頼りにしたいの「江戸小紋」

小さな柄に願いを込めて

江戸っ子の心意気

 
 
武家の「定め柄」は「御家」を背負うもの。
一方、その技術を面白おかしく洒し ゃれ落てみたのは
江戸の庶民。身近なものを意匠化して
縁起を担ぎ風刺を効かせ、密かに自己主張した。
「いわれ柄」に見る、江戸っ子の心意気の数々。
 
 
文・湊屋一子
撮影・上原ミワ
 
 

 出自は武家のものだった江戸小紋。その技術をちょいと拝借して、小粋に遊んだのが江戸の庶民だ。一見無地に見える中に、台所道具や喫煙具、動物に文字など、身近なものを組み合わせ、判じ物のようにした「いわれ柄」。ひょいと覗き込めばそこには大いに奥行きのある“洒落”の世界が隠れている。

 フォーマルな江戸小紋はもちろん、こうした「いわれ柄」にも熱心に取り組んでいる松綱染工所の代表取締役・砂川裕孝さんは、江戸小紋の楽しみのひとつとして、もっと多くの人にこの「いわれ柄」を知ってもらいたいと願っている。

「いわれ柄の世界を知ると、目から鱗が落ちますよ。たとえば卸し金と大根の柄。演技の下手な役者を『大根役者』と言うでしょう。(……続きは本誌をご覧ください)

 
 
七緒 Vol.12
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