<第七回>

医師/芸能人

 
 

BOYS RANKING:4

医師(Doctor)

やりがいも大きいが責任も重い。高い学力や本人の人間的資質に加え、
高額の学費を支える親の経済力も問われる。

医師になるには大学の医学部で6年学び、卒業後国家試験に合格することが必要だ。さらに2年間の初期研修時代を含め、およそ10年は実地教育の期間となる。人の命を預かる職業だけに、「修業期間」は30代半ばまでと長期にわたる。
 医師は病気の治療を中心に行う臨床医と、基礎医学を研究する研究医に大別されるが、研究医を志すのは1割足らず。ほとんどは病院に勤める勤務医か、自ら経営する開業医の形で、臨床医を目指すことになる。
 臨床医には内科、外科、小児科などの各種の専門分野がある。医学生は専門課程で学ぶ段階で、好みや先輩の意見などから自分の専門分野を絞り込んでいく。小児科や産婦人科はリスクの高さや仕事の厳しさから、医師不足が指摘されているのが実情だ。
 日本医師会常任理事の田島知行氏は、医師になる人材に求める資質としてまず第一に「人が好きであること」を挙げる。
 患者と相対する医師には、相手を見極める眼力が求められる。患者の目を見ながら、治療方法や目的などをわかりやすく説明する能力も欠かせない。大学の医学部受験、入学後、研修医時代の勉強はもちろん怠れないが、文学や芸術に親しみ、豊かな精神を養うことも重要だ。
 医師を目指す場合、最大の難関となるのは大学の医学部に合格することだろう。田島氏は「大学そのものにこだわるのではなく、むしろ卒業後にどれだけ頑張 れるかが大事だ」と言う。もっとも学費はかなり高額で、将来医師として働くうえで出身大学との連携も必要となるだけに、どの大学で学ぶかはしっかり見極め たほうがよさそうだ。

新規開業には
1億円ほどの
資金が必要となる。

平成17年の医師国家試験は、8495人が受験して合格者は7568人。合格率89.1%と一見「広き門」に見えるが、油断は禁物だ。ちなみに合格者の33.7%を女性が占め、合格率も男性を上回っている。
 医師免許を取得した後も、若いうちは大学病院や民間病院に勤務し、30代後半で開業医となるパターンが一般的。2年間の研修医時代を経て希望する病院の医局に勤務するのが普通だが、大都市圏では必ずしも希望通りにいくとは限らない。
 医学部進学者のうち、およそ3分の1から半分は医師の「二代目」といわれる。こうした立場でない場合、開業時にはおよそ1億円の資金が必要だといわれ る。開業後は診療だけでなく、スタッフの労務管理や資金繰りなど経営者としての責任も負うことになる。自己の技術を常に高めるための努力も怠れない。
 数十年前から医師過剰時代が予測されていたが、それ以上に医学が進歩したことで、むしろ医師不足が叫ばれる状況が続いている。
 やりがいは大きいが責任も重い。それだけに高水準な所得(平均年収2176万円、平成16年厚生労働省調査)も得ることができるが、そのためには地域の人々から信頼される医師であり続けることが条件となるのは言うまでもない。

医師への道

山口邦夫=構成

 

GIRLS RANKING:4

芸能人(Entertainer)

「誰にでも可能性はある」とされるが、実際にスターになるのはほんの一握り。
人気の維持にも非凡な努力が必要。

「スターになれる可能性は誰にもあります。一方で、100%スターになれるという人はどこにもいません」。芸能プロダク ション大手・ホリプロ傘下の才能養成学校、ホリプロインプルーブメント・アカデミー(H・I・A)の山田滋敏校長は、芸能人の特性をそう語る。こうすれば 必ずスターになれるという確たる道も、また存在しない。
 現在、日本タレント名鑑に収録されている「芸能人」は約1万人。だが実は、このうち芸能活動を生業としているのはごく一部にすぎない。山田氏はスターの目安として「年商1億円」を挙げるが、これを達成できるのはごく一握り。年収1万円以下などの話も珍しくない。
 現在芸能界ではプロダクション制が取られており、仕事の依頼も芸能事務所を通して行われる。所属方法には、街頭スカウト、オーディション、劇団やタレント養成所経由などがある。
 なかでも王道は、大手プロダクション主催のオーディションへの合格だ。とはいえ、「ホリプロタレントスカウトキャラバン」を例にとると、数万人の応募者に対しグランプリはわずか一人。最近はアイドルの低年齢化が進み、グランプリは小学生から中学生が中心だという。
 お笑いの世界では、師匠に弟子入りして修業する例が多かったが、最近では養成学校出身者も増えてきた。もっとも、こちらも成功者はごく一握りだ。
 声優では養成学校や劇団に入り、番組ごとのオーディションに合格してデビューする例が多い。演技力に加えタレント的素養が求められるが、若手重視の傾向にあり競争は熾烈。収入面も恵まれているとはいえない。

必ずスターに
なれるような道は
存在しない。

事務所との契約後は、一定の訓練期間を経てデビューとなる。歌やダンスなど表現力を高めるレッスンが中心だ。
 そして、スターが演じる人気ドラマも、大半は普通の人々の普通の世界が舞台。俳優として成功するには、日常生活をしっかりと送ることや、人間観察なども重要になる。
 成功後は事務所を離れ、個人事務所を構える例もあるが、人気を持続するのは大変。自らを客観視する力や、自分の生き方に合った仕事選びが欠かせない。
 多メディア化の進展とともに、求められるスター像も多様化している。国民的スターが出にくい反面、細分化された個々の市場ニーズが増えるなど、チャンスが拡大する傾向もある。
 さらに、芸能活動やレッスンで得られる出会い、表現能力の向上などは、学校生活や会社勤めにも役立つ。H・I・Aでは小・中学生中心のレッスンを行っているが、これも才能養成に加え、子供の可能性を引き出すという意味合いが大きいという。
 逆に、実社会での活動を通じて「タレント性」が向上することもある。「今後は35歳以上を対象に、カリスマ主婦や、社会で揉まれて『いい顔』を身につけた男性を発掘するクラスを予定しています」(山田氏)。
 まずは日々をきちんと生きること。スターへの道は、そこから始まるのかもしれない。

芸能人への道

小野憲史=構成

 
 
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