<第六回>
公務員/理容師・美容師
BOYS RANKING:5
公務員(Public Servant)
安定性ばかりがクローズアップされるが、採用では
「国民や地域住民のために何ができるか」を問う傾向に。
公務員とひと口に言っても、国家公務員や地方公務員、専門職や技術職など、その間口は非常に広い。その中でも最高峰に位置づけられ、「キャリア」とも呼ばれる国家公務員I種試験をメーンに紹介する。
民間企業の採用が増えてきたことを受け、今年からI種試験の受験者数が減少に転じると予測されている。しかし、広き門に変わってきたと考えるのは早計 だ。最も受験者の多い行政職の競争率は140倍に達する。「質的な面での競争の厳しさは基本的に変わらない」と、早稲田セミナー公務員事務局プロデュー サーの藤井力也氏は言う。
合格に必要な勉強時間の目安は、国家I種が2000時間、国家II種が1500時間。第一次、第二次試験合格者は省庁訪問を行うが、ここでさらに3分の1に絞り込まれる狭き門だ。
公務員に求められる資質として、ここ数年、筆記試験オンリーではなく、人物試験を重視する傾向が強まっている。コミュニケーション能力やクレームへの対 応能力が不可欠との考えに沿ったものだが、要するに単なる頭でっかちではダメだということだ。もちろん、「国民や地域住民のために何ができるか」につい て、自分なりの考えを確立しておくことも必須となる。
地方自治体では
採用数を絞る傾向に。
今年からはI種試験に「コンピテンシー」が評価基準として導入される。省庁で業績を挙げている人の行動をパターン化し、 「どう考えるか」ではなく「どう行動するか」を問うものだ。人事院の面接に連動して各省庁が導入することが固まっており、「地方自治体も採用する方向に動 くのは間違いない」(藤井氏)。
そこで受験者に求められるのは、多様な経験を通して人間力をアップすること。勉強とともにサークル活動やゼミ、ボランティア活動などに打ち込む、文字通り充実した毎日を送ることを藤井氏は提案する。
省庁訪問を行う際には、自己分析と志望する省庁の分析が欠かせない。そのためにも日頃から社会の動向にアンテナを張っておくこと。食事中に新聞記事の内容について親が質問するといったことを、家庭内で習慣づけることも有効だろう。
最近の傾向として、文部科学省や経済産業省などを志望する合格者が増えている。合格者の出身校は東京大学や京都大学、早稲田、慶應が多いが、最も重要な のは受験者自身の能力と人間性だ。公務員の職種は幅広く、どこまで専門性を深めることができるかがポイントとなる。大学院でより深い勉強をしたり、英会話 を身につけておくことも有効といえそうだ。
公務員という仕事の第一のメリットは、安定していることだろう。平均年収は約630万円(平成17年人事院勧告)。とくに女性にとっては、結婚後、出産後も働き続けやすい環境であることが大きな魅力といえる。
地方公務員については、自治体の財政事情で採用数が左右される。特に北海道や四国、九州地方では採用枠が削減される傾向が強い。政府も公務員削減の方向 性を打ち出しているが、「国家公務員I種と都市部の地方上級職については、一定数が維持されていく可能性が高い」と藤井氏はみている。

GIRLS RANKING:5
理容師・美容師(Barber/Beautician)
昔から女性が活躍する業界の一つ。
美容師はやや過当競争気味で、これからのねらい目は理容師?
カリスマ美容師の登場やイケメンスタイルの定着など、ここ数年で大きく様変わりした理・美容業界。現在では働く側もお客の 側も、男女の区別がなくなってきた。エステやネイルアート、メークアップなど、仕事の範囲も広がっている。「髪を整えるというイメージが強いのですが、実 際にはトータルビューティの専門職なのです」と、社団法人日本理容美容教育センターの小玉暢子氏は説明する。
日本の理容業のルーツは、鎌倉時代中期、武士の月代をそり、髷を結った人々にさかのぼる。一方の美容業は、江戸時代中期の髪結い業を始祖とする。髪をめぐるこうした男女の文化差は、今日の業界にも受け継がれており、顔そりが理容師の専売特許なのもその一例だ。
一方で男女のニーズの接近もあり、実技に関する理論と実践を除けば、養成施設で学ぶ課目には理・美容の大きな違いはない。実技に加えて消毒法や生理解剖学まで幅広い課目があり、エステやネイルなども必修だ。
理・美容師になるには厚生労働大臣指定の養成施設(理・美容学校)を卒業したうえで、筆記・実技による国家試験に合格する必要がある。養成施設への入学には高卒の資格が必要だが、カリキュラムに高校相当の授業を組み込むことで中卒者を受け入れている養成施設もある。
資格取得後は街の理・美容室に勤めながらスキルを磨き、40歳前後で独立・開業するという流れが一般的だ。二人以上の理・美容師がいる理・美容室を開業 するには、管理理容師・管理美容師の資格保持者が必要で、取得には3年以上の実務経験が必要になる。資格職のため一生続けられ、特に女性にとっては産休・ 育児後の再開も可能など、キャリアプランの幅も広い。
技術を高めれば
収入が上がる
職人的仕事。
収入面は店舗ごとにまちまち。最初は収入が低くても、経験を積むことで高収入が見込める職人的側面が強い。ちなみに平均年収は296万円である(平成15年厚生労働省調査)。
隔年開催の世界理美容技術選手権大会を筆頭に、国際大会、日本選手権大会などのコンテストもある。成功には最新技術の習得や熱意に加え、体力や人間観察力、お客とのコミュニケーション力などが必須だ。
割合としては施設数・従業員数ともに美容室のほうが多く、今日では過当競争の様相もある。一方で新しい分野として期待されているのが、理容業ならではの 「男性の美」の追求だ。「美容が華やかな美なのに対し、理容は細部まで神経の行き届いた『整えられた美』。まさにこれからの分野です」(小玉氏)。また、 高齢者向けの市場も需要拡大が見込まれている。

山口邦夫=構成
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