<第八回>

学校の先生/マンガ家・イラストレーター

 
 

BOYS RANKING:3

学校の先生(Teacher)

子供たちにとって最も身近に働く姿を見られる職業。
現役教師の頑張りが、変わらぬ人気の秘密か

学校の先生といった場合、最もポピュラーなのは小中学校と高校の教師だろう。教員免許を取得するには、大学の教育学部、あ るいは文系・理系の各学部で教職課程の単位を取得することが前提となる。「何の先生になりたいか」で進むべき進路は異なり、たとえば小学校の教師をめざす のであれば教育学部、高校の数学教師をめざすなら理学部の数学科に進むのが普通だ。
 さらに、希望する地域で教師になるためには、各都道府県の教育委員会が実施する選考試験を突破することが必要だ。一次試験は一般教養と専門教養の択一試 験と論文という構成。二次試験では個人面接と、指定された課題について複数の受験者が話し合い、最終的に考えをまとめて発表・質疑応答を行う「集団活動」 が行われる。問題解決に向けた協調性やリーダーシップをチェックするという趣旨だ。
 以上の試験で基準点に達した受験者は、採用候補者名簿に登載される。とはいえ、教師への道は決して簡単ではない。東京都を例にとると、小学校の競争率は 3.1倍、中学・高校は10.6倍に達する。特に中学・高校では科目による競争率の差が大きく、英語教師の4.5倍に対し、地理・歴史の教師は60.6倍 という狭き門だ。

東京都の場合、
中学・高校の
採用試験倍率は
10倍以上。

東京都教育庁人事部の西原幹男選考課長は、「教師に求められるのは、指導力やコミュニケーション能力などを中心とする豊かな人間性」だと語る。児童や生徒を指導するためには、彼らと信頼関係を築くことが不可欠だからだ。
 東京都では(1)教育に対する使命感、(2)豊かな人間性と思いやり、(3)実践的な指導力、の三つを教師に望む資質として挙げている。教師になった後 も研修などの機会は多く、文字通り勉強を続けながら、自分なりの教え方を習得していくことを常に求められる職業でもある。
「決して楽な仕事ではない。しかし、生徒に教えたことが直接返ってくることが、教師という仕事の最大の魅力」と、地方都市の中学校の現役教師は言う。また、安定した職業という点では男女ともに恵まれた職業であることは間違いない。
 平均年収は公立小中学校で700万円、公立高校で750万円程度だ(人事院平成15年年次報告)。
 特に地方では、地元の国立大学の教育学部出身者が有利といわれていたが、現在は必ずしもそうとはいえない。知識と人間性を併せ持つ人物かどうかが、客観 的に評価される仕組みとなっているからだ。これを逆にとらえると、都市圏の大学に進学し、生まれ故郷にUターンを考える場合、学校の教師は一つの魅力的な 選択肢といえる。
 今後、団塊世代の教師の退職ラッシュが始まり、少子化に対応して少人数学級が編成される傾向にある。教師の採用が極端に減ることはなさそうだが、大幅に増えることも考えにくい。
 魅力的な仕事だからこそ、早い時期から総合力を身につける努力が欠かせないといえる。

学校の先生への道

山口邦夫=構成

 

GIRLS RANKING:3

マンガ家・イラストレーター(Mangaka/Illustrator)

今や国際語となったマンガをはじめ、「絵を描く」仕事はあこがれの対象。
だが、プロへのハードルはきわめて高い。

マンガ家の主な仕事の場は、各出版社合わせて数百誌あるマンガ雑誌だ。1誌あたり20本ほどの連載があり、その数だけ連載を持つマンガ家がいる。
 マンガ家になるためには、出版社に自分の原稿を持ち込み、編集者に見てもらいながら腕を磨くか、小学館アカデミーなど専門的な学校のマンガクラスで学ぶのが一般的。いずれの場合も各雑誌が行う新人賞に応募し、入選することが最初の関門となる。
 小学館の場合、多いときには1回で2000本もの応募作品があり、うち入選するのは数本程度。入選者には編集者が担当としてつく。
 以後は先輩マンガ家のアシスタントの仕事やアルバイトで食べつなぎながら、単発の読み切りを雑誌に掲載。そこで読者の反応が良ければ、いよいよ連載開始だ。
「一つの雑誌で連載までたどりつける新人は年間1人ぐらいです」と、小学館アカデミーで「マンガ家養成講座」を立ち上げた大谷亮氏は言う。
 連載を開始しても、読者の反応が悪ければ打ち切りとなる。何年間も連載を持ち続けられるマンガ家は、プロデビューした中でも一握りだ。
 連載を持つマンガ家は忙しい。まとまった休暇をとることは不可能だし、週刊連載を2本持てば休みは1日もない。
 初めて連載を持ち、単行本が出た段階で、収入は一般のサラリーマン並み。連載の仕事に必要なアシスタントの給料もマンガ家持ちだから、経済的余裕はあまりない。

平均年収という
考え方は
ありません。

ただし単行本がヒットすれば印税が入ってくるし、アニメやドラマなどで映像化され、キャラクターが広告などに使われるよう になれば、収入は飛躍的に伸びる。「トップクラスのマンガ家になると、年収数億円といわれます。平均年収という考え方は、この世界にはないですね」(大谷 氏)。
 イラストレーターの場合もやはり出版社に自作のイラストを持ち込み、編集者に認められて仕事をもらうようになるというルートが一般的だが、マンガ家より 職業人口はずっと多い。とはいえ、実力勝負の世界という厳しさはマンガ家と共通。年収のばらつきも大きく、専業で食べていけるのはごく一部だ。
「プロのマンガ家になれる確率はごく少なく、なっても安定した仕事とはとても言えません」と大谷氏。「でも成功すれば、日本ばかりか世界中の人々に知られることになる。これほど夢のある仕事もないでしょう」。

マンガ家・イラストレーター

久保田正志=構成

 
 

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