きなビールで喉も潤したい。でも、この時間からだと“おいしさ”になかなか出合えません。馴染みの店に無理をお願いすることもありますが、それだと落ち着けない。時間を気にせずに仲間と過ごせる店はとても大切なんです。

「八幡亭」は“美人オーナー”と古い知り合いで、何をいただいてもおいしいのが気に入っています。とくに肉が旨い。大阪ではカツというとビフカツですが、東京は豚カツ。大阪ミナミ出身にとっては、東京の事実は悲しすぎる(笑)。ここでは牛ヒレ肉のカツレツははずせません。

 おいしい料理をいただくということはとても重要で、人の美的感覚をも刺激します。おいしいと感じる瞬間が明日の活力や発想を育むんです。

 師匠(市川猿之助)にもいろいろな店に連れていってもらいました。加えて東京・銀座には兄弟の盃を交わした兄貴がいます。「モンド バー」のオーナーがその人で、いろいろなことを教わっています。店のオーセンティックさに通じる、男が惚れる格好よさをもっています。ただ、バーを訪ねても、いつもビール主体で申し訳ない限りなのですが。

レストラン  八幡亭
深夜でもOKの
ちゃんとおいしい料理は、
昔懐かしいテイストを
守りつつも新しい

●八幡筋にオープンして5年。老若男女に人気の店。フレンチ出身のシェフにより、ひと工夫ある料理を味わえる。前身が鉄板焼きだったため、食材のクオリティの高さも定評がある。
●大阪府大阪市中央区島之内2-11-2
TEL06-6212-2415
営業時間/17:30〜翌2:00(LO)、土曜・日曜・祝日は〜23:30(LO) 水曜定休 カード可 ※事前に空席確認を
(写真右上)右近さんの大好物、トリッパアラビアータのスパゲッティ1400円。実はメニューはペンネ。特注の一品だ。
(写真左上)野菜をたっぷり食べられるところも魅力の、明石活だこのカルパッチョサラダ1500円。
(写真左下)右近さんも必ず頼むという、海老といかのタラモサラタ1600円。辛子明太子ソースで食欲がそそられる。

バー  モンド バー
これぞ銀座! がとても心地よい
威風堂々とした店。
料理もおいしく、空腹でも安心

●今秋20周年を迎えるオーセンティックバー。ちなみに入り口の「会員制」はインテリアの一部。
●東京都中央区銀座8-11-12 正金ビルB1F
TEL03-3574-7004
営業時間/18:00〜翌2:00、土曜は〜24:00 日曜・祝日定休 カード可 ※10席と2卓。事前に空席確認を (写真左上)ウイスキーはシングルモルトが中心。一度は味わってほしいマティーニほか、月替わりのカクテルも楽しい。
(写真右下)夏に向けて、爽やかな辛味がうれしいチョリソーのトルティーヤ巻き1260円。生ビールとの相性も抜群だ。
(写真左下)フレンチの名店で習ったという、ジューシーな自家製ロースハム1050円(100g)。

 
 

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